2026.02.25
物価高からくらしと営業を守る 本会議質問
2月24日(火)北区議会第1回定例会が開会。日本共産党北区議員団を代表して、初日の本会議質問を行いました。テーマの1つは、物価高から、区民のくらしと営業を守ることについて、8点質問しました。(以下、質問内容と北区の答弁要旨)
北区の令和8年度予算案では一般会計の予算総額が前年比203億円増額の2120億円。過去最大の予算規模となっています。
また、今年度末補正予算では、特別区交付金は当初予算に比べ56億円もの増額となり、更に、財政調整基金の令和7年度末残高は、249億円と過去最大の見込みで、当初予算の173億円から76億円も積み増す結果となっています。
特定目的基金では、新庁舎整備に30億円、まちづくりに10億円、学校改築に30億円など、約80億円を年度末に追加で積み増し、新年度予算案をあわせると合計で約90億円を新庁舎やまちづくりなどの特定目的基金に積み増す計画です。
こうした区の財政力、財政調整基金の一部を活用し、更なるくらし応援の事業に取り組むよう求めました。
(1)つは、区民生活支援金についてです。
今年度、国の交付金に加え、約10億円の区の一般財源を活用し、全ての区民1人5000円の生活支援金支給、及び非課税世帯や均等割のみ課税世帯へ1世帯5000円の上乗せ給付は、区民の願い、会派の繰り返しの提案にも応えたもの受けとめています。
一方で、周辺区など1人1万円の給付もあり、区民から増額の声も寄せられています。また「会社が廃業し、急に収入が減ってしまった」など家計急変や親族に扶養され非課税世帯給付の対象外など、新年度、追加の給付を行うよう求める。
【答弁】
現在実施している区民生活支援金は、長引く物価高騰の中、区民からの切実な声や支援金に対する期待の声を受け止め、検討を重ねてきた。
財源については、大幅に増額された国の重点支援地方交付金を最大限活用し、その上で、年度内における各事業の執行状況を詳細に精査し、この段階で予算計上を留保していた繰越金の活用を決めるなど、財源の捻出を図ったうえで、それでも区民の皆さまの生活を守るには不足があると判断し、さらに財政調整基金からも約10億円の投入を決断した。
令和8年度当初予算案では、北区版地域通貨の導入時の限定事業として実施するプレミアム率30%のポイント付与キャンペーンや引き続き、物価高騰対策分を上乗せしたプレミアム率20%の区内共通商品券の発行支援のほか、修学旅行や移動教室など小中学校の宿泊事業の保護者負担軽減、私立幼稚園に対する区独自の給食費補助単価の拡充、総額1億円規模の奨学金返済支援給付事業など、物価高騰の影響を受ける区民の負担を軽減する様々な経費を計上しており、現時点でさらなる追加の給付は考えていない。
引き続き、今後の国の経済財政運営や東京都の動向を注視し、役割分担や連携を図りながら、最大限の効果を引き出せる要件とタイミングを的確に捉え、必要な対策を実施していく。
(2)つは、新規事業となる「北区デジタル地域通貨」の取り組みです。
プレミアム率30%、約7億円の予算化は大いに期待する。しかし、マイナンバーカードを持っている人しか利用できないとなれば、公平な制度運用とはいえないと考える。この点では、東京アプリの1万1000円の運用も同様です。
マイナンバーカードは任意であり、所持していなくても差別なく、「北区デジタル地域通貨」が使えるようにすること。また、区内の加盟店舗を増やすために、商店街の加盟でない店舗でも使えるよう求める。
【答弁】
区のデジタル地域通貨アプリの登録にあたっては、利用者の利便性や個人情報保護の観点から、本人認証の範囲を検討している。将来的に区民に限定したキャンペーンを実施する際には、マイナンバーカードによる個人認証が必要になると考えるが、現段階では、クレジットカードから地域通貨にチャージする際には、マイナンバーカードによる個人認証を想定する一方、マイナンバーカードを要しないチャージ方法も検討するなど、不正防止と利便性向上を両立してまいる。
地域通貨は北区が主体となり、北区商店街連合会の意見を伺いながら、利用者・加盟店・行政それぞれにとって使いやすい仕組みの構築を検討している。地域全体で広く活用されることを目指し、参加店舗の開拓にも注力していく。
(3)つは、中小業者、医療・介護従事者への賃金引き上げ支援です。
日本の最低賃金はイギリスの半分以下。昨年10月、東京では1226円と過去最高の引き上げ額となったが、実質賃金は12ヵ月連続のマイナス。28年間で働く人の平均年収は年96万円も低下した。
とりわけ、医療や介護のケア労働者の賃上げ額は、全産業の平均に比べ、2024年は6万円も低く、2025年では9万6000円余と更に低くなった。
北区医師会新年会でも、「10%の診療報酬引き上げを求めている中で、2%程度の引き上げでは全く不十分。赤字経営で賃金も上げられない」との声が寄せられ、介護現場では介護報酬の引き下げで訪問介護事業所の休廃業が過去最多となり、2月あたまに公表された厚生労働省の資料では、北区の訪問介護事業所の廃業が8件と23区で最も多い数字で、改めて危機感を感じた。
国の介護報酬引き上げは必須だが、杉並区では新年度予算案に、区内の介護職員、約4600人を対象に月額1万円の独自補助を1年間実施で、5億円を計上した。北区が医療、福祉施設への物価高支援を行ったことは多とするが、国の重点支援交付金推奨メニューは、働く人への賃上げ支援も掲げている。
医療や介護などケア従事者への独自補助や、中小業者の賃金引き上げのための賃上げ奨励金の実施。北区の公契約条例にもとづく労働報酬下限額1496円を更に引き上げるよう求める。
【答弁】
