あらゆる暴力をのりこえる包括的性教育の希望

 7月27日~28日、京都教育大学で開催された、包括的性教育の夏期セミナーに、同僚のせいの恵子議員と参加しました。今年の大会テーマは「いつでも どこでも だれでも 大切にされる性の学びーあらゆる暴力をのりこえる包括的性教育の希望ー」です。

 前川喜平さんが「個人の尊厳に立脚する教育」と題して記念講演。その後のシンポジウムでは、あらゆる暴力を乗り越えることについて、関口久志京都教育大学教員、徳永桂子思春期保健相談師、浅井春夫性教協代表幹事らが対談。

 暴力のない社会をつくるために、脱暴力で心地よい関係をきずく性教育は重要。自分の大切さにきづくことは、大切にされた経験があってできるもの。小さい子どもの時から、からだの心地よさを通じて、自分が大切な存在だと学習していくことは、性暴力をなくし、あらゆる暴力への対抗の力になる。性を肯定的に語りとらえようとよびかけ。

 国際セクシュアリティガイダンスの実践について、田代美江子埼玉大学教員が講演。性の権利としての包括的性教育の推進は、2015年SDGS(持続可能な開発目標)の中でも位置付けられ、2018年のガイダンス改訂版でも重ねて強調され、学校での取り組みは、子どもたちや教員の人権も大切にされる「権利としての教育」を実現する確かな道と強調されました。

 二日目は、分科会に参加。午前中は、DV・虐待加害者の暴力克服について学習。長く加害者のカウンセラーを実践してきた松林さんから、DV加害者の事例で共通していることとして、その生い立ちの中で、親からの激しい束縛支配や暴力を受けたり、両親間に激しい暴力があったりすることが多い。したがって、そのトラウマや心の傷を克服しない限り、刑罰や道徳で抑えられるものではない。

 更生にむけてのプログラムやカウンセリングが必要であることを、具体的な事例を通じて報告頂き、非常に勉強になりました。相談者との向き合い方も含め、今後の取り組みにいかしていこうと思います。

 午後の分科会は、文化・芸術の表現を使って、性教育を実践している、岐阜の子育てママ達のグループ実践報告に参加しました。こどもたちへの包括的な性の学びを、学校で、地域で、専門家も大人一人一人も工夫しながら、伝えていくことが大切であることを学びました。

 学びを力に、暴力のない社会、暴力のない関係をつくっていきたい。

京都教育大学のキャンパスにて
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