2007年11月28日
2007年第4回定例会 個人質問
私は、大きく4点質問いたします。
あらためて北区の労働・雇用対策の充実を求める
まず初めに、北区の労働・雇用対策についてお尋ねします。
国の労働・雇用政策に対する認識と北区の基本姿勢を問う
先の第2回定例会で、私は、ネットカフェに寝泊りする若者や日雇い派遣労働者が急増している実態をしめし、その対策を求めました。いま書店では、人気漫才コンビ「麒麟」の田村裕(ひろし)氏が書いた『ホームレス中学生』という本が、ベストセラーになっているそうです。「まことに残念ではございますが、‥‥これからは各々頑張って生きてください。‥‥解散!!」という父親の一言で家族がバラバラになり、中学生だった末っ子の筆者が約1ヵ月間におよぶ公園でのホームレス生活を余儀なくされるという体験談です。「本当に死ぬかもしれない、神様は何をしているんだ、中学生がこんなに飢えているのに」というくだりがあり、「死と隣り合わせ」の生活だったことが赤裸々に語られています。母親の病死、父親の入院とリストラによる失業で3人の子どもを養うことができなくなった果ての悲劇とのことですが、これを特殊な事例としてすませるわけにはゆきません。どの家庭にも起こりうる深刻な日本の現実として直視すべきであります。
10月11日付「毎日新聞」夕刊は、昨年7月のOECDの調査で、日本の「貧困率」がアメリカに次いで2位となったことを紹介し、「『貧困』こそが、格差の新しい"顔"になっている」と指摘しています。また、11月7日付「読売新聞」に掲載された「貧困拡大 見えぬ実態」という記事は、「非正社員の増加や不安定な生活を強いられる若者の問題も深刻化している」とのべた上で、駒村康平・慶大教授の「政府はこうした事実を直視せず、実態さえわからない。見えない貧困こそが問題だ」という談話を紹介しています。
いまや「貧困」問題は、避けることのできない重大な政治問題です。この責任は、国民の側にではなく、政府にこそあります。「構造改革」の名で増税と社会保障切りすてが強行され、労働法制の改悪・規制緩和で使い捨ての働かせ方を横行させてきました。歴代の政府は、大企業にはバブル期を大きく上回るような収益を保証しながら、一方でワーキングプアを大量に生み出す雇用大改悪をすすめてきたのです。
そこでまず2点、区長にお尋ねします。
第1に、国のまちがった労働・雇用政策を正面から批判するとともに、貧困打開にむけて真剣な対策を講じるよう政策の転換を求めるべきだと思いますが、いかがですか。
第2に、不安定雇用の増大は、ものづくりの現場や地域経済にも深刻な影響を及ぼします。もはや、労働と雇用の問題は「国の責任でやるべき」と傍観していられません。厚生労働省もすでにこの8月、ネットカフェ宿泊者や日雇い派遣労働者の実態調査をおこないました。北区として「貧困」の現実に目をむけ、必要な調査をおこなうとともに、抜本的な労働・雇用対策を講ずるべきだと思いますが、いかがですか。
はじめに、北区の労働問題・雇用対策の充実について順次お答えします。
まず、国の労働・雇用政策に対する認識と北区の基本姿勢ですが、首相の所信表明演説のなかでも若者の非正規雇用が増加してきた状況などを踏まえ、若者たちが自らの能力をいかし、安定した仕事に就いて、将来に希望をもって暮らせるよう、正規雇用への転換促進や職業能力の向上、労働条件の改善など働く人を大切にする施策を進めていくとしています。
区としては、国の動向を注視するとともに、今後も雇用対策、就労対策の充実について、必要に応じて国や東京都に要望してまいります。
また、具体的な対応策については、既存施策を活用するほか、ハローワーク王子や王子労働基準監督署など関係機関と連携して検討し、可能なところから取り組んでまいります。
なお、実態調査については、先日開催した「若者就職サポートフェスタ」にあたって、区内のネットカフェ等にご利用者への事業PRのお願いにまいりました。
「働く貧困層」に対する生活資金貸与制度や家賃補助など経済的支援にふみだすべきだ
2つ目に、具体的な対策についてうかがいます。
ワーキングプアといわれる人々は、病気や怪我、失業・転職、家賃更新など、きっかけひとつで生活困窮者となる危険を常にもっています。そのために、いざという場合には、自治体が生活支援のための制度を整備しておくことが必要ではないでしょうか。
