日本共産党北区議員 本田正則
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2009年06月16日(火) 北区議会第2定例会にて個人質問の全文と区の答弁 
1.経済的理由で学ぶ機会を失うことのないように東京都と北区が行うべきことについて
  (1)経済的理由で、高校に通えないことのないよう支援の強化を
    (区の答弁)    
  (2)生活保護家庭、低所得家庭の高校進学支援の強化を
    (区の答弁)
  (3)就学援助の充実、給食費値下げを
    (区の答弁)


2.30人学級の実現に向けて
  (1)少人数学級実施の東京都への働きかけを一刻も早く再開を
  (2)区市町村が少人数学級を望むときには、それを認めるよう都に働きかけを
  (3)北区も少人数学級実施の立場に

   (区の答弁)

3.争って地域の学校への就学、進学を目指すような教育条件の整備を

   (区の答弁)

4.子育て家族の地域的なコミュニケーションづくりを学区域中心に

   (区の答弁)


5.学校の建て替え、改築に関して
  (1)設計・施工段階で、教職員の関与の強化を

  (区の答弁)

  (2)国庫補助負担金及び国庫補助交付金の支出基準の改善を
  
  (区の答弁)
 
私は、教育条件の整備に関して五点にわたって質問します。
  日本では、景気の悪化の中で、授業料が払えず、高校を退学する子どもたちが現れています。6月14日付東京新聞でも特集が組まれ、「子どもの貧困」の解決は緊急課題です。
  一方世界の国々は、貧困克服に向け、教育無償化の方向を目指しています。たとえば、国連人権規約には中等教育、日本で言えば高校の無償化を目指す条項が盛り込まれています。そしてこの条項を保留している国は日本・マダガスカルの2国だけです。
  さらに、OECD30カ国で、高校のまで授業料無償化が完了していない国は日本を含め4カ国しかありません。特に北欧の国々では、国民の合意で、低所得層の所得を引き上げ、貧富の格差を減らすため、子ども育成を手助けする生活条件と社会環境を政治主導で築き上げたと、スウェーデンの日本大使館で働いた竹崎孜氏の一連の著作で紹介されています。教科書も、ノート、教材などもすべて無償という国もあります。
  そして、フィンランドでは、私立学校が多かった中等教育を、全て公立学校化し、無償化しました。教員の資格要件は大学院修士課程程度です。そして、勉強が遅れている子や障害を持つ子には、本人や家族、そして担任教師の要請で、特別支援教師が派遣され、マンツーマンで勉強の遅れを取りもどしてくれたり、障害に応じた教育が行われるという事です。しかもこの特別支援教師は、博士課程に入り直し、障害を持つ子どもや、勉強が遅れている子どもの指導法を研究・習得した専門家です。教育委員会に複数配属され要望に応じて随時派遣されるという事です。しかも、大学以上の高等教育は、授業料無償に加え、生活費支給まであり、学びたいときに学べます。フィンランドのように私学も含む全校の無償化を進め、経済的条件に左右されず、本に希望で学べるようにすること。さらに基礎学力を保障する行き届いた仕組みをつくることが理想です。
  少なくとも、学ぶ機会を奪わないこと、最低限、基礎学力を保障するための条件整備こそ重要です。 (一)経済的理由で学ぶ機会を失うことのないように
  日本共産党は、国が高校まで無償化することを求めています。その上で、質問の第一に、経済的理由で学ぶ機会を失うことのないように東京都と北区が行うべきことについて3点質問します。
(1)経済的理由で、高校に通えないことのないよう支援の強化を
  まず1点目に、経済的理由で、せっかく進学した高校に通えないことのないよう支援の強化を求めるものです。
@行政の側から学費滞納生徒の退学を促したりしないよう都に働きかけを
その一つに、東京都に対し、都立高校で行政の側から学費滞納生徒の退学を促したり、卒業式の出席を禁止したり、入学時の学費未納を理由にした入学式の出席を禁止したりしないよう求めてください。
A都立高校の授業料減免制度の改善を
  その二つに、これも都に対し、都立高校の授業料減免制度の改善を求めてください。
  東京都の場合、授業料減免制度は、生活保護基準の1.2倍の所得基準です。
  しかし、『骨太の方針2006』では、生活保護基準の切り下げがうたわれ、母子加算などが切り下げられてきました。これでは子どもの貧困がますます進みます。生活保護基準1.2倍の減免基準を緩和するよう都に働きかけてください。
B私立高校の授業料減免の拡大を
  その三つに、私立高校の授業料減免の拡大についてです。
  学校法人が東京都の補助と、法人の一部負担で、授業料の減免制度がある私立高校があります。このほど東京都の審議会は減免を実施している法人への補助率を2/3から4/5に改善する答申を出しました。さらに減免実施法人を増やすためにも全額補助するよう東京都への働きかけを求めます。
C奨学金制度は給付型に
  その四つに、奨学金制度については、すでに一部の政令指定都市などで実施している給付型に改めるよう都や国に働きかけてください。せめて当面の緊急措置として、一定の所得を確保できるようになるまでの返済猶予付きの、高校生本人に対する貸与型奨学制度をつくるよう東京都に求めてください。
D北区の奨学金制度のさらなる拡充を。
  高校支援の最後、五つ目に北区の奨学金制度についてです。今年度随時募集にし、枠を広げるなど改善しましたが、さらに枠を広げるなど、充実することを求めるものです。以上五点、ご答弁ください。

