2022.08.09
ずっと二人で生きてきたー雪道
映画「雪道」を鑑賞しました。
第2次世界大戦末期、日本軍慰安婦として、満州に送られた2人の少女。
チョンブンとヨンエの過酷な運命と友情が、スクリーンを通して胸にせまる。
15歳など10代の少女たちが、突然、連れさられ、
「日本軍慰安婦」にされた理不尽、抵抗、絶望、悲しみ、怒り、
そして生きぬこうとする必死さが、
静かに、せつせつと描かれ、涙がとまらなかった。
妊娠すれば、むりやり中絶薬を飲まされる。
梅毒にかかれば射殺される。
自殺する自由もなく連れ戻され、
部隊が硫黄島へ出発する前日に「現地調達品は捨てていけ」との命令で、少女たちは殺されてしまう。
人間ではなく、もののように扱われ、命を奪われるのだ。
境遇の違うチョンブンとヨンエだったが、
慰安所の中で、痛みを共有し、慰め合い、温め合い、支え合って命をつないだ。
タイトルの「雪道」は、2人で慰安所から脱出し、朝鮮をめざして歩き彷徨った厳冬の道であり、
10代で亡くなったヨンエを忘れることなく、80歳を超えるまで、共に生きてきた、
チョンブンの人生そのものでもあると感じる。
年老いたチョンブンは、たった一人で厳しい生活を生きている、
今に生きる少女ウンスとも心を通わせることになる。
日本軍慰安婦問題は未だ解決していない。
性暴力、性搾取、女性差別、子どもや女性への暴力は、現代にもつながっている問題であり、
決して忘れることなく、「尊厳の回復」「人権の尊重」を、
シスターフッドで闘い取っていきたいと願う。