注目すべき動きを紹介しますと、この12月に、「首都圏青年ユニオン」などが中心となって「反貧困たすけあいネットワーク」が発足することになっています。このネットワークは、労働組合費や国保料が払えず、何の保障にもかかれない人を対象に、病気や怪我で働けなくなったときの休業補償や無利子貸付をおこなう「たすけあい制度」を創設するとしています。具体的には、1ヵ月300円の会費で6ヵ月以上の入会を条件に、1日1,000円、最大10日で1万円を支給または貸し付けるとのことです。たった1,000円ですが、1,000円あれば1日は生き延びることができる――こうした「たすけあい」の活動を、広範な市民相互の運動として広げてゆこうという趣旨とのです。
貧困な生活にあえぐ当事者たちが、自らの力でこうした努力をせざるを得ない状況に追い込まれている時、痛切に求められるのは、区民の暮らしと命に責任を負うべき自治体による、あたたかい支援の手であります。東京都も「ネットカフェ難民」支援策として、職業訓練を受ける期間の生活費を月15万円支給、住居確保のための資金を上限60万円まで無利子で貸し付けることを決めました。
そこで、区長にお尋ねします。生活困窮者に対する生活資金貸与制度や家賃補助など、北区として経済的支援にふみだすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
次に、「働く貧困層」に対する経済的支援についてですが、必要に応じて、既存の制度で対応してまいります。
「赤羽しごとコーナー」のリニューアルにともない、若者の就労支援策の抜本的強化を
3つ目に、赤羽駅の高架下に移設される「赤羽しごとコーナー」のリニューアルにともない、若者の就労支援策の抜本的強化をはかることについてです。
11月8日、北とぴあ地下展示ホールで「2007若者就職サポートフェスタin王子」が開かれました。就職を希望する若者に北区のものづくり企業を紹介し、就職のためのセミナーをおこなう北区としては初めての試みでしたが、当日は150人を超える来場者が訪れ、成功をおさめたといってもよいのではないでしょうか。私もいくつかのセミナーに参加し、企業の紹介ブースを回ってお話をうかがいました。ある担当者は、「技術の継承者育成という点から人材の確保は大きな問題。やる気のある若者を求めている。こうした機会があれば、次回もぜひ参加したい」とのべていました。会場には思った以上に若い人の姿が見られ、真剣なまなざしでセミナーやブースを回っていたのが印象的でした。北区が、関係機関とも連携して若者の就労支援にのりだしたことを大いに評価するとともに、「サポートフェスタ」は、来年以降も引き続き開催することを要望するものです。
こうした経験も生かしながら、若者の就労支援策を継続的・系統的なものにしてゆくために、来年リニューアル・オープンとなる「赤羽しごとコーナー」の活用について、3点質問いたします。
第1に、区として新しい「赤羽しごとコーナー」をどのように位置づけ、どう活用しようと考えているか。
第2に、就職の悩みにこたえるキャリアカウンセリングのための相談員や専門家の配置を求めること。
第3に、エコー広場館内のスペースも利用するなどして、若者が気軽に立ち寄れる「溜まり場」をつくること。
以上、区長の見解をお示し下さい。
次に、「赤羽しごとコーナー」のリニューアルにともない、若者の就労支援策の抜本的強化を、について順次お答えいたします。
新しい「赤羽しごとコーナー」は、ご指摘のとおり、仕事の紹介のみにとどまらず、若者や女性の雇用・就労に関連する情報発信の場としていきたいと考えています。そのため、コーナーを設け、雇用就労に関するチラシ等を提供するほか、セミナールームを使って、ハローワーク王子や東京都しごとセンターなどと連携して講演会や講習会などを実施し、若者や女性が気軽に立ち寄れる場づくりをしていきたいと思います。
北区の対応によって新たな「ワーキングプア」を生まないようにするために
4つ目に、北区の対応によって新たな「ワーキングプア」を生むことがあってはならない、という問題についてうかがいます。
現在、北区では「経営改革プラン」にもとづいて業務委託や指定管理者制度がすすめられていますが、本来、経費削減とサービス向上とは相容れないものです。外部化によって、そこで働く人たちの賃金引き下げや、非正規雇用の増大など労働条件が切り下げられることになれば、北区の対応によって新たな「ワーキングプア」を生み出すことにつながります。こうした事態を引き起こすべきでは絶対にありません。