【答弁】
 まず「経済的理由で、学ぶ機会を奪わないために」との質問のうち「経済的理由で、進学した高校に通えないことのないよう支援の強化を」についてお答えいたします。
 ご要望いただきました、国や東京都へ求めるべき事項については景気や雇用が悪化している状況を踏まえて、様々な機会を捉え、適宜働きかけを行ってまいりました。
 次に、北区の奨学金制度につきましては、今年度、随時募集の開始とあわせ、二十名の募集枠の拡大を実施いたしましたが、定員に届いていない状況です。
 従いまして、さらなる募集枠の拡充につきましては、必要なPRに努め、申し込み状況の推移を見守りたいと考えております。
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(2)生活保護家庭、低所得家庭の高校進学支援の強化を
  学ぶ機会を奪わないための2点目は、健康福祉部が実施している生活保護家庭の高校進学支援を強化することと、教育委員会がそれと連携し低所得家庭の高校進学支援と、基礎学力保障支援を連携して強化する事を求めるものです。
  北区は23区でも最も早く、生活保護世帯自立促進事業として、塾費用について中学1・2年生は年間10万円、3年生は15万円の助成を始めました。教育委員会が、この事業とも連携し、生活保護家庭だけでなく、低所得世帯の子どもたちの基礎学力確保・進学支援の仕組みを構築すべきと考えます。準要保護家庭まで広げて、板橋区のように学力援助指導員の派遣事業を実施するなど、教育委員会としての支援のあり方、生活福祉課と教育委員会の連携の方向について答弁を求めます。

【答弁】
  次に、低所得家庭の高校進学支援についてお答えします。高校進学支援につきましては、日常の授業の充実による基礎学力の定着が重要と認識しております。また、その補完として、本年度から全中学校で実力アップ土曜講座を始めております。
  学校が授業改善に努め、生徒が日常の授業をしっかり受ける事が、確実な高校進学につながります。 教育委員会はその支援を続けてまいります。
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(3)就学援助の充実、給食費値下げを
  学ぶ機会を奪わないための3点目の質問は、就学援助の充実と、給食費補助を実施することによる給食費値下げの実現です。
  @つに就学援助ですが、北区は生活保護基準の1.2倍を準要保護の対象としています。予算特別委員会の資料では、4区が1.25、1.26倍、15区が1.2倍です。しかし、この15区の中でも、北区などの3区は住宅・給食で厳しくしているので、認定基準は17番目ということになります。また、中学の移動教室や小学校の遠足などへの支給はしないなど支給対象費目も狭くなっています。修学援助の基準の引き上げと、援助対象事業や内容の充実を求めるものです。
  Aつに給食費ですが、昨年度後半、補助を実施して引き上げを押さえたのに、新年度、補助をやめてしまったばかりか、給食費を引き上げてしまいました。補助で軽減している区がある中で、給食費補助を実施し、値下げすべきです。答弁を求めます。

