しんぶん赤旗8月19日付
石神井川の氾濫 再発防止策 不十分 |
防災首都圏懇が調査
被害企業 土のう積み自衛 東京北区 |
防災問題を考える首都圏懇談会(坂巻幸雄会長)は18日、7月5日のゲリラ豪雨で石神井川があふれ約500棟が浸水被害を受けた東京都北区の被災現場を視察しました。土木や建築の技術者ら10人が参加し、行政による再発防止策の有効性や水害の原因について意見を交わしました。
氾濫(はんらん)地点は水害後、行政側が緊急対策で土のうを積み、護岸を高さ6㍍まで40㌢かさあげしました。住民側は住民説明会などでかさあげが不十分だと批判。また、氾濫地点に隣接し水害で数十億円の被害を受けた日本たばこ産業の配送センターは敷地内に自費で護岸より約1㍍高く土のうを積みあげています。
現地を案内した日本共産党の福島宏紀、山崎泰子の両区議は、▽首都高速道路が石神井川の流れを変えるエ事中で、氾濫地点の護岸だけ都市計画より20㌢低いまま放置していた▽首都高は手抜きエ事で5年前にも水害を起こした▽住民でつくる水害対策協議会は今回も首都高の工事が原因と考えている-と説明しました。
坂巻会長は「石神井川上流は1時間100㍉の雨が当たり前に降る状況」と語り、1時間50㍉を基準にして十分な再発防止策を取らない都を批判。参加者からは「下流の護岸整備のために都が設置した工事用の構造物が、水流を妨げ水位上昇を招いたのではないか」など、行政の責任を問う発言が相次ぎました。
千代崎一夫事務局長は「こうした問題は専門家と住民の連携が重要。災害予防、減災に取り組む組織をつくり、引き続き石神井川について考えていく必要がある」と話していました。
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