日本共産党北区議員 本田正則
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2010年09月13日(月) 北区議会第3定例会にて本田正則区議の代表質問の全文と区の答弁 
1ゲリラ豪雨対策の強化について
  (1) 北区として被害住民の立場にたち、東京都と首都高の責任を問うべき
    (区の答弁)    

  (2) 石神井川水害の再発防止について
    (区の答弁)

  (3)改善した地点を明らかにするとともに、今後の改善方針と計画について
    (区の答弁)

  (4) 集中豪雨対策の抜本改善を、国や都に働きかけるべき
    (区の答弁)

2.高齢者の孤独死をなくす、安心してくらせる北区・地域づくりに向けて
   (1)熱中症対策として低所得高齢者へのエアコン設置、修繕助成などを求める
    (区の答弁)

  (2)高齢者の孤独死や所在不明を防止する見守りネットワークづくりについて
    (区の答弁)

  (3)介護保険の改善について
    (区の答弁)

3.改めて地域医療体制の確立整備を求める
  (1)北社会保険病院の公的病院としての存続・拡充について
   (区の答弁)

  (2)独立行政法人印刷局東京病院の医療機能の復元と存続について
   (区の答弁)

4.区民の貧困からの自立を支援する北区づくりの努力を求める
 (1)就労・くらし相談窓口を設置すること
  (区の答弁)

 (2)就労支援の専管組織の設置を求める
  (区の答弁)

 (3)区内の中学、高校と連携し、新卒・既卒者対策を強化を
  (区の答弁)

 (4)ニート・フリーター・引きこもり支援の実施を求め
  (区の答弁)

 (5)板橋区が今年度、100カ所目の若者サポートステーションを誘致しましたが、北区でも誘致を求めます。
  (区の答弁)

 (6)国に家賃補助の実施と公的住宅施策の再編を求めて
  (区の答弁)

5.緊急経済対策と、中小企業振興を改めて求めて
 (1)緊急経済対策の強化を
  (区の答弁)

 (2)製造業悉皆調査を行い、北区のものづくりデータベース発信を求める
  (区の答弁)

 (3)何度も求めてきた住宅リフォーム助成を
  (区の答弁)

 (4)商店街への販売促進事業助成の充実を求める
  (区の答弁)

 日本共産党北区議員団を代表し区長に質問いたします。
  質問に先だち、7月5日のゲリラ豪雨では、区内各地で566世帯の床上・床下浸水被害が確認されました。被害にあわれた住民の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 今日は第一にゲリラ豪雨対策の強化第二に熱中症での孤独死や不明高齢者を生まないなど高齢者支援の強化について第三に北区の地域医療体制の整備について第四に、就労と住宅の支援をすすめ区民の貧困からの自立を支援する北区づくりについて第五に緊急経済対策と、中小企業振興について取り上げます。
 第1の質問は、ゲリラ豪雨対策の強化についてです。
 浸水が確認された566棟のうち、大半の461棟は堀船地域を中心とする石神井川氾濫でした。
  ご承知の通りこの地域では、5年前にも石神井川の仮設護岸が崩落し、浸水被害を受けています。その原因は、東京都から河川管理を委託された首都高速道路株式会社が、コスト削減で河川法違反の工事を行った上、仮設護岸を接続していたボルトが腐食していたというずさんな管理によるものでした。
  住民の命と財産を守ることよりも、コストを優先させた首都高の責任が厳しく問われ、最終的には、住民への被害補償となりました。あわせて再発防止のために、河川管理者である東京都の指導の下、護岸の補強整備や水防計画の見直しが行われたのです。
  にもかかわらず、5年後の再発となりました。住民からは「5年前の教訓が生かされていない」という厳しい批判とともに、再発防止や被害補償を求める声があがっています。
 堀船地域では「水害対策協議会」が作られ、今議会でも区議会に陳情を提出されるなどご努力されています。日本共産党は町の皆様と力をあわせて、取り組んでゆく決意です。
 今回の水害の原因について、東京都や首都高は7月30日の住民説明会でも「50_をこえる想定外の雨が降ったため」としていますが、到底、納得できるものではありません。
 明日の山崎たい子議員の質問で、原因究明については詳しくのべますが、この間の北区議会防災特別委員会の質疑などを通じて、大量に溢水した護岸は周囲に比べて高さが低いままであったことや、河川内の大きな工作物が水位を上昇させた疑い、また水防計画の不備など、自然災害で済まされない問題点が次々と明らかになっています。
 北区として被害住民の立場にたち、東京都と首都高の責任を問うべきと考えます。お答え下さい。。