【答弁】
次に、就学援助と、給食費補助実施についてお答えいたします。
  北区では、就学援助認定基準に、母子加算、障害者加算を行っており、さらに、前年と比べ収入が急変した場合にも認定を行うなど、他区と比べ柔軟な対応を行っているところです。
  また、小学校の移動教室や、小中学校で行う垣施設の参加費について実費を支給しており、区によって呼称に違いはありますが内容は他区に比べて遜色ないものと認識しております。
  給食費補助につきましては、昨年度、材料費が高騰したため、給食の質の維持を図る上で、実施させていただきました・
  今後も同様な状況の債の対応と考えております。
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(二)30人学級の実現に向けて
  大きな第二の質問は30人学級の実現にむけた質問です。
  第一回定例会では、学力向上のために少人数教育推進は重要ということ、そして全国の現状把握や少人数教育のあり方について研究すると答弁されました。あわせて、@算数や数学は習熟の差が大きくなるから、個に応じてきめ細かく指導できるようにする。A集団的活動を伴う教科は維持する、B国語や社会のような多様な感じ方や考え方によって学び合う教科については学級規模を保った方がよいとも答弁されました。
  しかし、すでに導入している道府県からは、集団活動でも、日常生活の面でも、学習面でも少人数学級の方がよいという報告がされています。
  北区は国語や社会については、学級規模を保った方がよいといいます。しかし、OECDが行った学力調査で読解力が高かったフィンランドの文科省は、少人数学級の実施と、その少人数学級の中でのグループ学習の実施などを要因にあげています。確かに文章に書いてある中身が信頼できるのか、客観的な見方なのか、引用の仕方は正しいのか、合理的思考なのかなどの読解力は何回も発言して議論をたたかわすことで習熟するものです。また、漢字の読み書きも国語の学力の内容ですが、きめ細かい指導で習熟を図らなくていいとは言えません。つまり、国語でも、少人数学級でのグループ学習の法が効果が大きいのです。そこで質問です。
(1)少人数学級実施の東京都への働きかけを一刻も早く再開を
  まず第1に東京都に少人数学級を実施するよう働きかけを一刻も早く再開する事を求めます。第一回定例会では研究するとの事でしたが、どれくらいの時間をかけて、どんな事を研究するつもりなのか、あわせてお答えください。

(2)区市町村が少人数学級を望むときには、それを認めるよう都に働きかけを
  第2に、区市町村が少人数学級を望むときには、それを認めるよう都に働きかけをしてください。東京都教育庁、教育委員会は区の経費負担で実施を目指す足立区などの要望も拒絶しました。他の道府県では認めています。地方分権、教育委員会の独立に敵対するものです。断固改めるよう求めるべきです。

(3)北区も少人数学級実施の立場に
  第三に、北区も少人数学級実施の立場に立つべきです。北区では与党会派も含めて、少人数学級を求めるようになっています。実施する立場に立つことを求めます。ご答弁ください。

【答弁】
  次に、三十人学級実現に向けての質問につきまして、順次お答えいたします。
  新学習指導要領では「確かな学力」の育成だけでなく、「豊かな人間性」や「健康・体力」のバランスのよい育成が重視されています。
  以前の千葉県の調査では、国語、算数、音楽、体育における授業の楽しさ、教科の理解度について、少人数より30人以上の規模の集団の方がよいという結果が出ています。
  また、福井県では、小学校一年から五年まで40人学級を維持しつつ、学力・体力の両面で効果を上げています。
  一方平成16年の個kりつ教育政策研究所の調査では、算数・数学や英語など特定の教科での少人数の学習指導が有効であると報告されています。
  また、他府県の実践例では学習面のみならず、生活指導面での効果が上がったとの報告がなされている事も把握しております。
  北区教育委員会といたしましては、新学習指導要領の趣旨に則り、生活集団としてある程度の規模のある学級と、きめ細かな、個に応じた学習指導を行う少人数の学習集団の両面を重視していきます。
  そして他府県での実践事例、先進的な研究事例等、幅広く情報収集に努め、今後、少人数教育の望ましいあり方について研究を深めてまいります。
  東京都への働きかけにつきましても、今後、研究を続けていく中で、議会のご意向を十分に踏まえつつ北区教育委員会として検討を進めてまいります。
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(三)争って地域の学校への就学、進学を目指すような教育条件の整備を
  大きな質問の第三は誰もが地元の学校に望んでいけるような教育条件の整備、地域に住んでいる子どもたちが、争って地域の学校への就学、進学を目指すような学校づくりについてです。
  北区適正規模等審議会、適正審と略させていただきますが、この中で、各校ともほぼ30人を超える学齢児童が居住していることが報告されました。ところが実際に入学する子どもが20人を切る例が散見されます。私は、「学童保育がないのは統合される学校だからだと聞いたけれど本当か」と質問されて驚いた事があります。別の角度から見れば、地域の方々が、子どもの安全のために頑張っておられますから、地域の学校に行く方が安心です。
  いじめや非行など問題が起きると指定校変更が増えます。また、小規模校になって教師が減っても、教師集団全体の校務分掌上の実務量はそれ程変わりませんから、一人ひとりの子どもに向き合う時間を削るしかなくなります。そうしたことを避けるために問題の起きた学校や、小規模校に教員を加配すること、あるいはベテランのパワーアップ講師の加配を行うなどの措置を講ずるなど教育条件を整えるべきです。ご答弁ください。

