75歳以上の高齢者に差別医療を押し付ける後期高齢者医療制度で、4回目となる保険料の年金天引きが15日に強行されます。10月からは、国民健康保険料(65―74歳)の天引きも含めて、新たに約6百25万人が対象に加わり、対象者は一気に約1千5百10万人に拡大します。舛添要一厚生労働相は、選挙を意識して「見直し」を口にしていますが、保険料の徴収は容赦なく続行されます。
今回の天引きでは、15日に振り込まれる8・9月分の年金から、10・11月分の保険料が引かれます。
サラリーマンの夫や子どもの扶養家族で、これまで保険料を払わなくてもよかった約2百万人は、初めて保険料負担を強いられます。最初は、本来の保険料額の一割に軽減されます。しかし、政府・与党は「軽減策」を2010年3月までの1年半にする方針で、その後は、重い負担がのしかかります。企業などで働いていて組合健康保険など被用者保険の本人だった人(約35万人)も、新たに天引きの対象となります。
9月分まで年金天引きを実施していなかった東京都内の14区や横浜市、さいたま市など29市区町村に住む人(約90万人)の天引きも始まります。
政府・与党が6月に決めた小手先の「軽減策」も10月から実施されます。所得の低い一部の人(約4百70万人)は、10月から天引きが一時停止されます。しかし、停止は半年間だけです。
また、天引き以外の支払い方法も「選択」できるようにしましたが、手続きが間に合わない自治体が生まれるなど、新たな混乱を作り出しました。
国保料天引き353万人に
65―74歳の国保料の天引き対象は約3百53万人になります。全国の市区町村の9割以上で、天引きが実施されます。2カ月分の国保料が一度に年金から勝手に引かれます。
これまで高い国保料の支払いが困難で、市区町村と相談のうえ分納などで何とか納めていた低所得者などの生活を、いっそう苦しめるものです。
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