【区の答弁】
 はじめに石神井川などゲリラ豪雨対策の強化に関する質問に順次お答えします。
 東京都の河川や下水道は、1時間50oの降雨に対応すべく整備を進めておりますが、7月5日は、石神井川流域のゲリラ豪雨により、練馬区で1時間79o、板橋区で1時間113o、北区で1時間77.5oという大変強い雨を記録しました。
 7月5日の水害発生後、区と致しましては、溢水の原因を究明し、地元区民への丁寧な説明を行うよう、東京都に要望しております。
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豪雨対策の(2)つ目に、石神井川水害の再発防止についてです。
 現在、緊急対策として、溝田橋下流から新柳橋まで大型土嚢などを使った護岸の仮の嵩上げ工事が行われていますが、石神井川全体の危険箇所を総点検し、特に下流地域は、50_を超える毎年のようなゲリラ豪雨にもたえられる安全な護岸整備とするよう、その強化を求めます。更に長期的には、上流からの雨水を河川に一気に流入させないための総合治水対策として、浸透機能、貯水池など貯留施設の整備、下水道の合流式から分流式への改善などの対策を講じ、下流への負荷を軽減するよう東京都に求めるべきです。ご答弁ください。

【区の答弁】
 また、石神井川下流部の治水能力を高めるための抜本的な対策として、貯留施設による推量調整策などを、緊急に実施するよう東京都に求めております。

(3)つ目です、北区全域で、都市開発に伴い土や緑が減り、斜面を流れ下りあふれる場所や、下水が吸い込みきれずにマンホールからあふれる場所への対策強化を急ぐべきです。水害対策担当部門では内水氾濫という言葉を使うそうですが、この10年間で水が溢れ改善した地点を明らかにするとともに、今後の改善方針と計画をご答弁ください

【区の答弁】
 内水氾濫地点につきましては、東京都と情報を共有し、それぞれの役割に応じて、下水道排水能力の改善や道路排水機能の改善に取り組んでおります。
 今後とも、内水氾濫被害の軽減に向けて、東京都と連携して対策に取り組んでまいります。

(4)つ目です。地球温暖化や東京のヒートアイランド現象が進むなかで、激しい集中豪雨の頻度が高まっています。現実に、時間50ミリ以上の豪雨を、東京都の水害データから拾うと平成10年から19年の10年で52件以上発生しています。その上現在の50ミリ対策は40年程前に策定されたものが基本で、平成11年、12年などの集中豪雨や水害をふまえ、地下浸水対策などが付け足されたものです。しかし、都市構造も大きく変わり、50oを超える豪雨の頻度も上がりました。集中豪雨対策の抜本改善を、国や都に働きかけるべきと考えます。ご答弁ください。

区の答弁
 区民の皆様が安心して暮らせるように、今後とも、一時間100oを超えるような局地的な集中豪雨にも対応する抜本的な対策の実施を東京都や国に求めてまいります。
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第二に、高齢者の孤独死をなくす、安心してくらせる北区・地域づくりに向けて質問いたします。
  この夏は記録破りの猛暑が続き、高齢者を中心に熱中症による死亡が続いて社会問題になりました。東京23区で、観察医務院が検案したなかで7月16日の梅雨明けから9月6日までに熱中症で死亡した人が136人、北区で8人と確認されています。北区保健所にお聞きしたら、お医者さんが看取ったケースもあわせて、7月から8月上旬の約1か月で、10件が確認できたとのことです。あと1ヶ月、9月上旬まででどれだけになるでしょうか。また、防災課への問い合わせで区内3消防署が救急搬送をした中で、医師が熱中症と診断したとの記録が108例あることがわかりました。熱中症対策は喫緊の過大です。
 (1)つ目に熱中症対策として低所得高齢者へのエアコン設置、修繕助成などを求めます。
 桐ヶ丘団地にくらす92歳の女性が、6月に体調を崩し倒れました。介護認定が、「要介護」から「要支援」になったことを心配して訪問したNPOの方に発見され事なきを得ました。その後も猛暑で、寝苦しい夜が続いています。この女性の部屋にはクーラーは設置されていますが、昨年故障したまま、修理していません。それは、月額4万5千円の年金収入から、介護保険、後期高齢者保険料を天引きされ、家賃、水光熱費、医療費、介護利用料などを支払うと手元にはいくらも残らないからです。しかも10年以上たった古いエアコンついては火災の危険も指摘されています。
 クールスカーフなど熱中症グッズを配った企業なども出ていますが、高齢者の健康と家計をふまえれば、エアコンの設置・修理費補助などの対策が必要です。また、夜間の運転も必要で、電気料金が高くなり、払えず、ライフラインを止められる人もいます。電気料金減免制度や助成制度の実施を政府に働きかけていただきたい。北区のエアコン設置・修理への助成実現と政府への働きかけについてご答弁ください。

