野口 まさと
2025.07.16
東京都議選後、出口調査と実際の開票結果が大きく異なることから、ネットでは不正選挙が行われているとの様々な動画が出されており、これに対して東京都選挙管理委員会がそのような事実はないと声明を出しました。さらに朝日新聞がインターネット上の情報を検証するという趣旨で、不正投票はあり得ないのだという記事を出しています。
https://www.asahi.com/articles/AST78054NT78UTIL00FM.html
私も、日本における選挙で不正が行われている。などということがあり得るとはこれまで考えたこともなかったし、そのような話(後述します)を聞くことはあっても、証拠が有るわけでもないため、都市伝説に過ぎない噂でしかないのだと、これまで考えていました。
しかし、2025年6月22日に行われた東京都議選で開票立会人を務めた際に、「不正選挙はあり得るし、実際に行われている可能性は高いのだ」と考えざるを得ない場面に遭遇することになったので、記録として残しておこうと思います。
北区では、開票作業は、滝野川体育館に、区内の当日投票所と期日前、すべての投票箱が集められ開票作業が行われます。投票用紙は自動読み取り機にかけられ、候補者ごとに自動で分けられたあと、職員の目視によるチェック、集計、さらに別の人による目視チェックが行われたあと、500票ごと(区議選の場合は200票ごと)にまとめられて、私たち立会人の前に積まれます。
立会人は、この自分の前に置かれた候補者ごとに集計された票の束に、他人に票が含まれていないか、無効票となる票が入っていないのかなどを、さらに確認することができます。
私は過去10年、共産党の国政選挙・都議会議員選挙などで、北区の共産党の代表としてこの役割を担い、このチェックを行ってきました。そして今回も同様に確認をしようとしたところ、選挙管理委員の一人に、この確認作業をやめるよう止められたのです。
票を確認するのは立会人の当然の権利であると抗議をしましたが、その委員は、私が票を抜くつもりではないのかなどの難癖をつけ、直ちに指定された席に戻って座っていろと、命令口調で言うのです。こんなことは過去10年無かったことです。
なんでコイツは私が確認しようとすると、こんなに狼狽し、席に戻れと言うのか。そう考えると、ここには見られては困るモノがあるのだと考える以外にないのです。機械や区の職員の目視ではわからないけれども、候補者ごとに集計された票をじっくり見たら明らかになる不正。私は今回発見はできませんでしたが、同一筆跡の票が一定の割合あるのではないでしょうか。それ以外に確認されて困る理由がありません。
投票日当日、投票開始時には投票箱が空であることは、確認しますし、投票時間中は、立会人の目もあります。投票時間が終わって投票箱にカギをかけ、そのままタクシーで開票所に運ばれることを考えると、投票日当日の投票箱の票をに対して、入れ替えるなど不正が行われるうことはあり得ないことでしょう。
しかし期日前投票については、投票受付時間帯は同様に不正は行われることはないでしょうが、その日の投票時間終了時から翌日の投票開始時まで投票箱がどう管理されているかというのは、一般人には確認のしようありません。前述の朝日新聞の記事を見ると、投票箱は2つのカギで厳重に管理されていると書かれていますが、北区の場合、カギは金物屋で売っているようなどこにでもある南京錠で、以前受けた説明では、これらの南京錠はすべて同じ鍵穴で、一つカギがあれば、すべての投票箱を開けることができる全く同じものです。また朝日新聞の記事では投票箱1つにつき2つのカギを使うのが公選法で定められているとのことですが、北区で2つ、少なくとも2種類のカギは見たことがありません。もし2つ使っているのなら、同じカギで開く南京錠を投票箱の2カ所にかけていると言うだけの話でしょうかから、それほど厳重に管理されているというわけではなさそうです。そう考えると、期日前投票で不正は起こりえると考えても不自然ではありません。
不正投票を防ぐためにボールペンを使えと呼びかけられてもいるようですが、入れ替えられたら何で書いても同じです。自分の票を守るなら、投票は当日行くことに限ると思います。少なくとも私は今回の経験で、期日前投票にはいかないと決めました。
選挙戦中、私たちも共産党への投票を皆様にお願いをするため、有権者のみなさんに様々な働きかけを行います。特に投票所まで出かけるのが大変な高齢者に対しては、車を出すなどして期日前を含む投票所まで送迎し、投票のお願いすることもあります。このような方との話のなかで、「他党の支援者に送ってもらったときには、行きの車の中で、すでに候補者名を書いた投票用紙をもらいそれを投票箱に入れるよう頼まれる」という話を聞くことがあります。投票所で受け取った白紙の投票用紙は、持ち帰って、帰りの車でその支援者に渡すのだそうです。さすがにそこまでするだろうかと自分も疑問に思っていましたので、これまで他の人に語ることもありませんでしたが、同一筆跡の投票がもしあるのだとしたら、このようなことも実際に行われているのかもしれません。
さて、期日前投票という制度自体にも少し私見を述べておきたいと思います。今の日本の選挙では公示日・告示日翌日には期日前投票が始まります。一方で、立候補手続きを行う際に候補者が提出する選挙公報(=公約)が有権者に届くのは、少なくとも2~3日後になります。公約が出る前に投票が始まる今の選挙は、有権者が候補者の公約を比べて投票先を決めるという選挙本来の目的からも間違っていると考えます。事前に名前を売る活動ができる大政党や、いわゆるテレビなどで名前の売れたタレントの人気投票となっている今の期日前投票制度は見直しが必要ではないでしょうか。