今回の世論調査で、来月から一部施行となる年金制度改革法について尋ねたところ、「法律を作り直すべきだ」との回答が78%に達し、同法への不満が依然根強いことを浮き彫りにした。「このままでよい」との容認意見は19%だった。社会保障費の財源として消費税率を引き上げることの是非については「やむを得ない」と「引き上げるべきではない」がともに49%で、賛否は二分した。
「作り直すべきだ」と答えた人たちに理由を聞くと、「負担が増える一方、支給が減るから」が37%でトップ。以下「年金制度は一元化して、不公平感をなくすべきだから」(33%)▽「社会保険庁の廃止を含めた抜本改革を優先すべきだから」(20%)▽「財源については保険料方式ではなく、税方式にすべきだから」(8%)と続いた。
年代別では30、40代のともに89%が「作り直すべきだ」と答えた。一方で、年金受給世代の70代以上で法改正を望む人は56%で、世代間の違いが表れた。
民主党が求める年金一元化を導入すると、自営業者は保険料負担の増加が見込まれる。それでも自営業者の78%が同法の作り直しを求め、その理由は「年金を一元化し不公平感をなくす」が33%で最多だった。
支持政党別では、民主支持層の88%が法改正を求めた。一方、自民支持層では作り直し要求派が69%と比較的少なく、理由のトップは一元化の未完成(39%)だった。
消費税率引き上げは、男性の57%が「やむを得ない」と回答したのに対し、女性は42%にとどまった。また、年金制度改革法を「このままでよい」と答えた人のうち50%は引き上げを「やむを得ない」と答えた。【吉田啓志】