区の答弁
 次に、孤独死をなくし、健康に暮らす高齢者対策の充実について、お答えします。
 まず、エアコン設置、修理助成についてです。
 区の助成については、高齢者の所得を把握することや、基準が難しく、財政負担も大きいことから困難と考えます。
 区民生活に切実な問題については、他自治体と連携し、必要委応じて国に要望してまいります。

(2)つ目は、高齢者の孤独死や所在不明を防止する見守りネットワークづくりです。
 高齢者の所在不明も社会問題となり、民生委員さんが走り回っておられましたが気が休まらないといいます。先ほどの新聞記事の女性は、高齢者問題に取り組むNPOの方に救われました。見守りネットワークの強化が求められます。
 見守りといえば、北区は、生活支援員がいるシルバーピアで、10年20年経って入居者の年齢がさらに高まると、当初は考えられなかった様々な問題が起きており、認知症対応の研修など対応を強化すると我が党の指摘に答弁しました。しかし現実には、芦屋市の公営住宅のように、夜間介護の経験も十分な専門職の生活支援員が交代勤務で24時間配属されること、その専門職に対しても研修の機会を保障すること、そして配食事業などで日常的に顔を見る機会を確保することなど、ができないとうまく見守りできないのです。見守りネットワークの一つ目に、改めて、高齢者住宅、高齢化がすすむ大規模団地には専門職の生活支援員を24時間配置することが必要と考えますが、答弁を求めます。

【区の答弁】
 次に、高齢者住宅、高齢化がすすむ大規模団地への専門職の生活支援員の24時間、配置についてです。
 高齢者住宅の見守りにつきましては、専門職の生活支援員等の配置とともに、緊急時通報システム、安否確認システムなどを導入し、対応しております。
 又、高齢化が進む大規模団地においては、改修や建て替え時期に併せて、安心して暮らし続けるための支援施設として、福祉施設等の併設を住宅の管理主体に要望しております。
 今後とも、居住者の疾病、障害等の状況に応じ、居住者が安心して生活できるよう地域包括支援センターとともに、支援してまいります。

 次に、見守りネットワーク強化について5点質問します。中心となるべきは地域包括支援センターとされています。 @点目は、地域包括を中枢機関に据えてお互い様ネットワークを発展させ、見守りのネットワークに育てることを求めます。A点目に、そうはいっても地域包括は予防プランの作成に追われています。見守りのために経験のある職員の増員を求めます。新宿区では包括の職員を41人から84人に倍増しました。B点目に、地域包括の職員が中心になるだけでなく、高齢者福祉や地域振興に従事する区の職員を組み込み、さらに民生委員さんや、介護事業所や、医療機関、高齢者の見守り事業などにとりくむNPO、そして認知症サポーターや地域の老人会や自治会、商店街、さらに毎日配達をする新聞屋さん牛乳屋さんなどの協力も得ることを求めます。C点目に、中野区では、2005年の保健福祉審議会の答申を受けて、個人情報を保護しつつネットワークに開示することを、条例を制定して実現しようとしています。北区でも実施してください。D点目に、このネットワークの拠点として、商店街の空き店舗を、会食の場や居場所として活用できるよう、助成の充実や人材活用の工夫を求めます。ご答弁ください。

【区の答弁】
 次に見守りネットワークについてです。
 おたがいさまネットワーク事業では、民生委員や協力員の月二回程度の訪問及び、地域包括支援センターを中心とした、協力団体とのネットワークを進めています。
 町会・自治会、シニアクラブ、医療機関、介護事業所、薬局、入院料販売事業所などに協力団体として登録をしていただき、日々の活動の中でかかわる高齢者に、気になることなどがあったら、エリアの地域包括センターに連絡していただく仕組みです。
 民生委員や協力員、協力団体への研修や、区民の皆様への周知、認知症サポーターや介護予防リーダーとの連携を進め、おたがいさまネットワークの充実を図って参ります。
 この事業では、登録した高齢者の情報を、警察、消防に提供しています。
 協力団体への情報提供は、今後この事業を進める中で、個人情報に配慮しつつ、必要に応じて検討します。
 また、NPO等が空き店舗を活用して事業を行う場合、商店街コミュニティ拠点創出支援事業を活用いただけます。
 地域包括支援センターについては、基本計画に基づき整備を行うとともに、担当する高齢者数の標準化に努めて参ります。

