2009年11月27日
2009年第4回定例会 個人質問
私は、花川区長に対し、区庁舎改築問題と子育て支援施策の2点について質問します。
区庁舎改築について問う
最初に、庁舎問題についてうかがいます。
庁舎の改築は、多額の税金を必要とする大事業であり、区民にとっても大きな関心事です。この夏に初めて庁舎の現状を知らされた区民は、今、この問題がどう進んでゆくのか、固唾を飲んで見守っています。ところが区は、議会の「庁舎のあり方検討特別委員会」の設置からわずか4ヵ月という極めて短い間に「移転・建替え」が最適とする「基本方針」(案)をまとめあげました。そして、11月13日に開かれた特別委員会は、委員長のとりまとめで「基本方針案の改築という方向性を了承する」と結論づけてしまいました。私は、区民合意のないまま「移転・建替え」案への方向づけをおこなう区の基本方針(案)に反対する立場から、庁舎改築問題を質してゆきたいと思います。
「区民とともに」といいながら区民意見をないがしろにする姿勢は許されない
その第1は、「区民とともに」といいながら、区民意見をないがしろにする姿勢は許されないことです。
庁舎のあり方を検討するにあたって、一番大切なことは、なんといっても区民合意です。どんなに素晴らしい案や計画も、区民の理解と納得を抜きにして推進することはできません。いわば、区が基本とする「区民とともに」の姿勢が最も鋭く問われるのがこの課題ではないでしょうか。区は、庁舎問題について区民の意見を聞くとして、7月25日付で「北区ニュース」特集号を発行し、区民アンケートを実施しました。しかし、回答期間は1ヵ月とされ、区民からの意見はたった537件にとどまりました。同時に庁内LANシステムを使っておこなわれた職員向けアンケートも139件と、正規職員の5%程度の回答率でした。
そこで、まず区長にお尋ねします。
わずか1ヵ月間の区民アンケートで、庁舎改築問題について区民の声をしっかり聞いたといえるのでしょうか。また、職員の意見の集約はきわめて不十分だと思いますが、区長の見解をお聞かせください。
次に、基本方針(案)の取り扱いについてです。区は、12月中旬からこの案についてパブリックコメントを実施するとしていますが、実施期間はまたしても1ヵ月です。庁舎検討特別委員会は9月に、昨年新庁舎を完成させた福生市を視察しましたが、ここでは基本構想の前段階で、市民への意見聴取を6ヵ月間かけておこなっています。区民合意をはかるためには、少なくとも半年は時間が必要ではないでしょうか。
そこで、「基本方針」(案)についてのパブリックコメントは期間を延長し、十分に区民意見を集約する時間をとるべきと考えますが、いかがですか。
さらに、パブリックコメントの時期にあわせて、庁舎改築問題について少なくとも区内7ヵ所以上の会場で区民説明会を開催すべきと思いますが、いかがですか。
区長の明解な答弁を求めます。
庁舎改築についてのご質問に、お答えいたします。
はじめに、区民の意見や意向の把握に関してのお尋ねです。
耐震性など多くの課題を抱えた現庁舎について、区民や職員がどのように考えているのか、専門委員会では7月のアンケートによって概ねの傾向は把握できた、と受け止めています。
あわせて職員団体から提出された庁舎改築を求める要望書も、職員の意向を把握するうえで参考になりました。
これから、「改築を基本的な方向とする」とした基本方針案について、パブリック・コメントを実施いたしますが、その際にも、改めて町会自治会連合会で説明をさせていただき、より一層、区民の意見、意向の反映に努めてまいる所存です。
専門委員会の「結論先にありき」という検討方法の問題点
庁舎問題の第2は、専門委員会の「結論先にありき」という検討方法の問題点です。
庁舎のあり方をめぐっては、学識経験者と区の職員で構成される庁内の専門委員会と、議会の特別委員会が意見や情報を交換しながら検討を進めてゆくとされていました。しかし実際には、専門委員会で話し合われた内容が議事録となって特別委員会に報告されるのは1ヵ月も経過してから、という運営が繰り返されました。特別委員会に区民アンケートの中間集約結果がしめされた同じ時期に、すでに専門委員会では移転・建替え案にしぼりこむ議論がすすんでいたのです。わが党は何度も改善を求めましたが、こうした運営によって特別委員会は、常に先行して議論している専門委員会の結論を事後承認する役割しか与えられませんでした。
