日本共産党・せいの恵子

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「コロナ後の公共交通のあり方」

自治体学校では、公共交通についても学んできました。会場は、「おかやま西川原プラザ」です。岡山駅から山陽本線で西川原・就実駅下車。電車での旅好きの私としては、旅先で電車に乗ることはとてもわくわくします。「富山ライトレール」を中心に公共交通とはの講義を富山大学の金山先生からお話しを聞きました。

人々が動くと経済が動く

金沢→東京の北陸新幹線開業で、関東圏からの人の移動が7.6万人から18.2万人に1万人増。

地価が上がり、開発や誘致が始まる、富山大学・金沢大学への志願者も増える、移住者が増え、出生率は自然増となった。地域経済が回りだすと、経済的理由で出産をためらうことが少ななり、子どもを産み育てやすくなるのではと推測される。また、鉄道利用者アンケートでは「まちの活気を感じる」など沿線の多くの方々がまちの活気の向上を実感するなど、シビックプライドにもつながることがデーターでも明らかになった。

富山ライトレール開業

富山市のまちづくりの基本方針「公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくり」実現する3本柱が①公共交通の活性化②公共交通沿線地区への居住推進③中心市街地の活性化

富山ライトレールは2006年に開業、開業前と比較して、平日で約2.1倍、休日で約3.3倍へと大幅に増加、利用者が増えることにより様々な効果がみられる

1、高齢者のライフスタイルが変化(利用が増えた)

2、18億円の医療費の削減効果(人が出歩くことにより健康に)介護予防効果

3、沿線への居住が推進

高齢者へのお出かけ定期券、沿線居住を進めるために住宅購入やリフォームなどの補助事業など市の政策もタイアップ。なによりも、以前より大幅に本数を増やし市民が使いやすく便利にしたことが大きな効果を生むことになった。

鉄道が人、都市に与えることが期待できる外部効果

★賑わいの発生 ★交流、コミュニケーションの活性化 ★就学選択の増 

★シビックプライド、活気 ★事業所立地、集積による経済活動の活性化 ★居住立地、出生率、人材輩出 ★治安の維持 ★持続可能な社会の創出(CO2削減、都市のコンパクト化)

など

地域鉄道の状況とアフターコロナ

逆に路線の廃止や本数の減便などは、さらに乗客が減るなど地域や地域経済にとっても悪循環をもたらす結果になる。日本と欧州では、公共交通の考え方にかなりの違いがあり公共交通のネットワークを充実させ、利便性を向上ていくことは公の仕事で、政府が進める責任があります。日本の運賃収入で公共交通を運営する仕組みでは、サービス向上以前に、鉄道などの公共交通のみでは、経営が厳しい状況になっています。また、コロナを契機とする行動変容もあり、今後さらに経営が厳しい状況に追い込まれてしまう可能性が見受けられ、公的支援も増大していくであろと考えられています。公的関与をどう受け止めていくかも今後の課題となっています。

「自分は乗らないから鉄道の有無は関係ない」

講義のなかで「自分は乗らないから鉄道の有無は関係ない」は認識不足のお話しがありました。私も浮間地域のコミュニティバス路線を求める市民運動の中で「乗らない、関係ない」の言葉を聞くことがありました。その背景には、バスを使う人は高齢者だけという考えがあったのではと推測します。交通の足が無くて困っている高齢者等を支援することは、自分も将来利用できる交通手段を整備することにつながり、外出や買い物できる場所に移動できれば地域経済も回り、介護予防にもなり、その恩恵だってあると思います。昨今、困っている人を政策の面から一緒に思いやり改善する気持ちが抜け落ちている気がしてなりません。しかし私自身も、今回、学んだようなメリットを説明をするなどの努力が求められます。分断ではなく、みんなで地域を良くしていくこのことの大切さを改めて感じました。

北区では廃止されたバス路線を民間から公的運営に切り替え2ルート目の新規コミュニティバス路線に踏み切りました。試験運行は年度末の予定になります。1時間に1本から、20分に1本に、運行時刻も9時~16時台を7時~20時台に改善されます。現段階では、浮間から赤羽までですが、早期にネットワークをつないで、浮間から王子、田端、駒込まで行けるようにし、利便性を向上させ区民の利便性を向上させ、利用率アップにつなげていきたいと思います。本格運行するには収支率をよくしていくことが求められています。