つかむ・ふかめる・ひろげる子どもアドボカシー

5月11日(日)、子どもアドボカシー全国セミナー2025を視聴しました。

子どもアドボカシーとは、子どもの意見や考えを傾聴し、子ども自身が声をあげられるようサポートする活動のこと。子どもアドボカシーを実践する人を「アドボケイト」とよんでいます、

2024年の改正児童福祉法の施行により、児童相談所や児童福祉施設、社会的養護の分野を中心に、「子どもの声を聴く」取り組みが全国で始まり、学校や保育園等にもその取り組みが拡がっています。

今回のセミナーでは、様々な現場で活動してる方から、子どもアドボカシーについてお話をうかがいました。以下、お話の要旨を紹介。

〇一時保護所・児童養護施設に入所し、13歳から20歳まで社会的養護を経験した方からは、

なぜ施設に入所することになったのか。暮らし続けている理由を説明してほしい。兄妹も一緒に入所したが、下の兄弟は先に親元に戻った理由も知りたかった。進学の際、自身の希望が意見を聴いてもらうことがなかった。職員からの心理的な虐待や裏切られた感じも持っている。

初対面の人から「意見を聴かせて」と言われてもなかなか言えない。関係をつくる中で話せることもある。

どんな大人が信頼できるか、大変な体験を何度も労ってくれる。理解、共感、想像してくれる。自分の性格や好きな趣味も話してくれる。声を等しく聞いてくれ、声を上げてもいいと思える社会が必要。

〇虐待などの子どもを診てきた小児科医師は、

困難を受けてきた子どもは声をあげられない。本当のことを話したら叱られるのではとの怖さももっている。つながり続ける中で、声を聴けることがある。

〇冒険遊び場で活動してきたプレイワーカーは、

遊びの中で子どもの声を聴くことがとても大事。ユニバーサルな場で、関係性の中で、ふとした瞬間に子どもは一番してほしいことを話してくれる。

子どもにとって「寄り添い」となるかかわりは、面白がってくれる。成り行きにつきあってくれる。頼まれた時だけ手伝ってくれる人。

大人の「邪魔」なかかわりは、指示する、教える、頼まれていないのに手伝われること。

〇子ども支援にかかわっている方は、

子どもの声は限られた場所だけでなく、日常から聴かれる必要がある。子どもの周りにいる人が、子どもの声をちゃんと聴く、聴いてもらえたとい経験が、声を出せる土台になる。

どの立場の方も共通していたのは、子ども1人ひとりを尊重し、子ども主導の姿勢で、子どもの声や考えを受けとめようとしていること。そうした関係性の中でこそ、信頼が構築され、子ども自身がエンパワーメントされ、こども本来の力を発揮できるのではないかと感じました。

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