高齢者の(3)つ目は、介護保険の改善についてです。
 制度発足10年の今、改めて、区民の期待に応える介護保険となるよう以下質問します。
 まず北区の施策です。ヘルパー、デイサービス食事代等の利用料減額制度創設を求めます。
 また、おむつ支給が介護度4.5に限定されているのは3区だけです。改善を求めます。ご答弁ください。
 次に政府に対してです。政府や社会保障審議会からは、介護療養病床を廃止する、在宅介護では、生活援助を「要支援1・2」の軽度者に対する介護保険のサービスから外すなどが出されていますが、発足10年の介護保険法の改正は、これまでの制度の検証を行い、安心・安全の介護保障制度となるよう抜本的な見直しとなるよう国に働きかけて下さい。
  一つに、国の負担割合を直ちに10%引き上げること。
  二つに要介護認定を廃止し、現場の専門家の判断で適正な介護を提供する制度に改善すること。
  三つに介護施設の増設がとりわけ急がれます。土地取得費に対する国庫補助、国公有地の活用、大規模公共住宅改修などでの併設、合わせて建設費に対する国庫補助の充実などが必要です。
  また、わが党は議会内外で個室のみでなく、多床室特養の建設を取り上げてきましたが、旧田端新町中学跡の新たな特養で実現の運びとなりました。さらなる増設を求めます。
  四つに、医療と介護の連携をすすめ、介護療養病床の廃止・削減をやめること。
  五つに国として保険料・利用料の減免制度を作ること。
  六つに介護職員の処遇改善を進めて、従事者の確保を進めること。
  七つ、介護予防や健康増進、保健事業などは、国の財政保障に裏付けられた自治体の高齢福祉事業として、保健と福祉のトータルでみて必要な介護が適切に提供されるようにすることと、家族介護者へのサポートを充実することなどです。
  こうした積極的改善の方向で区長が政府に対し意見を発信されることを求めます。ご答弁ください。

【区の答弁】
 次に介護保険の改善についてです。
 はじめに、利用料減額制度の創設についてです。北区では、国の社会福祉法人等による利用者負担の軽減制度、及び、これを拡大した東京都の制度を活用して、生計困難者に対する軽減策を実施しております。
 区独自の新たな軽減策につきましては、引き続き、他区の事例も参考に、区議会や区民の皆様のご意見をいただきながら、検討を進めて参ります。
 次におむつ支給事業の改善についてです。重度に認定された方の経済的な負担を軽減するため、介護保険外のサービスとして、一般財源で実施しています。
 現在のところ、ご提案の対象者拡大については難しいと考えております。
 次に、かいごほけんをの改善をくににもとまることについてです。
 本年8月、特別区長会では、安定した介護人材確保のため、都市部の実情にあった介護報酬額に改めるとともに、処遇改善交付金の継続等、利用者への直接的な影響を抑制するための方策を講じること。
 また、新たな高齢者福祉施設の整備のため、用地取得費の補助の拡充、施設面積の要件緩和を図るなど、特別区の特殊性を踏まえた、制度の改善や見直しを行うことや、住宅施策と福祉施策の連携により住環境整備を一層推進するなど、高齢者が住み慣れた地域で安心して生活を続けていける方策を講じることを国に要望したところです。 現在、時期の介護保険制度の見直しについて社会保障審議会・介護保険部会において議論が進められておりますので、その推移を中止するとともに、必要に応じて、他の自治体と連携して、要望等をしてまいります。
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第三の質問は、改めて地域医療体制の確立整備を求めるものです。

 まず(1)北社会保険病院の公的病院としての存続・拡充について質問します。
 長妻厚生労働大臣は、全国の社会保険病院長に、公的存続をさせるために、臨時国会に新しく独立行政法人地域医療機能推進機構を作る法案を再提出し、成立に向けて最大限努力するという手紙を送りました。しかし実際には、同法案を再提出せず、整理・売却を目的とする現行の独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構,略称RFOの設置期限を今月末から2年間延長する法案を提出、成立となりました。我が党の田村智子参議院議員は、「公的病院は削減しない」というマニュフェストの姿勢は変わらないのか、病院をどうするかについて「地域の合意が必要」とした以前の答弁に変わりがないかなどをただしました。大臣は、「地域医療を担う体制は維持し、譲渡は住民、自治体の了解を前提に行う」と答弁しました。しかし、国会では患者・地域の意向を無視して病院の売却を求める意見も出ました。こうした中ですから、北区はさらに公的存続と拡充の必要性を改めて政府に要望し、社会に発信すべきではないでしょうか。答弁を求めます。

