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2008年11月11日 通算819号

さがらとしこ事務所 
東京都北区赤羽北 3-23-17
TEL&FAX 03(3905)0970

日本共産党区議団
北区王子本町1-15-22 区役所内
TEL 03(3908)7144

おはようございます。
10月7日の志位和夫委員長の国会質問が世界一の自動車メーカーを動かしました。
派遣使い回し<クーリング>トヨタ車体中止
「しんぶん赤旗日曜版」より
志位質問受け
 トヨタ車体(本社・愛知県刈谷市)が、派遣社員をいつまでも使いまわす違法な「クーリング」を中止したことが八日までに明らかになりました。富士松工場(刈谷市)の一部では、三日に中止されました。日本共産党の志位和夫委員長の衆院予算委員会質問(十月七日)が、世界一の自動車メーカー、トヨタ自動車の中核会社を動かしました。       (岡清彦)

  「赤旗」日曜版編集部がトヨタ車体本社広報室に確認したところ、「共産党の志位委員長が国会で、派遣社員をクーリングして永続的に働かせる、との質問をされた。十月二十日に厚生労働省愛知労働局が県内の主要製造業を集めて、派遣法の解釈について説明会・研修会を開いた。その結果、クーリングは法の解釈にのっとりよろしくない、と私どもが自主判断して、全工場で中止する」と回答しました。
 同時に、「当時は適法と判断していた」とものべ、今回の中止でクーリングを違法と認めたことになります。
  トヨタ車体は、派遣社員を直接雇用の期間工(契約期間は最長2年11カ月)にする、と労働者に説明しています。期間工に応募しない派遣社員は「工場から去っていただく」(広報室)といいます。北海道から来た二十代の派遣社員は「期間従業員ではなく、安定して働ける正社員にしてほしい」と話しました。
  刈谷工場で働く正社員、高木礼次さん(六一)が語ります。
  「クーリングが合法的と認められると全国に広がるところでした。志位さんが国会で取で上げたことで、水際で阻止された意義は大きい。低賃金で使い捨ての派遣社員を期間工にするのではなく、正社員にするよう運動していきたい。トヨタ自動車同様、トヨタ車体もぱく大な利益をためこんでおり、正社員化は可能です」

違法行為認めた以上正社員にせよ
志位委員長

 日本共産党の志位和夫委員長は八日、「クーリング」の中止について、次のようにコメントしました。

 トヨタ車体が、派遣労働者の「クーリング」について違法行為をおこなっていたことを認め、これを中止したことは、当然です。
 トヨタ車体は、違法行為と認めた以上、これまで派遣として働いてきた労働者に、安定した雇用を保障する重大な社会的責任があります。違法行為をおこなってきた責任はあげてトヨタ車体にあり、それを是正した結果として、派遣労働者の雇用が奪われたり、いっそう不安定になるなどということは、万が一にも許されません。
 不安定な期間社員に置き換えることでは問題は解決せず、期間の定めのない直接雇用-正社員にすることを強く求めます。違法な「クーリング」までして派遣労働者を三年を超えて使い続けようとしたこと自体が、その業務が一時的・臨時的な業務でなく、常用雇用の代替という、労働者派遣法からの重大な逸脱だったことを証明しています。正社員にすることは当然の責任です。

◆クーリング
 トヨタ車体では、A直とB直の二グループがあり、一週間ごとに昼夜勤が変わります。同社は、十月からA直の派遣社員をB直に集め、A直の派遣社員をゼロにしました。
 「三カ月と一日」が過ぎると、今度はB直の派遣社員をA直に集め、B直の派遣をゼロにします。A直、B直で派遣社員がいない「三カ月と一日」の期間を交互につくり、派遣社員を永続的に使いまわそうというものです。この「三カ月と一日」が「クーリング期間」といわれています。
 派遣労働には「臨時的・一時的」という原則があります。このため労働者派遣法には最大三年という派遣労働の試問制限が設けられ、それを超えると派遣先企業は労働者に直接雇用を申し込む義務が生じます。
「クーリング期間」は、派遣労働が継続していないかのように見せかける手法です。
 志位委員長は十月七日の衆院予算委員会で「直接雇用をのがれるための期間制限偽装ではないか。ただちに是正せよ」と政府に迫りました。

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“言論のクーデター”根本になにが 
田母神前空幕長問題
「しんぶん赤旗」日刊紙08.11.9付より

 「我が国が侵略国家だったなどというのは正に濡れ衣である」とした「論文」を応募し、更迭され「定年退職」となった田母神俊雄前航空幕僚長。同じ懸賞論文に幹部自衛官など94人もが応募していたことも明らかになり、組織ぐるみの事件に発展しています。〓言論によるクーデター〓ともいえる事態の根本になにがあるのか-。