【答弁】
  次に、誰もが地元の学校に望んでいけるような教育条件の整備についてお答えします。
  学校、特に小学校については、安心して魅力ある地域の学校に通えるような仕組み作りが必要な事は言うまでもありません。
  現在、北区立学校適正規模等審議会において、「適正規模を踏まえた北区全体の区立小学校の適正配置のあり方」について審議しておりますように、教育委員会といたしましては、一定規模以上の学校としていくことが必要と考えております。
  一方小規模化した学校では、学校行事、学級運営、校務分掌等において教員一人当たりにかかる負担が大きいなどの課題があることも認識しております。
  いずれにいたしましても、秋に予定されています、北区立学校適正規模等審議会の最終答申を踏まえ、教育委員会として、一定規模以上の学校の確保をめざしつつ、ICT活用による校務の軽減化など小規模化した学校への効果的な支援策、教育条件の整備についても様々な面から総合的に検討してまいります。
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(四)子育て家族の地域的なコミュニケーションづくりを学区域中心に
  大きな質問の第四として、子育て家族の地域的なコミュニケーションづくりを学区域中心に進めることを求めます。
  適正審で「幼稚園のお友達が別の学校に行くからという形で指定校変更になる。逆にご近所の子ども同士も、親同士も知らないという状況がある。」というやりとりがありました。公園や児童館などでのこどもの遊び仲間を通じて、親同士の子育て仲間ができるのは自然な成り行きです。
  とくに、小さな子どもたちの発達、とりわけコミュニケーション能力を養うには遊びが決定的に重要です。日常的に、子ども同志が遊べる場が必要です。また、親たちが、遊びの重要性を認識できるようにするのは生涯学習のテーマでもあります。そして、子どもの遊び仲間を通じて、親同士の子育て仲間ができるのであれば、子育てを通じたコミュニティ参加のきっかけにもなります。学校や学区域をこうした、子どもの発達や、親の生涯学習、さらには、コミュニティ参加のきっかけとして重視し、役立つものにするため、子ども家庭部や地域振興部とも連携して、子育て家族の地域的なコミュニケーションづくりを学区域中心に進めるべきです。所見を問います。

【答弁】
  次に子育て家族の地域的なコミュニケーションづくりを学区域中心に進めていくことについてお答えします。
  北区では、学校を会場とした取り組みとして放課後子ども教室事業や学校支援ボランティア事業などの実施を通じて、学校・家庭・地域の教育力の向上をめざすとともに、地域の教育・子育てのネットワークを構築しているところです。
  また、就学前の子どもやその保護者に対しては、学校公開や体験入学などを通じて、小学校に対する不安解消に努めるとともに、子ども同士、保護者同士が互いに顔を合わせ、知り合う機会を提供しています。
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(五)学校の建て替え、改築に関して
  大きな質問の第五に学校の建て替え、改築に関して質問します。
(1)設計・施工段階で、教職員の関与の強化を
  王子桜中王子小が立派な校舎に改築されました。子どもたちは喜んでいると思います。しかし、「中庭の配置などで、死角が多く対策が必要」「プールは週間29コマを、小中合計31クラスで使うので、2クラス合同でも週2時間使えない。」などの声が教師から出ています。また給食室は、排水容量が少なくて支障が起き、暫定処置をとった上で、夏休みに修繕になります。一点目として、今後こうした事をなくすために、これまでの地域関係者とのワークショップとは別に、設計・施行段階で、当該校の全教職員との一定の時間をかけた懇談を含む教職員の関与を強めるよう求めます。ご答弁ください。

