「しんぶん赤旗」2009.9.15付より
東京都内の職場健診や人間ドックなどに大きな役割をはたしている社会保険新宿診療所が、連携してきた区内の社会保険中央総合病院と切り離され、個別に売却されようとしている問題で14日、日本共産党の小池晃参院議員、笠井亮衆院議員と党新宿区議団は、同診療所の公的存続を求め厚生労働省に要請しました。
国は全国に53カ所ある社会保険病院について、厚生年金病院(10カ所)とともに、年金・健康保険福祉施設整理機構のもとで売却する方針です。しかし、同病院の公的存続を求める全国の運動に押され、売却計画は「地域医療を損なうことのないように、十分検証したうえで策定すること」(2005年国会決議)とされています。
社会保険新宿診療所の1回目の入札公告は今年の5月12日に出され、8月5日に買い手がなく不成立。2回目の公告は最低価格を6億4500万円も下げ、総選挙投票日直前の8月28日に出され、10月9日が入札の期限となっています。
小池氏は診療所を視察した感想もふまえ、「すぐれた機能をもつ検診センターは国民の財産だ。8月の入札から6億円以上も値段を下げての『たたき売り』は、保険財政に資するためという目的にてらしてもおかしい。売却そのものを撤回し、国民の財産を守るべきだ」と指摘しました。
あべ早苗区議団長は、「日本共産党はもともと売却には反対してきた。政権が代わることもあり地元住民の意向もくんで、もう一度判断してほしい」とのべました。
社会保険庁病院等対策室の石川利一調整係長は、「方針については今のところ変更する理由はない」としつつ、「新政権の方針が変われば取りやめる」と答えました。
日本共産党は、公的医療機関の乱暴な統廃合や民営化をやめ、地域医療の拠点として支援を強めることを求めてきました。民主党もマニフェストのなかで、「公的に存続させる」としています。 |