区の答弁
 次に地域医療体制の確立整備についてです。
 まず東京北社会保険病院の公的存続と拡充につきましては、同病院は、先の通常国会で、「地域医療機能推進機構法案」が廃案となり、病院の村立の法的根拠がなくなることが、危惧されておりましたが、臨時国会で、現在の病院の保有者であるRFOの設置期限を二年間延長する議員立法が成立しました。
 北区といたしましては、今後も、現行の病院体制が引き継がれる形での運営がなされるよう国の動向を十分注視し、時機を失することなく要望を行うなど区議会や医師会ともご相談しながら、医療機能の確保に向けて、全力を挙げて取り組んでまいります。は、道路ネットワークを形成する上で重要な路線と認識しており、早期完成に向け凍京都に働きかけてまいります。

 (2)つ目は独立行政法人印刷局東京病院の医療機能の復元と存続についてです。
 同病院は現在でも麻酔科を含めて7つの診療科があり、診療を継続しています。二次指定救急医療機関は、かつて区内に10カ所以上あり、夜間の手術や入院が可能な病院が指定されますが、現在は5つに減り、全て赤羽、王子で、かつて3つ以上あった滝野川はゼロになっています。救急告示を受けている病院も、8/1現在で区内11ですが、滝野川では東京病院1つだけです。この東京病院も、救急車受け入れは、昼間の診療時間内が基本で、夜間は週1回、整形外科か外科のどちらかだけです。せめて、7つの診療科があり、120ベッドの開設許可条件を生かし、かつてのように夜間の入院や手術もできて救急車受け入れができるように、北区としての努力、働きかけを求めるものです。
 現在、同病院は、2007年末の閣議決定で、一昨年から始まる次期中期計画中つまり、2013年度までに他の医療機関等への移譲とされ、北区は一昨年5月に額賀財務大臣宛に「現行の病院体制が引き継がれる形での運営」について要望を行いました。その年9月には住民陳情が全会一致採択され、北区は「引き続き必要な働きかけを行う」としました。ところが、昨年11月の事業仕分けでは、運営主体の印刷局が「抜本的に見直す」こととされ、ワーキンググループはその評価に、業務の効率化と不要な保有資産の売却をするというコメントをつけました。財務省理財局は、今月10日に我が党の田村参議院議員に対し、北区からの要望もふまえて、閣議決定通り、北区も含めた公的機関への移譲を検討しており、公的医療機関から移譲先を検討しているさなかであると説明しました。
 改めて診療科目を維持し、入院や手術の機能、救急機能の復活を求める声が多数上がっています。ここで手をこまねいて、病院を更地で返納などということにならないよう、北区としても改めて明確な意志を発信すべきではないでしょうか?現在の同病院を巡る動きと、政府に改めて要望することについて答弁を求めます。

【区の答弁】
 次に、印刷局東京病院の医療機能の復元と存続についてです。
 印刷局病院は、滝野川唯一の救急告示病院であり、北区の地域医療のためには、なくてはならない施設です。
 現在、国の独立行政法人の事業仕分けの対象となっておりますが、東京医科歯科大学との連携により、これまで通りの運営を行っていると印刷局から伺っております。
 北区といたしましては、今後も、区議会や医師会ともご相談しながら、印刷局東京病院の医療機能の存続に向けて、国に対して要望を行うなど鋭意、働きかけてまいります。

第四の質問は、区民の貧困からの自立を支援する北区づくりの努力を求めるものです。

  その基本は安定した雇用と居住の確保です。
  北区では、地域振興部に、雇用担当副参事を起き、第三定例会にも、トライアル雇用事業を含む補正予算案提出するなど意欲的ですが、更なる充実を求めるものです。
  まず(1)つ目に、就労・くらし相談窓口を設置することです。
  新しいセーフティネットとして実施された住宅手当の窓口が北区役所第二庁舎、生活安定応援窓口が赤羽エコー広場館内で、総合支援資金の貸し付けが社会福祉協議会です。所管課も3課に及びます。その上で最後のセーフティネットとしての生活保護の窓口が福祉事務所です。
  さらに基本、必須の窓口であるハローワークの他に、区民が使える窓口として、東京チャレンジネット、足立区や板橋区の若者サポートステーションなどもあります。職員や区議会議員にも複雑で、どこをご紹介したらいいのか迷うくらいです。
  まずは就労・くらし総合相談窓口を設置し、そこから、各受付窓口に振り向けた上で、その後、住まいと安定した仕事を確保するところまでサポートしてください。

