ずっと二人で生きてきたー雪道

映画「雪道」を鑑賞しました。

第2次世界大戦末期、日本軍慰安婦として、満州に送られた2人の少女。

チョンブンとヨンエの過酷な運命と友情が、スクリーンを通して胸にせまる。

15歳など10代の少女たちが、突然、連れさられ、

「日本軍慰安婦」にされた理不尽、抵抗、絶望、悲しみ、怒り、

そして生きぬこうとする必死さが、

静かに、せつせつと描かれ、涙がとまらなかった。

妊娠すれば、むりやり中絶薬を飲まされる。

梅毒にかかれば射殺される。

自殺する自由もなく連れ戻され、

部隊が硫黄島へ出発する前日に「現地調達品は捨てていけ」との命令で、少女たちは殺されてしまう。

人間ではなく、もののように扱われ、命を奪われるのだ。

境遇の違うチョンブンとヨンエだったが、

慰安所の中で、痛みを共有し、慰め合い、温め合い、支え合って命をつないだ。

タイトルの「雪道」は、2人で慰安所から脱出し、朝鮮をめざして歩き彷徨った厳冬の道であり、

10代で亡くなったヨンエを忘れることなく、80歳を超えるまで、共に生きてきた、

チョンブンの人生そのものでもあると感じる。

年老いたチョンブンは、たった一人で厳しい生活を生きている、

今に生きる少女ウンスとも心を通わせることになる。

日本軍慰安婦問題は未だ解決していない。

性暴力、性搾取、女性差別、子どもや女性への暴力は、現代にもつながっている問題であり、

決して忘れることなく、「尊厳の回復」「人権の尊重」を、

シスターフッドで闘い取っていきたいと願う。

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