区長にお聞きします。
専門委員会の議論のみを先行させ、その結論が1ヵ月も遅れて議会の特別委員会に報告されるという運営が繰り返されたことは、明らかに異常ではありませんか。お答え下さい。
次に、専門委員会の進め方についてです。
専門委員会、特別委員会ともに、大変精力的に会議を開催していただいたことに感謝申しあげております。
なお、日程の都合上、資料等の提供や説明が十全でなかった点については反省し、迅速な対応に留意してまいりたいと存じます。
「北区役所の庁舎のあり方に関する基本方針(案)」について
庁舎問題の第3は、区の基本方針(案)についてです。
この方針(案)は、これまでに示されたAからDまでの4案のうち、「移転・建替え」のD案に最も優位性があると断じ、今後はD案による改築を基本的な方向とする、としたものです。日本共産党北区議員団が、この方針(案)に反対するのは、以下にのべる大きく2つの理由からです。
1つは、「移転・建替え」の結論が客観性を欠いた方法で、恣意的、誘導的に引き出されていることです。
区は昨年、最初の検討報告をまとめた際、D案だけに丸印をつけ、区民や議会の意向も聞かないうちから「移転・建替え」案に誘導しようとしました。さらに重大なのは、区民アンケートの設問と集計のやり方です。北区ニュース特集号では4つの案をしめしているのに、アンケートの設問ではどの案がよいかをあえて問わず、利便性やバリアフリーなどに対する一般的な意見を求める内容になっています。ところが区は、集計段階で、自由意見を恣意的に解釈して「A・B案支持」「C・D案支持」などとふりわけ、「移転・建替え」案が最も多いと結論を導いているのです。
このように誘導的なやり方で「移転・建替え」案にしぼりこんだ基本計画(案)は認めることができません。
2つめの理由は、基本方針(案)が、財源や移転候補地の問題を度外視したまま、D案の優位性を結論づけていることです。
「移転・建替え」案が一番よいといいながら、基本方針(案)には財源や移転先がまったく示されていません。一大プロジェクトにとりかかるというのに、資金の算段など裏づけもなく方針を決めてしまうのは、あまりにも乱暴ではありませんか。この問題について区民はどう考えているのでしょうか。アンケートにしめされた声を紹介したいと思います。
「財源はどうするのか。建設費用が区政の財政を大幅に圧迫するなら、財源を確保してから実施してほしい」
「莫大な費用負担はどうなるのかが明らかでないのは不安。費用をどう捻出するのかがわからない」
「現状の厳しい経済状況の中、過大な財政負担は避けるべき。景気が好転してからでも遅くない」
区長の耳には、これらの声が届いているのでしょうか。
財源の心配をしているのは、区民だけではありません。庁舎専門委員会の議事録には、こんな指摘が見られます。
「短期的に見た財政的な負担、例えばC・D案では初期に集中する財政負担を本当に乗り越えられるのか」
「D案では、土地を購入するには百数十億円がかかり、現在の土地を売るまで資金繰りしなければならない。…建物についても同様で、…助走期間の中で70~80億円は積み立てておく必要があるなど、資金繰りの難しさはある」。
このように、複数の専門委員が財源に関して懸念の声をあげています。
そこで、あらためて区長にお聞きしますが、D案で推進するとした場合、その財源はどうするつもりですか。また、移転候補地については、すでに目途がたっているのでしょうか。正直にお答え下さい。
日本はいま、先の見えない経済危機の真っただ中にあります。大幅な税収減が予想される下、建物だけで150億円というプロジェクトに、厳しい目が注がれることは当然です。財源や移転先について確固とした見通しもないまま「移転・建替え」案だけにしぼりこむとすれば、無責任のそしりを免れないことを厳しく指摘しておきます。
以上をふまえて、「北区役所の庁舎のあり方に関する基本方針」(案)については再検討が必要だと考えますが、いかがですか。
区民に納得のゆくよう、区長の真摯な答弁を求めます。
次に、「庁舎のあり方に関する基本方針案」についてです。
専門委員会において、庁舎は、「防災上、特に重要な公共建築物」としてIS値0.9とする必要があり、そうした前提に立つと、A・B案は現実的でないと判断されました。