アメリカでは、まともな生活に見合う労働条件の保障を求める「リビング・ウェイジ運動」――日本語では「生活賃金運動」と訳されていますが――の結果、すでに100以上の自治体で「リビング・ウェイジ条例」が取り入れられています。この条例は主に、自治体やそこから委託業務を受けている業者などに対して、賃金の最低保障の水準を設定し、「これ以下の賃金で労働者を働かせてはならない」と義務づけるものです。これによって州が定める最低賃金の2倍程度の水準を確保し、導入自治体では企業の活性化や収益増など、地域経済へのプラスの影響が報告されているとのことです。
いま、日本でも「リビング・ウェイジ条例」を実現しようという動きがあらわれています。そこで、区長に3点質問します。
第1に、すでに業務委託や指定管理者制度へ移行した施設について、労働条件の面からのモニタリングを徹底し、この点でのしっかりした検証ぬきに新たな外部化はおこなわないこと。
第2に、外部化にあたっては、賃金水準や労働者の構成について議会への報告を義務づけ、指定管理者制度へ移行した後も、労働条件が守られているかどうかを定期的に議会へ報告させること。
第3に、北区でも「リビング・ウェイジ条例」を導入し、労働者の権利、生活を保障すること。
以上、お答え下さい。
次に、外部化と「ワーキングプア」についてお答えします。
サービスの向上とコストの削減を図るため、「北区経営改革プラン」に基づき業務委託や指定管理者制度の導入などを進めています。
その際、受託事業者は、労働基準法や最低賃金法をはじめ法令の遵守を前提としたうえで、事業者自身の創意工夫と独自のノウハウにより、サービスの向上と効率的な運営を行っております。
区としては、今後とも、適切な委託料や指定管理料の算定に努め、また、さまざまなモニタリングの手法を活用して、質の高いサービスの確保と、施設の適切な運営はもとより、労働者が安心して働くことができるように努めながら、計画的な外部化を進めてまいります。
議会への報告につきましては、指定管理者の指定についての議案を上程する際には、選定委員会の経過や選定理由、事業者の概要などに加えて、従事者の配置状況や従来手法との経費比較の試算をお示ししております。
また、今定例会の所管委員会では、指定管理者のモニタリング結果について報告させていただきます。報告内容につきましては、指定管理者制度の円滑な運営に留意しつつ、今後とも、他区の例も参考に、十分な精査をした上で、適切な報告に努めてまいります。
なお、賃金の最低保障の水準を設定する区独自の条例制定についてのご提案ですが、法制度の考え方など難しい面もあると考えています。
また、現在、労働者の雇用等に関し、最低賃金法などの改正が国会で審議されております。
区といたしましては、そうした動向を注視しつつ、契約の相手方に対しましては、法令等の遵守について、今後とも指導して参ります。
商店街の活性化にむけて
大きな2番目の質問は、商店街の活性化についてです。
消費税引き上げ反対を国に求めよ
まず、消費税の問題です。福田首相が記者団の質問に「いま消費税をすぐ上げるとかなんとかという話にならない」と答え、来年度中の引き上げ実施を見送る考えを示唆したとされています。しかし、これが、当面の選挙目当てのポーズにすぎないことは、以下の事実からも明らかです。
第1に、10月17日の経済財政諮問会議には、日本経団連の御手洗会長など民間議員の提言で、2025年までに消費税を最大で17%に、という試算が出されています。
第2に、政府税制調査会は、社会保障財源について「消費税率を引き上げていくことによって賄う」との答申を、11月20日にまとめました。
第3に、自民党の財政改革研究会は11月21日、消費税を「社会保障税」と改名し、2015年に向けて現行の5%から10%程度に引き上げることを柱とする報告書をまとめました。
まさに、政府・与党、財界あげての消費税引き上げの大合唱です。
日本共産党北区議員団は、この間、区内の商店街をまわり、消費税引き上げ反対の団体署名への協力を訴えてきました。対話になったところでは、異口同音に「今度消費税が引き上げられれば店を閉めるしかない」という声が寄せられました。消費税は所得の低い人ほど負担が大きい最悪の税制であり、その引き上げはとりわけ商店街にとって死活問題です。7月の参院選では、安倍前首相の「消費税を上げないなんて一言も言ってない」という発言が国民の猛反発にあい、自民党ですら消費税引き上げを公約にすることができませんでした。民意を尊重するならば、消費税増税は絶対にやるべきではありません。
