東京北社会保険病院開設の新たな段階を迎えて
(後医療の早期実現をめざす国立王子病院を守る会の声明)
2003年4月7日
1、2003年4月1日、桜が満開となったというのに、東京北社会保険病院の門は閉ざされたままでした。
わたしたち地域住民と社会保険都南総合病院の職員らは、年明け早々、国の突然の不当な開設中止方針発表以来、驚きを怒りに代え、「国は約束を守って新病院の4月開設を」と丸3カ月問、2回の緊急住民集会や1万を超す署名、厚生労働省前座り込みなどカを合わせて運動を広げて来ました。
わたしたちの運動は、多くのマスコミと世論の支持を受けて広がりましたが、厚生労働大臣のかたくなな中止方針を変えさせるまでにいたらず、8年前から約束させてきた「都南病院移転による4月開設」を実現できなかったことにあらためて憤りを覚えます。
2、こうした中、社会保険庁は4月2日、記者会見を行い、新たな運営委託先を選定するための資料を公表しました。
資料は、「東京都北区に設置される社会保険病院の経営を委託する事業者を募集し、5月第4週までに選定する」としています。
その「基本方針」では、「24時間体制による小児救急医療など小児医療に重点を置いた運営」としている一方で、これまでの約束である「18診療科の総合病院」が明記されておらず、いつ開かれるのか開設時期も明記されていません。
わたしたちは、後医療が決まった当初から、「お年寄りが身じかに安心してかかれる病院」「差額ベッドの心配いらない公的医療機関」を求めて運動してきました。
また北区民33万人を代表する北区議会も、さる3月3日「束京北社会保険病院の開設については、国立王子病院廃止後の地域医療の中核施設として、北区民は大きな期待とともに開設を心待ちしてきた。よって北区議会は政府に対し、規定方針どおり開設に向けてこれまで以上の努力をするよう強く求めるものである」と全会一致で意見書を採択し、政府に提出しています。
3、わたしたちは、厚生労働省・社会保険庁に対し、次のことをつよく要請するものです。
(1)これまでの約束である、18診療科・280床の総合病院を土台に開設すること。
(2)介護老人保健施設を新病院との併設運営で北区の介護を充実させること。
(3)運営委託先は利益追求ではない公益性の高い法人を、公正に選定すること。
(4)社会保険都南総合病院の職員の整理解雇を撤回し、選定した委託事業者の病院で働くことを希望する都南場長と採用内定者を採用すること。
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