さらに、C・D案の比較において、仮庁舎の必要性や庁舎機能などからD案に優位性がある、とされたもので、専門家による専門的、客観的な判断です。
区は、特別委員会による「とりまとめ」も踏まえて基本方針案を定めたもので、まずは基本計画に庁舎改築を位置づけ、用地や財源などの問題についてはこれからの検討課題として、財政状況等を勘案しながら積極的に取り組んでまいります。
庁舎の現状にかんがみ、緊急の耐震補強工事こそ急ぐべき
庁舎問題の第4は、緊急の耐震補強工事こそ急ぐべきだということです。
「移転・建替え」案への結論をしゃにむに急ぐ一方、来庁者や職員の安全にかかわる建物の耐震補強について、区が長期間にわたり対策をとらず放置していることは、理解に苦しみます。日本共産党北区議員団は、将来的な庁舎のあり方については区民合意を前提に、慎重かつ十分な議論を保障すべきだが、現在の庁舎については、すぐにでも耐震補強工事をおこなうべきだと主張してきました。これを「二重投資」などといって拒否するのは、人命軽視といわざるを得ません。
そこで、区長にうかがいます。
庁舎改築の計画がどのようにまとまるにせよ、耐震性に問題がある庁舎の現状にかんがみ、緊急の耐震補強工事こそ急ぐべきではないですか。
明確な答弁を求めます。
次に、緊急の耐震補強を急ぐべきではないか、というご質問です。
平成7年から、北区では、学校、児童施設、福祉施設を優先して耐震補強工事を順次進めてまいりました。これらの施設の耐震化工事が概ね終了することを受け、ようやく、庁舎に着手できるようになったものです。
また、A・B案のように耐震補強工事及び大規模改修工事を行うのか、C・D案のように改築をするのか、という基本方針が定まらないうちに本格的な耐震補強工事を行うのは、二重投資になりかねない面がありますが、基本方針が改築の方向となった以上は、暫定的な耐震補強工事について区議会とご相談しながら、適切に対応することが望ましいと考えています。
子育て支援施策の充実・発展を
次に、子育て支援施策の充実・発展を求めて質問します。
待機児解消にむけた保育計画の具体化にあたって
その第1は、現在区が策定中の、待機児解消にむけた保育計画の具体化についてです。
1つめに、認可保育所の増設を基本にすえることを求めます。
厚生労働省は、待機児解消の対策として、東京など都市部で国の保育所設置基準をゆるめ、自治体まかせにしようとしています。こんなことが許されれば、いまでさえ寝返りもうてない満員の保育所にさらに子どもをつめこむことになり、保育環境が著しく悪化することは、火を見るより明らかです。待機児解消には、基準の緩和でなく、認可保育所の増設で対処すべきです。
現在、北区では、長年にわたり地域の信頼をうけて無認可保育室を運営してきた4つの共同保育園が、合同で新たな認可保育所を設立しようと計画中です。
そこで、うかがいます。
保育計画の中に数値目標もふくめ、認可保育所増設の計画を明記する必要があると思いますが、いかがですか。また、現在進行中の計画について進捗状況をうかがいます。これらの計画については、認可保育所として早期にスタートが切れるよう支援すべきと思いますが、区長の見解をお聞かせください。
次に、子育て支援策の充実・発展に関するご質問です。
はじめに、待機児解消に向けた保育計画に係わるご質問のうち、認可保育所の増設に関してのお尋ねです。
現在、策定作業中の保育計画におきましては、認可保育所の増設について、数値目標も含めて計画化する予定です。
また、現在、複数の認可保育所の設置について、ご相談をいただいております。いずれも、その内容が十分に定まっていない状況ですが、現在判明している点について、所管委員会に報告してまいります。
円滑な開設に向け、区は、これまでも丁寧な対応をさせていただいてまいりましたが、今後も、的確に助言等を行ってまいります。
2つめに、分園の設置にともなって規定を整備するとともに、必要な職員を配置することです。
本定例会には、4つの区立保育所で新たに分園を設ける条例案が提出されています。北区では、分園が設置されるのは初めてのことであり、現場で働く職員のみなさんからも「来年度からの保育について想定できないまま、不安ばかりが募っている」などの声が聞かれます。とりわけ、本園と分園が離れているために、連携をとりながら保育水準を維持してゆくためには、必要な職員の配置が欠かせません。
