日本共産党北区議員団 山崎たい子
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東日本大震災2か月後の状況や自治体の対応、医療・介護等の視察・調査報告(1日目)

日時、2011年5月9日 ( 月 ) 〜11日 ( 水 )
調査地、
宮城県仙台市、東松島市など仙石線沿線、石巻市、
岩手県釜石市、仙台社会保険病院、厚生年金病院、坂総合病院、
ケアハウス宮城野の里、避難所(市民センター、中学校体育館)

調査メンバー、さがらとしこ区議、永井朋子区議、山崎たい子区議

5 月 9 日の午前中、東京から仙台市へ移動。

仙台市に義援金をお渡しする
仙台駅へ降りると、駅の外壁全体がシートで覆われていた。タイル張りの外壁が地震で崩れて、修復中とのこと。
5月9日(月)午後 2 時半〜 5 時半
1、仙台市役所行き、義援金を渡す (総務局秘書課長対応)
「全国から、多くの方にご支援を頂き、本当に有難く感謝しています。」と 、涙ながらに対応してくださった。


2、日本共産党仙台市議員団の嵯峨市議副団長より、被害状況やこの間の取り組み等、ヒヤリングを受ける。



仙台市議団からヒヤリングを受ける
● 地震 については、宮城沖地震を想定して、学校は 100 %の耐震補強工事が完了し、仙台市立病院も耐震補強していて大丈夫だった。民間住宅への耐震補強( 60 万円+障害・高齢者 15 万円+国 30 万円= 105 万円)も進めてきておりもちこたえた家屋もあったが、 3 月 11 日の地震だけでなく、 4 月 7 日の 2 度目の地震で被害が拡大した。
●市営住宅(小松島第住宅、幸町高層住宅、鶴ヶ谷第2住宅)の 建物被害 (調査未実施)があり、棟ごと避難している他、
●丘陵を削って建てた造成宅地で大規模な地すべりがおき、市が調査した 1860 棟のうち、危険 330 棟、要注意 570 棟と半数が 地盤災害 を受けた。 宅地被害に対する国の補助がないため、よう壁も含めて補助制度の創設を求めている。
● 大津波 がくるとは市も想定(沿岸の少ししかしていなかった)していず、沿岸部の若林区、宮城野区で、津波による住宅・建物の損壊、死亡者も多数に及んだ。家屋が全壊している他、下水道も被害を受けており、復旧に多くの困難がある。
※北区の防災計画と対応についても、震度6から 7 への想定、耐震補強への補助制度の拡充、津波や液状化、崖地対策など見直しが必要と感じた。

避難所 について
(1)学校 は、震災当初、教職員が中心にならざるをえず、 24 時間対応で大変。

(2) 福祉避難所 (防災計画で位置づけている。特別養護老人ホームや老人福祉センター、ケアハウス、通所介護事業所など、通常の1割り増しで受け入れるが、人の増配置はなし。避難者も要介護者でなければ災害救助法の適応にならず、介護保険同様1割負担の利用料が発生し負担が大きい。

(3) 一般の避難所から、福祉避難所へと対象者をみつけて対応するのは、保健師の役割だが、人数も足りず、他都市から応援を受けている。

仮設住宅

仙台市の仮設住宅
津波被害の地区には、学校に 200 〜 300 人まだ避難されているが、罹災証明の発行や仮設住宅の建設が遅れており、生活支援が大きな課題である。

※北区でも「福祉避難所」の位置づけや役割を明確にする必要がある。高齢者福祉施設の増設や災害弱者の把握と支援のネットワークの構築が課題であると感じた。

3,高見市議に津波被害の宮城野区(若林区と同様沿岸部にあり)を案内して頂く。写真参照


仙台市宮城野区の津波被害
震災後 2 か月がたち、道路が通れるように、がれきなどの撤去が行われたとのことであったが、全壊で残されている家屋やがれきの山などを目のあたりにし、津波被害の甚大さを実感した。
住宅が密集して建っている地域も津波で全壊し、地区全体が廃墟となっていた。「この地域は民家がたくさんあったんですよ」と市議が指さす方向は、建物もほとんどなく、津波で流されてしまったのだろうと思うと胸が痛む。


仙台市宮城野区の津波被害
がれきの山に囲まれた「岡田小学校」では、 600 人が屋上にあがって寒さに震えながら一夜を明かし、ヘリコプターで救助されたとのこと。屋上で助けを待っていた住民の皆さんの胸中は想像に耐え難い。

岡田小学校
津波被害が甚大だった若林区も遠くに見わたせるが、水田や畑など海水をかぶり、塩害被害も農業復興にかかわり大きな課題を実感した。

高見市議は「地域の方々の民生委員や町会も含めた、日常のつながりが大事。それがあるかないかで大きな違いがある。日常のつながり、ネットワークはいざ災害の時にも力を発揮する。けれども民生委員、町会の役員も高齢化し、動きたくても動けないという状況もある」とお話ししてくださる。

※北区でも、現役世代とのつながり、行政と住民自治がタイアップした支えあいのシステム構築今後の課題と感じた。

5 月 9 日 ( 月 )  午後 7 時〜 8 時半


仙台社会保険病院
4、宮城県内の透析患者を受け入れた仙台社会保険病院にて、職員の方より病院のとりくみをヒヤリング
仙台社会保険病院は、災害拠点病院にはなっていなかったが、県の透析患者を一手に引き受け、通常は一日2クール 100 名受け入れのところを、 3 日間、一日 24 時間 3 クール 600 名を受け入れ、職員も不眠不休で対応した。

救急車や自衛隊など、次々、患者さんを運んでくるが、治療後に病院から出る足がなく苦労した。今後は災害拠点病院の指定をとりたい。
病院の建物にも亀裂が入り、使えない棟もある。修繕、改築など RFO 扱いで対応してもらえるようになった。
行政には、水やガス、電気などのライフラインの確保に力を入れてほしい。
※北区にも、東京北社会保険病院が地域医療の拠点病院の役割を果たしている。
災害時にも、ますますその役割が期待されている。今後の運営についても、更なる医療機能の充実とベット数の拡大が望まれることを痛感した。
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