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2002年12月3日 通算449号

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発行 日本共産党区議団
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安全網(セーフティーネット)ずたずた 小泉内閣

雇用保険
坂口厚労相が暴言

「私は、雇用保険の加入期間が短かったから、三カ月しか出ませんが、仕事を探すには、失業手当は絶対に必要です」 東京の東部に住む青木春子さん(仮名、51歳)はいいます。

8月に会社が廃業、賃金未払いで放り出され、11月半ばになってやっと受給に必要な離職票を受け取りました。

失業手当は月額約11万円の予定です。 「わずかだけど、これで七万円の家賃が払えます」と安心した表情で語ります。

失業給付は、雇用のセーフティーネット(安全網)の柱です。 しかし、失業して雇用保険がもらえるのはごくわずか。受給者は完全失業者の二割です。五割の人は無収入で、安全網からもれた人の方が大部分です。

しかも、もらえたとしても期間が短く、最低3カ月、最高でも11カ月しかありません。 政府は、その不十分な雇用保険さえ連続的に改悪し、失業率が高まるにつれて、逆に給付を減らしてきました。

この一方で、不良債権の「早期処理」を強行し、中小企業の倒産、失業を増やす政策をすすめた結果、小泉政権のもと、この一年間で完全失業者は25万人も増えました。


国は責任放棄

日本共産党の小池晃参院議員は「失業者を増やす政策を意図的にすすめながら、不幸にして失業した人には十分な手当を出さず、セーフティーネットを切っていく。こんなでたらめはない」ときびしく批判します。

厚生労働省は、給付を削減する口実に、再就職時の賃金より失業給付が高いため、失業者がなかなか就職しない、などといっています。雇用保険に頼らないで、安い賃金でも早く再就職しろというわけです。

公明党出身の坂口力厚生労働相は、「国が雇用保険だけを支えれば、失業者が増えていくだけだ」と国会でのべ、セーフティiネットの拡充どころか、国の責任放棄を公言しています。

小池議員ば「これは苦しんでいる労働者の傷口に塩をすりこむやり方。住宅ローンや子どもをかかえる中高年は賃金が高く、安定したところを探そうとするから再就職に時間がかかるし、働きたくても働き口がないのが実態です。給付を削るなどとんでもありません」と指摘します。

先の青木さんはこういいました。
「支給ほ長くても、一年だし、私らはそれに頼っていこうなんて思ってない。その間に一生懸命仕事を探したいという気持ちでいっぱいです。銀行支援につぎこむお金があったら、もっと雇用対策にお金を使えといいたい」


2002年11月24日付「赤旗新聞」日曜版から
3年連続で保険料アップアップ

2002年11月24日付「赤旗新聞」日曜版から

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手厚い保障
ヨーロッパは当然
深刻な失業問題にどうとりくむか-。
日本共産党は10月の国会代表質問で志位和夫委員長が、「深刻な経済危機から国民の暮らしをまもるための四つの緊急要求」をしめして小泉首相に迫りました。「緊急要求」は、無法なリストラに歯止めをかけるとともに、失業対策では、4点を提起しています。

それは、少なくとも失業率が3%台に戻るまでの間、①雇用保険の給付期間の一年までの延長、②雇用保険が切れた失業者への生活保障、③学費助成、住宅ローンヘのつなぎ融資などの制度創設、④臨時のつなぎ就労の場を自治体がつくる-ということです。

ヨーロッパをみると、失業給付の期間が日本より長いだけでなく、給付期間が終わったあとも、生活保障のための手当があります。

たとえば、ドイツでは給付期間ほ最大2年8ヵ月、フランスでは5年ですが、給付が終わったあと年金受給までの第二の手当(失業者への生活保障)が支給されます。

日本は最高で330日を過ぎれば、なんの対策もありません。雇用保険が切れたら、どうやって生活していけというのでしょうか。

中央大学経済学部の大須眞治教授はこういいます。 「すでに失業してしまった人にたいする対策としては、共産党もかかげているように、所得を保障して生活を安定させる対策と、就労を保障してその所得で生活を支えることの二つがあります。日本は両方が不十分で、雇用保険への国の財政支出を増やすのは当然です。皆無に等しい就労保障対策では、99年に始まった緊急地域雇用対策特別交付金を抜本的に拡充して、自治体独白の雇用を創出し、失業対策の柱に育てることが大事です」

2002年11月24日付「赤旗新聞」日曜版から
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