そこで、お尋ねします。
まず、今後の設置もみすえて、北区独自の分園設置要綱の整備が必要ではないでしょうか。
次に、職員については、国や都の基準での算定とは別に、分園のデメリットをカバーする職員の加算配置を求めます。なお、来年10月から本園の増設によって児童定員増となる志茂南保育園でも、4月から必要な職員配置をおこなうことを、あわせて求めますが、いかがですか。
次に、分園の規定整備と職員配置についてお答えします。
今回計画している4ヵ所の分園計画は、分園の前提となる本園との一体的運営が円滑に行えるよう可能な限り近接した施設を活用しています。
本園と分園の一体的な運営をどのように行っていくか、先行区の事例の検討も進めており、その結果を踏まえて職員体制を判断してまいります。
今後も、分園設置を計画する場合には、一体的な運営が可能となるよう可能な限り近接したものとしてまいりたいと存じます。
なお、増設により定員増となる志茂南保育園の職員配置については、円滑な園運営を前提に考えてまいります。
3つめに、認証保育所の誘致にあたっては、株式会社の参入を認めないことです。
これまでに示された保育計画では、当面4つの認証保育所を誘致するとしています。国の基準を緩和した認証保育所では、保育水準の低下やもうけ本位の企業参入など、これまでにも都内各地でさまざまな問題が起きています。待機児解消のため、「背に腹は代えられない」という事情はあるのでしょうが、誘致にあたっては少なくとも営利目的の株式会社の参入には歯止めをかけるべきではないでしょうか。
そこで、認証保育所の募集にあたっては、保育園の指定管理者選定と同じように株式会社を排除する条件を加えるべきだと思いますが、いかがですか。お答え下さい。
次に、認証保育所への株式会社の参入の排除に係わるご質問です。
東京都独自の制度である認証保育所は、その約85%が株式会社等の民間企業であり、現在、すべての区が民間企業にも門戸を開放しています。
北区におきましては、今年5月に実施した認証保育所2ヵ所の公募において、応募法人数が1法人ずつと少なかったことから、8月の3ヵ所の公募では広く門戸を開き、その結果、民間企業を含む9事業所からの応募がありました。
区といたしましては、幅広く、意欲と実力のある民間企業にも応募をいただくことで、質の高い認証保育所を確保できるのではないかと考えています。
4つめに、指定管理園における施設改善要望に正面からこたえることです。
区は、区立保育園の指定管理化をつぎつぎとすすめ、すでに指定管理園は7園になっています。私たちの会派はこの間、来年度に向けた予算要望懇談会を通じ、いくつかの指定管理園から「施設を改修したり備品を購入したいが、区の許可が得られないので、やむなく法人の持ち出しでおこなった」とのご意見をうかがいました。中には、100万円を超える出費で業務用食器洗浄機を買い替えたり、どんなに洗っても臭いが落ちないトイレを乾式の床に張り替えるなどの大工事を、自費でおこなっているところもありました。指定管理園の場合、100万円以下の改修や備品購入についてはあらかじめ指定管理料に含まれる費用の中で、100万円を超えるものについては区の負担でおこなうことが協定書にも明記されていると思いますが、こうしたルールがうまく適用されていない現状があるのではありませんか。
そこで、うかがいます。
指定管理園の施設は本来、区の財産です。必要な改修・修繕や備品購入については指定管理園の自己負担にならないよう改善を求めますが、いかがですか。
区長のあたたかい答弁を求めます。
次に、指定管理園における施設改善要望に関してお答えします。
施設設備を維持するために必要な修繕や備品の購入は、指定管理の際の協定書にその扱いを明記しています。
いずれの場合も、その必要性を確認するために、区に事前の連絡を求めていますが、園の施設設備は区に属することから、どちらも経費は区が負担することとしています。
この点について、十分なご理解がいただけていない部分も見受けられますので、今後、指定管理園園長会を通じて、改めて再確認を行い、適切に対応してまいります。
家庭での子育てを応援する施策の充実を
子育て支援の第2は、家庭での子育てを応援する施策についてです。
