買い物の苦情やトラブルは、消費生活相談へ
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5/10付「しんぶん赤旗」の記事をご紹介します。
健康食品 気がつけば100万円超
高齢者相手に巧みなトーク 「健康で幸せに暮らしつづけたい」―。そう願うお年寄りに高額の健康食品を販売する会社があります。「サラ金にまで手を出して、にっちもさっちもいかなくなった友人がいる。社会問題として取り上げてほしい」との訴えがありました。 訴えを寄せてきた東京の男性(80)は、少ない年金で暮らす六十代の友人が借金をしてまでも買っていることに驚きました。なぜ買わされるのか。男性は東京・立川市で開かれたその会社の「商品説明会」に二度行き、内容をメモに取りました。 ビルの一室を借りた会場。参加者は初めて行ったときは二十人ほど、二回目は百人ほどでほとんどが高齢者です。販売員は若く、「みなさん健康で長生きしたいですよね」と巧みなセールストークを繰り出します。 「人間の細胞は一年で入れ替わる。だから一年分を買ってほしい」と一年単位で販売。それ以外にも「これだけはのみ続けてほしい」と「基本」になる商品があります。ある新製品に関しては「わが社だけが特許を許され商品化できた」「今回は四名分しか商品枠がない」「みなさまのことを考え、今回に限り定価の75%の値段です」などといって、一年分三十万二千四百円の品を二十二万六千八百円で販売しています。 「学術用語や病名に詳しく、もっともらしいので反論できない。しまいには買わなくていいのかという気にさせられてしまう」といいます。一年分のまとめ買いに次々と出る新商品…。気がつけば百万円を超えています。 同時に問題なのは「健康食品」として販売しているにもかかわらず、「薬効」を並べて最大の売り物にしていることです。「がん細胞死滅」「花粉症…一―二日で止まる」「糖尿病…血糖値下がる 特許庁長官許可」などとまるで万能薬かのごとく紹介しています。これは明らかに薬事法違反です。 薬効標ぼうは薬事法で禁止 国民生活センター・消費者情報部の担当者は「健康食品に薬効をうたうことは禁じられています」と説明します。一般に普通の食品よりも健康によいとして売られている健康食品について、薬効を標ぼうし、疾病の治療に使用する目的性をもたせることはできません。 愛知県にあるその健康食品会社に、説明会での薬効紹介について取材しました。会社側は「厳重に注意します」というものの「絶対にしてはいけないと指導している」ともいいました。「説明会へ行った人が話しているのですが」と問い詰めると「販売のためにやったかもしれない」と声のトーンが落ちました。 国民生活センターに寄せられる健康食品に関する相談は年々増え続けています(別項)。高齢者層が多く相談を寄せる「イチョウ葉食品」については、湿疹(しっしん)などの皮膚障害や下痢などの消化器障害の相談が寄せられています。同センターは「健康被害を受けないために」とパンフレットを作製、注意を促しています。 訴えを寄せた男性はいいます。「若い販売員に『お年寄りに健康であってほしい』なんていわれたらほろっとしますよ。薬効がうそなら許せない話」。健康で長生きしたいと願う高齢者をだましてほしくはありません。 相談件数10年で4倍以上 国民生活センターへ寄せられた健康食品に関する相談件数は、二〇〇二年度は一万七千四百七十四件、〇三年度は途中集計ですが一万四千三百五十七件。一九九三年度の四千五十七件と比べると十年間で四倍以上の増加です。二〇〇〇―〇三年度の年齢別相談件数は二十代が最も多く、七十、六十、三十代と続き、商品契約の平均金額は五十四万円でした。
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