【区の答弁】
 続きまして、安定した雇用と居住を支援し、貧困からの自立に寄り添う区政についてお答えいたします。
 まず、就労・くらし総合相談窓口についてです。自立した生活には就労は欠かせません。就労支援の中核であるハローワークには、本年三月から、住居・生活支援アドバイザーを配置し、就労支援と住居・生活支援を一体的に行っています。
 区としては、庁内各部局の担当と、ハローワークの住居・生活支援アドバイザーなど他の機関の専門相談員が、継続的な連絡を取り合い、各器官の専門性を活かす支援策を共有することで、就労支援に関する区民サービスの向上に努めてまいります。

 (2)つ目です。就労支援の専管組織の設置を求めます。
 足立区は、産業経済部に就労支援課をおき、国の若者サポートステーションを積極的に受け入れ、さらに引きこもりセーフティネット足立も設置し、若年雇用対策に積極的に取り組んでいます。就労支援課の仕事として三点強調していました。非正規から正規になっているのは10%という現実を見るとき、@あくまでも正規就労を支援する。A制度上ハローワーク以外に就労支援の情報とノウハウの蓄積がないので、これをフルに活かすための自治体側の窓口、調整役であり。Bハローワークでは、やる余裕のない引きこもっている人や、非正規で働いている人、中途退職した人などへの就労準備の支援を行うことです。北区でも、ハローワークとの連携強化を中心にその他の課題にも取り組む、就労支援の専管組織の設置を求めます。

【区の答弁】
 次に、就労支援の選管組織についてです。
 区では、本年4月より、緊急景気対策担当副参事を、緊急景気対策・就労支援担当副参事に変更し、就労支援の位置机を明確にするとともに、産業振興課に担当主査を配置し、就労支援体制を強化しました。
 また、北区の場合、区とハローワークは1区1所の関係にあり日頃から区民の就労支援について協議を重ね、お互いの役割に応じた支援の充実に努めたことで、一定の成果を上げている者と考えています。このため、現時点では、現行の組織を持って、雇用・就労支援に努めてまいります。

 (3)つめです。区内の中学、高校と連携し、新卒・既卒者対策を強化してください。
足立区の就労支援課長は、引きこもりセーフティネット足立の方と一緒に、中学、高校も回ると言っていました。こうした努力が問われています。
 次に、中学、高校性の就職支援についてです。
 学校での生徒の就職につきましては、職業安定法により、学校自らが無料職業紹介をすることができますが、実態は、ハローワークの援助を受けながら生徒に求人を提供しています。
 このため区では、ハローワークとの連名で、産業団体の協力を得ながら、区内事業所に対し、採用枠拡大の要望を行っており、今年度につきましては、すでに5月の段階で、要望させていただきました。

 (4)つめに、ニート・フリーター・引きこもり支援の実施を求めます。

【区の答弁】
 次に、引きこもり支援の実施についてです。
 東京都では平成22年度、足立区など、四つの区市において、「引きこもりセーフティネット」モデル事業として、ひきこもり状態になることの未然防止と、引きこもり等の状態にある若者への支援を実施しています。こうしたモデル事業の成果を見ながら、有効な支援策を研究してまいります。

 (5)つめです。板橋区が今年度、100カ所目の若者サポートステーションを誘致しましたが、北区でも誘致を求めます。国の事業であり、自立できる人をふやすために積極的に取り組むべきです。

【区の答弁】
 次に、若者サポートステーションにつきましては、国が地方自治体からの推薦を受け、地域で若者支援を積極的に取り組んでいるNPO法人に事業委託するものと理解しています。
 主な業務としては、子育て相談、支援プログラムの提供、保護者へのサポート、他の支援機関との連携などです。
 若年者の就労支援については、飯田橋にある東京仕事センターでも、個別カウンセリング、一般相談、職業適性などの専門相談などを行っています。
 区としては、東京仕事センターと連携するとともに、足立、板橋の若者サポートセンターの実施成果を見ながら、支援の在り方を検討してまいります。