【答弁】
  次に、学校の建て替え、改築に関するご質問にお答えします。
  まず、背系・施行段階での教職員の関与についてです。これまでも、改築基本構想、基本設計の段階から教職員の意見の反映について、意を用いてまいりましたが、今後さらに工夫を加え機会の拡大に努めてまいります。
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(2)国庫補助負担金及び国庫補助交付金の支出基準の改善を
  二点目は建て替えについて、国庫補助負担金及び国庫補助交付金の支出基準の改善です。
  建て替えに対する国の支出は、王子小は7億円余、王子桜中が7億3千万円余、西浮間小は2億6千万円余、桐ヶ丘中は未確定ですが7000万円程度と大きく異なります。
  もともと、義務教育の国の責任として、校舎建築についても1/2の補助金がありました。また、自治体の支出についても、地方交付税で対応してきましたが、交付税が交付されない東京都と23区は、50年で改築するものとして財調算入で対応してきました。しかし元々国の基準単価が異常に小さすぎ、補助金と財調をあわせてもとても改築経費はまかなえないという状態で、23区の負担は大きなものでした。こうした内容が詰められることもなく、学校改築経費の算入は一時金200億円でなくなってしまいました。
  ところが、国は、校舎改築に対する支出の基準を、大きく変えてきています。学級数に応じて必要面積を割り出し、今ある校舎の保有面積を引いたものが、整備資格面積である。この資格面積に対して国庫補助負担金が支出されるという支出基準にしていたのです。ただし、耐震偽装や震災の被害を受けて、強度不足の危険校舎の改築には支出するとし、耐力度調査の結果認定された部分については保有面積にいれなくてよいとしました。つまり一律1/2補助ではなくなったのです。そうなれば耐震補強をしていれば、築後50年を過ぎていても、改築のための国庫負担はほとんど出ないということになりませんか。
  まず@つ目の質問に、この仕組みをわかりやすく説明してください。また、北区の場合、小中学校で残る46校中、現在の学級数から割り出した必要面積、保有面積、資格面積についてお示しください。資格面積があるのは小中それぞれ何校かご答弁ください。
  Aつ目に、屋内体育館も同様の基準ですが、これは基準面積が大きくなったので、だいたいの体育館は資格面積があるけれども、西浮間小の体育館は地区体育館で大きかったから資格面積ゼロになった。そう考えていいのでしょうか。そうすると体育館の場合、現行学級数から割り出して資格面積がないのは小中それぞれ何校か。ご答弁ください。
  大きく差がついたもう一つの要因は、国庫補助金には負担金の他に交付金があり、「この交付金は資格面積がある場合に限られ、新世代型学習空間やエコスクールの認定を受けた場合に上乗せで交付される」からです。
  そこでBつ目、最後の質問です。予特の答弁などから類推すると、国の支出は1校1億円程度になりそうです。これまでの4校分18億円と、残り46校46億円、多くても50校で70億円程度です。ふるさと財政白書で200億円を想定してきた国庫支出が70億円に減るのは大問題です。危険校舎であっても耐震改修をせず、新世代型校舎にしたところは交付金も上乗せされている。一方で、廊下との仕切り壁を取っ払ってオープンルームとすることなどは構造上の問題でムリな校舎では、教育条件改善には目をつぶって、安全第1で改修せざるを得ません。その場合は、危険になるまで教育条件の改善を待つか、教育条件の公平を期すために、国の補助をあきらめて区の単独経費で改築するしかありません。国の義務教育を保障する責任に照らして、こうした不公平な状況は許されないはずです。改築期を迎えた場合は危険校舎でなくとも改築経費を負担するのは当然です。政府に対し校舎改築の負担金、交付金の支出基準の改定を求めるべきと考えます。区長・教育長の答弁を求め質問を終わります。

【答弁】
  次に、国の負担金・交付金の支出基準の改善についてです。
  まず、教室不足の解消及び統合校舎等の新増築は、国が定めた学級数に応ずる必要面積から当該学校及び統合学校の保有面積を引いたものを整備資格面積とし、資格面積に基準炭化を乗じた金額の原則二分の一が国の負担となります。
  本年五月一日現在、この考え方に基づく整備資格面積を有する北区立学校は、小学校で7校、中学校で3校と認識しています。
  一方、危険建物改築事業は、老朽化した校舎に対して、校舎の構造体力などを調査し、老朽化の度合いを判定する「耐力度調査」の結果、所用の基準に達していない学校の建物を対象としています。
  この場合、必要面積が整備資格面積となります。耐震補強を施せば耐力度も高まることとなりますので、この制度での補助は難しくなるものと考えております。
  最後に、交付金の支出基準の改定を求めることについてです。
  公立学校施設整備に関しては、これまでも新増築・改築事業を計画的に推進できるよう、全国市長会として、財政措置の拡充を国に対し要望してまいりました。今後とも、一致協力してその充実を、強く求めてまいります。
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