そこで、区長にお尋ねします。北区として、消費税を引き上げないよう国に強く申し入れるべきではありませんか。明確な答弁を求めます。
次に、商店街の活性化に向けてのご質問にお答えします。
まず、消費税についてです。
政府の税制調査会は、社会保障制度の維持に必要な財源として、将来的には消費税増税が欠かせない、とする08年度答申をまとめましたが、その時期と税率は明らかにしていません。
区としては、今後も、国や世論の動向を注視してまいります。
商店街振興事業のさらなる改善・強化を
2つ目は、商店街振興事業のさらなる改善・強化についてです。
その第1として、大型店の進出が地域経済に及ぼしている影響について、全面的な調査をおこなうことを求めるものです。歴代政府の規制緩和政策による大型店の進出は、各地の商店街に深刻な影響を及ぼしています。たとえば赤羽西口のイトーヨーカドー出店の際には、区も影響調査をおこなったと聞いていますが、その後、高架下が整備され東西の行き来はより自由になりました。東口商店街への影響も含め、再度調査するべきと思いますが、いかがですか。
第2に、補助金の支給期限の延長についてです。ある商店会長は、「空き店舗活用やイルミネーションなどの補助金は、3年、5年の期限つき。せっかく店舗を改装したり機材を購入しても、すぐ打ち切りでは思い切って活用しようという気にならない」とのべていました。商店街の活性化にとって、必要だと思われる事業については、しかるべき検討の上、補助金の支給を一定期間継続するようにしてはどうでしょうか。
第3に、商店会から要望の強い装飾街路灯電気料補助の増額を求めるものです。
以上3点、区長の前向きな答弁を求めます。
次に、大型店の出店が地域に及ぼす影響についてですが、北区が交通利便地であること、消費者が店舗、商店街、地域を超えて比較購買をする傾向があることから、いかに区内での消費を促すかが大きな課題であると認識しています。
このため、昨年制定した北区商店街の活性化に関する条例のなかでも、大型店との共存共栄による活性化を掲げています。
北区商店街連合会でも、先の条例制定以降、地域社会の健全な発展に資するよう大型店にも理解と協力を求めています。
区としては、地域の商店街と大型店が地域住民の方々に親しまれる商業集積として、共存共栄の方向で、区内から消費が流出しないよう努めていただきたいと強く願っています。
次に、商店街がおこなう事業への助成についてです。
空き店舗活用事業については、立ち上がり支援ということで3年間の家賃補助になっています。今後は、事業計画の立案段階から専門家を派遣することなどを検討してまいります。
また、商店街イルミネーション事業については、駅前広場が公的な空間であることから、通常の助成率を大きく上回る支援をさせていただいています。区としては、一定の年月が経過した段階から、商店街だけではなく地域の企業にもご賛同いただき、冬の一定期間、まちに彩(いろどり)を添えていただきたいと考え、助成率、助成限度額を縮減させていただいています。
なお、装飾街路灯の電気料助成については、北区商店街連合会から要望書をいただいていますので、現在、内部で検討を重ねています。
商店街振興に伴う事業支援のあり方については、今後とも、商店街の皆様のご意見を伺いながら検討してまいります。
赤羽・志茂地域のまちづくりについて
大きな3番目の質問は、赤羽・志茂地域のまちづくりについてです。
赤羽岩淵駅前の22階建てマンション建設計画について
まず、赤羽岩淵駅前に建設が予定されている22階建てマンション計画についてです。
先日、第1回目の説明会がおこなわれましたが、地上70メートル、84戸、北区の民間マンションとしては一番高い建物になるとのことです。周辺は高くてもせいぜい10階程度であり、いきなり2倍以上という高層マンションの出現に、参加者からも日照、風害、地盤の弱さなど不安の声が相次ぎました。直近の北側には四岩小、岩淵保育園、岩淵児童館があり、児童、園児らの安全が、とりわけ懸念されているところです。
このような計画をいったん認めれば、早晩同じような超高層マンションが林立し、まちづくりにも大きな影響を与えるのではないでしょうか。
そこで、うかがいます。
第1に、北区として住民の不安の声にこたえ、建築主に対してしっかりとした指導をおこなうこと。
第2に、いまの計画では北本通りからマンションに入る30台以上の車が、いやおうなしに小学校や保育園の前を通ることになります。仮に建設が認められるとしても、子どもらに配慮した道路の整備をすすめること。