 (6)つ目、貧困脱出支援の最後に、国に家賃補助の実施と公的住宅施策の再編を求めていただきたい。
 今内閣府で、「居住セーフティネット」が検討されています。貧困化が進んでいますが、一方で空き家が増えるにもかかわらず市場家賃は高止まりしています。その中で、住居を失う人、さらに設備も整わない住宅や狭い住宅で我慢している人が増えています。かつて、建設省は、所得階層ごとに、可処分の所得のなかでの食費と、住居費の切り詰め方を根拠に、家賃限度率を算定し、これを基準に公営住宅・公共住宅の家賃を決めていました。今、国交省は市場家賃を基準に、政策家賃を決めています。しかし、市場では適切な住宅を確保できない人が増えています。
 その中で、渋谷区は、定住対策家賃助成を始めました。40歳以下、学生をのぞく単身世帯で3万円、夫婦世帯で45歳以下あるいは子育て2人世帯で4万円、子育て3人以上世帯で5万円を、収入と家賃に限度をつけて助成しています。年間20世帯に限定した制度ですが、23区内で、最低居住水準の賃貸住宅確保にはこうした手立てが必要です。北区でもファミリー家賃助成を実施しています。
 健康で文化的な生活を送るためには可処分所得の中で、あるいはさらに医療費や教育費を除いた収入の中で、どれくらいの家賃が限度なのかをふまえて一定の支援をしないと適切な住居が確保できない状況です。当面急いで必要なのは、民間賃貸住宅を借り上げたりの手法も使って公営住宅を増やすことであり、足りない分を家賃助成で補うなどの手立てを尽くすことを、北区の現状をふまえた内容で要望するよう求めます。お答えください。

【区の答弁】
 次に、家賃補助の実施と公的住宅施策の再編を政府に求めるべきとのご質問についてお答えいたします。
 国に対しては、すでに、特別区長会を通じ、誰もが、住み慣れた地域で安心して、暮らし続けることができるよう高齢者、子育て世帯等に対する家賃助成の拡充や高齢者向け賃貸住宅の整備に対する支援強化など住環境整備のより一層の推進を要望しているところです。
 区といたしましても、高齢者、子育て世帯等の居住支援を引き続き実施してまいります。
第五の質問に入ります。緊急経済対策と、中小企業振興を改めて求めます。
 24時間地域で働き暮らしていて、地域コミュニティの核として頼りになるという面からも、地域産業と中小企業の活力が重要です。正規安定雇用を確保するとともに、地域内での再投資や資本循環につながるよう、地元企業が、異なる専門性を生かして商品を作り出し、売り、人を育てるような経済運営を北区としても追及していただきたい。
 昨年第四回定例会の質問で緊急融資の充実と、北区自身が小規模工事や物品購入を前倒しして区内業者への発注をする緊急景気対策を求めました。新年度に融資制度の充実が行われました。プレミアム商品券も新たに高齢者向けが実施されました。しかし、またまた円高株安が襲いかかり、下ブレ懸念も増しています。
 質問の(1)つ目は、緊急経済対策の強化を2点に絞って質問します。
  @点は、北区でも工場の家賃や機械のリース代なども含めて、直接助成に踏み切ることを求めるものです。すでに大田区では、もの作り経営革新緊急支援事業として、機械や工具の更新や改善に直接助成を始めています。金属棒などを切断して町工場に納入する鋼材小売商が、15万円でできる部品交換が思い切れず、だましだまし使ってきた。この助成を利用して交換できた例などが紹介されています。
 緊急対策のA点目は、区内企業に北区が発注する仕事の拡大を求めるものです。ご答弁ください。

【区の答弁】
 次に、緊急経済対策と中小企業振興に関するご質問に順次お答えいたします。
 まず、緊急経済対策として、中小企業に対する直接助成を、とのご質問です。
 お示しの大田区における支援は、その前提として、経営革新計画を策定する必要があり、その計画に沿った設備などの支援となることから、企業側の負担も大きいものと理解しています。
 現在、北区においては、23区でも非常に手厚い有志を実施するなど、多くの中小企業に対して、多様な支援を行っているところでもありますので、今後の参考とさせていただきたいと存じます。
 次に区内企業に北区が発注する仕事の拡大についてです。
 区では、緊急景気対策の一環として、区から発注する公共工事については、区内事業所への積極的な発注に努めており、引き続き、優先発注に努めてまいります。
 また、維持・修繕等にかかる簡易工事や、事務用品等の発注に付きmしても、昨年度に引き続き、事業の前倒しに努め、積極的に発注してまいります。

