新型インフル/ 家庭や個人でどう対応
新型インフルエンザに、 家庭や個人でどう対応 したらよいのでしょうか。 (寺田 可奈 )
通常インフルと同症状
症状は、2,3日の潜伏期間のあと、発熱、けん怠感、食欲不振、せきなどの通常のインフルエンザ症状や、鼻水、のどの痛み、嘔吐おうと、下痢などが起きる場合もあります。
今回、死者が出ているのはメキシコだけです。毒性はまだ明らかになっていませんが、感染の広がりとともにウイルスが変異する例もあり、警戒が必要です。症状があれば保健所に 水際対策を徹底するため、発生国からの入国は、4空港(成田、関西、中部、福岡)、3港(横浜、神戸、関門)に集約化。メキシコ、アメリカ、カナダから到着する航空機に乗った乗客は、機内検疫が実施されます。健康状態のチェックと、到着後10日間の追跡調査のために連絡先が確認されます。体温が高い人には、検疫所で詳細な診断を行います。(図1参照) 該当地域から帰国した人などで、だるい、熱があるなどの症状がある人は、すぐに医療機関を受診するのでなく、 ▽ 最寄りの保健所(発熱相談センター)に電話し、 ▽ 医療機関への受診方法(移動手段も)を相談、 ▽ 公共交通機関を避けなるべく自家用車で、 ▽ 必ずマスクを着用し、 ▽ 指示された感染症指定医療機関(発熱外来)で受診します。手洗いとうがい励行を 主な感染経路は、飛沫感染と接触感染です。こまめな手洗い、うがいが基本で、手は石けんを使って流水で15秒以上洗います。手や顔を洗った後は、清潔なタオルやペーパータオルなどで十分ふきとります。手で目や口を触らないことも大切です。
せきエチケットを身につけます(図2参照)。せきをしている人には、マスクの着用を勧めます。鼻汁、たんなどを含んだティッシュは、すぐにゴミ箱に捨てます。マスクは不織布製のものを、使い捨てるようにします。顔のサイズに合ったものを選び、鼻と口を確実に覆います。
体調に不安を感じたら、無理に出勤せず、最寄りの保健所に電話で相談します。感染者の二〓以内に近づかない、人込みへの不要不急の外出を控える、十分睡眠や栄養をとり感染しにくい状態を保つことも重要です。
現在のところ抗インフルエンザ薬のタミフル、リレンザが有効だといわれていますが、人の体内で次第にウイルスが変異し、耐性をもつようになる恐れもあるため、新薬のすみやかな承認を求める専門家もいます。
豚インフルエンザのワクチンは、季節性ワクチン製造を一部中止して、作ることが検討されています。製造までに少なくとも数カ月ほどかかるとみられます。国内発生で学校休校も 国の新型インフルエンザ対策ガイドラインでは、国内で感染者が一人でも確認された場合、発生した都道府県の大学から小学校、幼稚園、保育園までいっせいに休校になる計画です。
文部科学省は「休校については、基本的に計画通り実行することになるだろう。ウイルスの毒性については不明な点があるが、毒性が弱ければ安全かというと、本人の自覚がないだけに、よけいに感染を広げる恐れがある」と語ります。食品・日用品の備蓄は/備蓄物品の例 また国は、新型インフルエンザ対策ガイドラインで、発生に備え二週間分程度の食品や日用品、医療品の備蓄を呼びかけてきました。
厚生労働省は「買い置きは、買い物に行く回数を減らし、感染のリスクを減らす意味で有効。二週間分は一つの目安なので、収納スペースの都合に応じ、各家庭で判断してほしい」と語ります。(備蓄リスト参照) 食品では「豚肉については、中心温度を七一度以上で加熱調理をすれば、通常通り食べることができます。生肉を扱った手や、調理器具はよく洗ってください」と語ります。日用品・医療品 マスク(不織布製)、体温計、ゴム手袋、水枕・氷枕、漂白剤、消毒用アルコール、常備薬、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、ゴミ袋、ビニール袋、紙オムツなど 食料品 米、乾めん、調味料、缶詰、菓子類、飲料、粉ミルクなど (新型インフルエンザ対策ガイドラインから) |