2022年参議院選挙に向けた主要な政策課題についての市民連合の考え方

4月6日、市民連合が今年夏の参議院選挙に向けた主要な政策課題についての考え方を、以下に示しました。

 国連憲章、国際法を踏みにじるロシアによるウクライナ侵略は、世界を「専制と隷従、圧迫と偏狭」(日本国憲法前文)の時代に引き戻す暴挙であり、立憲民主主義のコントロールを受けない国家権力がいかに自国と他国の人びとにとって危険なものであるかを世界に示してしまいました。

 私たちはあらためて日本国憲法の理念を確認し、この参議院選挙を平和と立憲民主主義を守るための努力の起点としなければならないと考えます。

 そのために、市民の皆さんと立憲野党に以下の政策課題に対する考え方を共有し、1人区において最大限の候補者調整を進め、著しく損なわれてしまっている国会のチェック機能を回復させることを強く要望します。

 投票率が低迷するまま立憲野党が惨敗し、生活者や労働者の声が国会に届かなくなるような恐ろしい事態は絶対に避けなくてはいけません。2016年からの野党協力の実績と成果を踏まえ、中央と地方の双方のレベルで、政策合意と候補者一本化へ向けた話し合いをいっそう加速させることを呼びかけます。

1.日本国憲法に基づく平和国家路線の堅持と発展

 核兵器の使用さえ取り沙汰されるなか、戦争の拡大は絶対に避けなければならず、東アジアにおける平和の醸成の必要もいよいよ切実さを増しています。今こそ、日本は憲法の理念に基づき、平和国家としての生き方を堅持し発展させるべきです。ロシアのウクライナ侵略の機に乗じた憲法9条改正、敵基地攻撃能力の保有、核兵器共有、集団的自衛権の行使などの動きを許さず、安保法制の違憲部分を廃止し、あくまでも憲法の理念に基づく平和外交に徹して日本の安全を確保することが、世界の平和創出にも資すると考えます。権力者たちが武力で武力を抑え込めると思い違いを起こした時、犠牲になるのは一般市民です。

2.暮らしと命を守るための政策の拡充

 コロナ禍のなか自粛、自助、自己責任を強いられてきた暮らしと経済が、戦争と経済制裁の影響でいっそう厳しい状況に直面しています。新型コロナウイルスやインフレから国民生活を防衛するために積極的な財政支出をするとともに、格差・貧困を解消するために中期的な観点から社会保障、福祉、雇用、教育などの分野の政策を拡充することが不可欠です。分配・再分配の強化から成長へとつなげることをしっかり求める立憲野党の存在がなければ、政権与党が選挙の前だけ「新しい資本主義」のスローガンや見えすいたバラマキ政策でごまかそうとすることは明らかです。

3.気候正義の実現とエネルギー転換

 豪雨や猛暑、大寒波などの極端気象の頻発は、世界各地の人びとの暮らしを脅かすだけでなく、グローバル経済や安全保障上のリスクにもなっています。これに加えて、ロシアのウクライナ侵攻の暴挙が明らかにしたのは、化石燃料への依存が侵略戦争を引き起こしたいびつな寡頭支配(オリガルヒ)を下支えしてきたことであり、これに対する経済制裁がまた世界経済とエネルギー危機に直結しかねないことです。戦争が始まるや原子力発電所が標的となることも明らかになりました。経済や安全保障上のリスク軽減の観点からも、原発に頼らないエネルギー転換を進め、脱炭素社会を早期に実現することが喫緊の課題です。

4.ジェンダー平等の実現と人権保障の徹底

 コロナ禍に加えてロシアの引き起こした戦禍もまた、ジェンダー視点がいかに政治にとって不可欠かを指し示しています。暮らしや命が危険にさらされた時、ジェンダー差別の構造がそれぞれにいっそう先鋭化して人びとを追い詰めるのです。逆に言えば、政治をはじめとしたさまざまな意思決定の場でジェンダー平等を実現し、人権保障を徹底することから、暮らしや命を顧みないマッチョな権力構造を変え、本当の安全保障も持続可能な経済も始まるはずです。パリテ(政治代表の男女均等原則)や選択的夫婦別姓制度などを実現し、さらにはLGBTQ、外国人、障がい者などに対するあらゆる差別を廃絶し、すべての人の尊厳が守られ、すべての人が自らの意志によって学び、働き、家庭生活を営めるようにすることこそが、未来をひらく鍵だと考えます。               以上

とても、共感する内容である。ともに力を尽くしたい。

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