 産業・中小企業の(2)つ目は、製造業悉皆調査を行い、北区のものづくりデータベース発信を求めるものです。昨年の質問でも、中小企業新興条例や仮称産業振興部設置とともに、製造業支援について三点質問し、悉皆調査も求めました。今回改めて強調するのは、悉皆調査で集めたデータが、自治体が地域の事業所の技術や実績を紹介し、押し出すデータベースにつながっているからです。東大阪市の「技術交流プラザ」八尾市の「八尾もの作りネット」墨田区の「墨田企業ガイド」等がその実例で、こうしたデータベースの情報から日本や世界からの受注につながっています。北区の中小企業もKICCなどの取り組みを通じて新商品を開発する力を発揮しだしています。また、こうした悉皆調査データを、自治体が収集していれば、新商品開発のコーディネートにも大いに役立ちます。悉皆調査の実施について改めてご答弁ください。

【区の答弁】
 次に製造業悉皆調査と、ものづくりデータベースの発信についてのお尋ねにお答えします。
 昨年、製造業を含む事業所を対象とした、経済センサス調査がありましたが、現在、速報概数集計が公表されたところであり、詳細な結果は、これからとなっていますので、今後、詳細結果の内容を精査した上で、悉皆調査の必要性を検討してまいりたいと存じます。
 なお、区内ものづくり企業のデータベースについては、本年度からの計画事業である【ものづくり企業トータルサポート事業」の中で、今後検討してまいります。

 中小企業の(3)つ目は、何度も求めてきた住宅リフォーム助成です。例えば品川区でも今年度単年度の区内中小事業者の活性化策として実施しました。住宅エコポイントなどの環境対策、バリアフリー化、防犯防災対策などの旧来からある助成制度に加算して助成するものです。また長浜市の場合は、総額の10%、10万円を限度に商品券での助成を実施しました。2005年には、208件、約2000万円の交付で、総額10億円の工事になりました。市は、関連する総経済効果を28億弱と算出しました。区内事業所に確実に仕事をふやし、助成金は商店街に一度は環流します。北区がまだ取り組んでいない産業振興策、緊急経済対策の一つとして取り組むべきではないでしょうか?

【区の答弁】
 次に、住宅リフォーム助成についてお答えします。
 住宅のリフォームについては、金融機関から融資を受けてリフォームを実施する場合に、返済した利子の一部を助成する支援事業を実施しております。
 また、住宅改造費の助成、木造住宅の耐震改修工事の助成など、さまざまな制度がありますので、今後とも、各種事業について区内中小事業者へも周知に努め、事業を推進してまいります。

 中小企業の(4)つめに、商店街への販売促進事業助成の充実を求めます。
 今年5月に、京都市中京区の西新道錦会商店街振興組合を改めて訪問しお話を伺ってきました。住宅街にある、約90店舗の商店街で、大きな店もなく、カラー舗装もアーケードもなし。しかし、空き店舗は目立ちません。ポイント付きプリペイドカードシステムを開発、導入し,全国8商店街がこのシステムを導入しています。北区のスズラン通りのアーケードが10億円規模の事業なのに対して、このプリペイドカードは1億円の事業です。ファックスネットはNHKでも商店街復活の決め手として紹介され、700軒のお客と結んで、情報提供と共同宅配の機能を果たしています。スーパーには負けないという旺盛な気概で、半径1キロ1万2千世帯を対象に徹底的にサービスし、お客さんに損はさせない、損もしない取り組みが意欲的です。特売チラシを年間60回、育児・法律・医療・生活などの相談会、高齢者のための会食事業、自治会と共同のまちづくりなど利益に直結しないサービスも、旅行会など楽しい催しも盛んです。
 問題は、こうした商圏の顧客に利便性を提供し、顧客獲得に旺盛に取り組み、成功する商店街をいかにふやすかです。「北区百円市」の展開など新しい展開もありますが、さらに地域で頑張る商店街が,売り上げを伸ばす為の、カード、ポイント、スタンプ、ファックスネットなどの商店街が取り組む販売促進事業に思い切った助成を実施するよう求めるものです。中小企業について4点、区長の積極的な答弁を求めて私の質問を終わります。

【区の答弁】
 最後に、商店街が取り組む販売促進事業に思いきった助成をとのご質問にお答えします。 現在、区内の商店街では、その多くが、非常に厳しい状況にあるものと存じます。
 そこで、区では、イベントの支援を始め、プレミアム付き区内共通商品券の発行支援や、商店街毎プラン支援事業など、商店街の活性化を図るべく、積極的に支援しているところであります。
 ご提案の販売促進事業への助成については、現状でも、商店街支援の対象となっていますので、商店会長をはじめ関係する皆さまに、支援内容を丁寧にご案内するなど、多くの商店街でご活用いただけるよう、引き続き取り組んでまいります。
 以上、お答え申しあげました。ご理解、ご了解を心よりお願い申しあげます。ありがとうございました。
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