北区次世代育成支援行動後期計画策定のためのアンケートによれば、「子育て中の親子が集まったり遊べる場を増やしてほしい」と望む声が、就学前児童で61.4%にのぼっています。北区はこれまで、乳幼児の居場所づくりについて、子ども交流館を含む25館の児童館と育ち愛ほっと館で整備をすすめてきました。しかし、多くの児童館では午後になると小中学生が来館し、赤ちゃん連れの親子の居場所がなくなってしまいます。
一方、児童館以外にも、区内のNPOや子育て支援団体が運営する自主的な子育てひろばが広がっています。これらの民間団体は、地域に住む親たちの手による地域に密着した居場所づくりをめざしており、公営施設とは異なる発想で、自分たちのやりたいことを創造的にとりくんでいるのが特徴ですが、自主的なひろばの運営には施設の維持や活動費の確保など、多くの困難がともないます。北区としては、こうした団体にあたたかい支援の手をさしのべ、区立施設とあわせて手厚い子育てひろばの体制を実現してゆくことが求められていると思います。
そこで、区長に求めます。
1つは、赤ちゃん連れの親子が一日中安心していられるスペースを確保することをはじめ、児童館など区の施設において乳幼児向け施策をさらに充実させることです。
2つは、次世代育成支援行動後期計画で子育てひろば事業を具体化し、区内の子育て支援団体への応援と連携をさらにはかることです。
以上の施策の実現について、明快な答弁を求めます。
次に、家庭での子育てを応援する施策の充実についてお答えします。
はじめに、児童館などでの乳幼児向け施策の充実についてです。
現在、すべての児童館・児童室で、乳幼児向けの活動や子育て相談を行っており、乳幼児やその保護者の利用が多くなっています。
そのため、乳幼児が安心して過ごせるスペースの確保に努め、乳幼児専用室を設けている児童館は、志茂子ども交流館をはじめ、6館となりました。
今後も、児童館を子育て支援の拠点施設として、乳幼児やその保護者にとって、利用しやすい施設となるよう、運営等の充実に努めてまいります。
次に、子育てひろば事業についてのご質問です。
子育て支援の観点から、子育て親子が、気軽に集え、交流や相談ができる場を設置することは、大変重要であると認識しています。
次世代育成支援行動計画後期計画においても、子育てひろば事業の充実を計画化していく予定です。
現在、自主的な子育て支援団体は、幅広い活動をしておられますので、子育てひろば事業につきましても、それぞれの団体との情報交換と行政の役割分担がどのようにあるべきかも含め、ネットワークの強化にとりくむ中で、検討してまいりたいと存じます。
子育て施設の用地確保へ、区民に広く提供をよびかけること
子育て支援の第3は、保育園や子育てひろばなどの施設用地を確保するために、区民に広く提供をよびかけることです。
世田谷区では、区民が所有している遊休の家や建物の提供をよびかけるとともに、子育て支援や高齢者向け事業などをおこなう団体に紹介し、活用してもらう「地域共生のいえ支援事業」をおこなっています。先日、この事業を活用して子育てひろばを運営している団体を視察しました。広い一軒家に一人住まいの高齢者が、余っている部屋を有効に活用してもらおうと提供したとのことで、団体の側は低額の賃貸料で親子の居場所を運営でき、大変助かっているとのことでした。
北区でもこの間、区民の方のご厚意で、保育園増設のための土地を提供してくれた事例があると聞いています。
そこで、区長にお聞きします。
北区でも子育て施設などに使う用地の提供をよびかけ、利用者とのマッチングをはかる新たな事業を開始してはどうでしょうか。
区長の前向きな答弁を期待して、私の質問を終わります。
ご清聴ありがとうございました。
次に、子育て施設の用地提供を区民に呼びかけ、利用者に提供する新たな事業を、とのご提案です。
ご紹介いただいた世田谷区の事例は、区民のできる範囲で、家や建物を子育てに限定することなく、様々な交流や活動の場として地域に提供していただく仲立ちを行っているもので、現在6軒の「地域共生のいえ」があると伺っています。
この事業は「財団法人世田谷トラストまちづくり」が、区や社会福祉協議会などと協力して進めているとのことです。
需要と供給をどのような観点から調整し、マッチングさせていくのか、また、行政の役割をどのように位置づけるかなど、今後、研究させていただきたいと存じます。