第3に、住環境を守る立場から北区として絶対高さ制限を導入すること。
以上3点について、お答え下さい。
次に、赤羽岩淵駅前の22階建てマンション建設計画についてのご質問にお答えします。
まず、建築主に対して、しっかりした指導をおこなうべきとのご質問です。区では、建築物の紛争防止を図るため、「中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」に基づき、建築主に対し、近隣関係住民への説明を求めています。
近隣住民の方が心配されている日照、風害、地盤等について、近隣関係住民の一定の理解が得られるまで十分な説明をするよう、また、周辺の小学校、保育園や児童館に通う児童や園児の安全面について、工事施工時の安全対策に万全を期すよう、区としては建築主に求めてまいります。
次にマンション建設に伴う道路計画についてです。
当該マンションの駐車場出入り口および車両通行部については、建築主が計画し、所管の交通管理者である赤羽警察署および警視庁ならびに道路管理者である東京都第6建設事務所との協議の上、了承を得ることになります。建築主に対しては、周辺住民からの要望等を、十分に聞くよう申し伝えたいと考えております。
次に、絶対高さ制限の導入についてお答えします。
マンションの建設計画においては、住宅供給のための土地の有効利用と居住環境の保全、街並み景観の形成との整合を図ることが重要であると認識しております。絶対高さ制限につきましては、地区計画制度等の適用が考えられますが、区民の皆さまの理解が必要ですので、地域の実情を踏まえて、今後、研究してまいります。
志茂3丁目の日本化薬株式会社研究所跡地問題について
2つ目に、志茂3丁目の日本化薬株式会社研究所跡地の取得と整備にかんする問題についてです。
この場所はすでに更地となっており、同社が売却を表明しています。住宅が密集し、緑も少ない志茂の地域に、公園を確保することは、連合自治会をはじめ地元住民のみなさんの強い要望です。
そこで、うかがいます。
第1に、北区としてこの土地を取得し、公園や防災拠点などのオープンスペースとして整備するよう求めますが、いかがですか。
第2に、財政措置については、志茂4、5丁目が対象となっている密集事業の範囲を3丁目にまで広げ、国や都との協議をすすめてゆくことも視野にいれるべきではありませんか。
以上2点、お答え下さい。
次に、日本化薬研究所跡地についてです。
同跡地につきましては、本定例会に約8,000名の署名を添えて、会派を超えた請願が出ております。区といたしましては、議会の意思も踏まえ検討いたしたいと考えております。
密集事業の、志茂3丁目への事業区域拡大につきましては、まずは現在の事業地区での事業促進を優先に考えてまいります。
「自動体外式除細動器」(AED)設置への助成制度を
大きな4番目の質問は、「自動体外式除細動器」(AED)設置にあたって、区からの助成を求めることについてです。
AEDについては普及がすすんでおり、現在北区でも、学校や公共施設など70ヵ所以上に設置されていると聞いています。このほかに民間でも、設置をすすめる施設が増えています。しかし、これらの場所に設置してあるAEDは、夜間になり施設が閉まると使用できなくなってしまうことから、多くの人々が住む団地自治会やマンション管理組合などで自主的に購入しようという声もあがっています。
大分市では、一定の基準を満たす店舗や宿泊施設、事務所、工場などにAED購入費用を助成しているとのことです。 そこで、質問します。
第1に、北区でも、AED設置のための助成制度をつくること。
第2に、人が多く集まるイベントや集会に、AEDを貸し出す制度をつくること。
以上2点について、積極的な答弁を求め、私の質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。
最後に、AEDに関するご質問にお答えいたします。
ご案内のとおり、AEDにつきましては、比較的多数の方が長時間利用する施設やスポーツ施設を中心に、使用効果が期待できる区有施設に設置してまいりました。今年度も、区立全小学校へ配置するなど、現在、区立の76施設に設置したところであります。区といたしましては、今後もスポーツ施設など必要性の高い施設への設置を進めてまいりたいと考えております。
なお、AEDに関する助成や貸し出しにつきましては、現時点では実施する予定はありませんが、今後、他区の動向も見守りながら検討してまいります。