歴史認識・憲法解釈/政府見解くつがえす
 田母神問題の核心は、歴史認識や憲法解釈についての政府見解を、軍事組織のトップが真っ向からくつがえそうとしたことです。
 田母神氏は「論文」で、旧日本軍の中国侵略について「我が国は蒋介石により…引きずり込まれた被害者」などと全面否定。植民地支配についても「圧政から解放され、また生活水準も格段に向上した」などと美化しています。

 これらは、「植民地支配と侵略」についての反省を表明した1995年の「村山富市首相談話」に反するだけでなく、歴史の事実を真っ向から否定するものです。集団的自衛権の行使や攻撃的兵器の保有が禁止されているとする政府の憲法解釈にも真っ向から異議を唱えていることも、憲法尊重擁護義務への挑戦です。 田母神氏は問題発覚後も「村山談話」について「検証してしかるべきだ」と見直しを要求し、集団的自衛権の行使も認めるべきだとのべています。

 世界有数の戦力をもった軍事組織のトップが、侵略戦争を肯定し、海外での武力行使を可能にすることをめざして政府見解を覆そうとする-現役将校らによるクーデターがあいついだ戦前の歴史を想起させる事件です。

懲戒手続きなし/自衛隊の体質を示す
 もう一つの問題は、防衛省・自衛隊の体質です。
 防衛省は、田母神氏に対して、懲戒手続きもとらず、定年退職として約6千万円の退職金の自主返納だけを求めるという及び腰の姿勢です。
 「政府見解と明らかに異なる意見を公にすることは、航空幕僚長としてふさわしくない不適切なもの」(浜田靖一防衛相)というなら、懲戒処分が当然です。

 本紙が情報開示請求で入手した陸上自衛隊幹部学校の「教育課目表」によれば、過去の日本の侵略戦争を、当時の呼び名を使って「大東亜戦争史」として教えています。

 2004年には、陸上自衛隊幕僚幹部防衛部防衛課所属の二等陸佐が、自民党の中谷元・元防衛庁長官から改憲草案づくりの依頼を受けて起草。憲法九条を改悪して改憲案に国防軍の設置や国民の国防義務を盛り込むことを求めていました。
 今、防衛省が真に取り組むべきことは、過去の侵略戦争美化を容認する風潮をきっぱりと断ち切り、憲法尊重擁護義務をしっかり果たすことです。

任命は安倍内閣/歴代自公政権の責任
 田母神氏が航空幕僚長に任命されたのは2007年3月、安倍晋三内閣当時のことです。
 田母神氏が侵略戦争を正当化する考えの持ち主であったことは、それ以前から自衛隊内では知られた事実でした。航空自衛隊の隊内誌『鵬友』でも、統合幕僚学校長時代の03年7月号から04年9月号まで4回にわたって「航空自衛隊を元気にする10の提言」を寄稿し、今回の論文と同様の主張を繰り返しています。 それにもかかわらず、航空幕僚長に任命した自公政権の任命責任は免れません。

 今年4月に、イラクでの自衛隊の活動を違憲と断罪した名古屋高裁判決に対して、田母神氏は「そんなの関係ねえ」と暴言をはきました。しかし、石破茂防衛相(当時)は「(イラク派兵について)何ら変更がないといいたかったのだろう。部下を思い、国を思う気持ちだ」と擁護しました。

 田母神氏は、侵略戦争肯定発言を繰り返す理由に、「親日的な言論は比較的制約されてきた…その状況が最近変わってきたのではないか」と判断したことをあげています。

 主要閣僚を「靖国」派でしめた安倍内閣の登場(06年)と、そのもとで航空幕僚長に任命されたことは、今回の「論文」と無関係ではありません。それだけに、安倍政権以来の歴代政権の政治責任は重大です。

制服組の政治関与/自公政権が推進 
 自公政権は自衛隊制服組の政治関与を推進してきました。新ガイドライン(日米軍事協力の指針)が締結された1997年には、制服組が国会や他省庁と直接交渉することを禁じた「保安庁訓令九号」を廃止。自民、民主などの若手国会議員と制服組の「勉強会」も指摘されるようになりました。

 2007年には、防衛庁を防衛省に格上げ。インド洋、イラクと海外派兵を積み重ねるなかで、制服組の発言力も強まりました。

 今年5月には、防衛省「改革」のなかで、石破茂防衛相が「『軍人を政治から隔離しておいたほうが文民統制に資する』との考え方では今日の政軍関係は成り立たない」として、国家安全保障会議に軍人メンバーが加わるよう求めるなど、文民統制の「改革」を求めました。

 田母神氏は、2004年当時、石破防衛庁長官の訓示を示し、「自衛官も政治に対し…意見を言うべきなのだ」「政治家と積極的に接触するよう努めるべきではないのだろうか」(『鵬友』04年3月号)とのべていました。

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