年金控除廃止で影響を受ける主な事業（北区の資料から）

小泉内閣が進める高齢者への課税強化によって、北区では国民健康保険料、介護保険料、シルバーパスをはじめ高齢者住宅改造費補助、心身障害者福祉電話事業など二十四事業で影響を受けることが同区の調べで分かりました。
　 六十五歳以上の高齢者のうち、前年の合計所得額が百二十五万円以下の人に対する非課税措置が区民税の二〇〇六年度分から段階的に廃止されます。これによって、それまで区民税が非課税だった人が課税されることになり、多くの事業でその影響を受けることになるからです。
　 これまで非課税だった人については、来年度から激変緩和の措置が取られるものの、〇八年度には全額課税となり、新たに六十五歳になった人は、初めから全額課税となります。
　 ▽区民税
　 北区の試算によると、影響を受ける高齢者は〇六年度で四千八百十人、〇八年度は五千四百九十人にのぼり、負担増の合計額は一億二百万円を見込んでいます。
　 公的年金が年額二百四十五万円で六十五歳以上の夫婦の場合、区民税は現在の非課税から〇六年度三千円、〇八年度には九千円になります。同様
の条件で単身者の場合
は、〇八年度は二万七円にもなります。　　　　　　
　　　　
　 ▽シルバーパス
　 区民税の課税によってシルバーパスは千円から三十倍の二万五百十円にはね上がります。現在、同区では千円パスの購入者は約二万三千五百人いますが、東京都の推計では都内六十三万人の千円パス利用者のうち、約七万七千人が二万五百十円にはねあがります。

　▽国保料
　 国民健康保険料は、これまで住民税が非課税で均等割の分だけ納めていた人のうち約三千六百人が課税対象になります。これによる負担増の合計額は〇六年度八千百万円、〇八年度は二億四千三百万円にもなります。
　 公的年金が年二百四＋五万円の夫婦の場合、〇六年度は約一万円、三年後には約三万円の負担増となり、保険料は夫婦で六万四千二百円にはねあがります。

▽介護保険料

介護保険料が上がる人は最大六千七百五拾人と見込まれています。所得段階が現在第二段階（住民税非課税）の人（年四万九千四百円）に一気に上がるので、二万九百円もの負担増になります。