区では、限られた財源の中で、特に物価高騰の影響を受ける介護サービス事業所や医療機関等に対し、支援給付金を継続的に支給してきた。「賃上げ」に関する直接的な支援は、国や東京都でも行われていることから、医療や介護などへのケア従事者への独自補助、および中小事業者への賃金引き上げのための奨励金の実施は考えておりません。引き続き、今後の国や東京都の動向を注視していく。
労働報酬下限額の引上げについては、公契約条例で公契約審議会の答申を受け、区長が決定することとしている。
令和8年度の労働報酬下限額については、昨年12月に審議会から答申を受け、業務委託等の労働報酬下限額を、令和7年度の1時間当たり1368円から1496円へと引き上げることを決定し、東京都の最低賃金の引上げ額63円を大幅に上回る128円の引上げとなっている。今後も、公契約審議会に、必要な情報を提供し、審議の上、出された答申を踏まえ、労働報酬下限額を決定していく。
(4)つは、高齢者の負担軽減です。
2026年度の年金支給額は国民年金が1.9%、厚生年金が2%の引き上げと発表されたものの、「マクロ経済スライド」の4年連続の発動により、物価上昇率より低い伸びとなり実質目減り。年金で暮らす高齢者にとって大変厳しい現状です。そこで、
1、荒川区をはじめ、江戸川区、葛飾区など5つの区が課税世帯のシルバーパス購入を独自に軽減したように、北区でも東京都の補助に区独自の上乗せを行うこと。
2、補聴器購入助成については、23区の半数近くが課税世帯へも補助を実施しており、北区でも拡充を求める。
3、紙おむつへの補助も、他区なみに要介護2まで拡大するよう求める。
【答弁】
東京都が実施するシルバーパス事業は、今年度から課税されている方の購入金額は年間1万2000円となり、購入する方の負担軽減が図られている。現時点では、区が独自の助成を行うことは考えていないが、引き続き他区の状況の把握に努める。
課税世帯への補聴器購入助成について、区の補聴器購入費助成制度は、昨年度から開始した事業で助成実績は435件であり、令和7年度も1月末時点で357件の申請があることから、今後も非課税の方の申請推移を捉えていく必要があると考えている。そのため現時点では、対象者の拡充は考えていないが、引き続き所得制限を設けていない区の実績などを調査・研究する。
紙おむつ助成を要介護2まで拡大することについて、区では物価高騰なども踏まえ、令和6年度から助成限度額の引き上げを行った。支給対象者の拡大は現時点では考えていないが、引き続き、社会情勢ほか国や東京都の動向なども注視しながら研究していく。
(5)つは、低所得世帯などへのエアコン助成についてです。
新年度、高齢者・障害者・ひとり親世帯など、住民税非課税世帯に対する1世帯10万円上限のエアコン助成が示され、その運用も北区に登録した電気店などへの代理受領のしくみがとりいれられた。会派が繰り返し要望してきた、手持ち金が準備できない区民にも対応できる内容であり、更には量販店だけでなく、地域の電気屋さんも参加できる地域循環型の制度になったと嬉しく思う。
北区の制度運用の際、古いエアコンの買換えも対象とすることや、登録電気店への北区からの支給は、可能な限りすみやかに実施して頂くこと。加えて、東京都新年度予算案では、高齢者と障害者への8万円補助も1年間延長となり、生保世帯や低所得者向けには、10万円の助成が追加となると側聞しているが北区の制度とのかかわりはどうか。
【答弁】
区では令和8年度から「住民税非課税高齢者世帯等エアコン購入費助成事業」を実施予定。
当該事業の目的は、熱中症による健康被害を予防するためにエアコンがない、または故障している世帯の速やかな冷房設置を応援するもの。修理対応ができず、冷房機能が使用できないエアコンについては対象となる可能性はありますが、現在稼働しているエアコンがある場合は対象外となる。
事業の実施には、区内において協力販売店を募り、代理受領方式を導入する予定。代理受領方式とは協力販売店が申請者の代わりに区へ補助金の請求を行い、その支払いを受ける仕組みで、申請者は手持ち金を準備する負担が軽減される。一方で、協力販売店は入金時期が後ろ倒しになることから、区としては協力販売店に対し、可能な限り速やかな支給に努める。
次に、東京都の施策と区の制度のかかわりについて、東京都の登録販売店、かつ区の制度における協力販売店となっている店舗で購入することで、東京ゼロエミポイントとの併用が可能となる想定。また、生活保護世帯、低所得者向けの10万円の助成については、生活保護世帯や低所得者を対象にエアコン購入費助成に取り組む自治体に対して、東京都が補助を行うものと認識している。
令和8年度から、区で実施予定のエアコンの購入費助成は、当該補助金の対象となる見込みのため、引き続き情報収集に努める。
(6)つは、家賃助成や空き家活用の拡充です。
今、東京23区の新築マンション平均価格は1億5300万円。家族向け平均家賃が24万円を超えています。住宅マスタープランでも明記されるアフォーダブル住宅は、都内でも年間300戸しか供給されない。また、4万円の家賃軽減となるセーフティネット住宅が、新年度予算では、6戸が新規となるが、ニーズに比して供給が不十分。杉並区のように公営住宅に入居できる条件がありながら、長年当選に至らない単身者やひとり親世帯、若者への家賃補助の実施や、空き家活用による低廉な住まい確保を進めるよう求める。
【答弁】
東京都によるアフォーダブル住宅の取組みは、ファンドを活用した300戸の住宅供給のほか、東京都住宅供給公社と連携し、6年間で1200戸の住宅を供給する計画などが明らかになっており、区内でも一定程度の供給がされるものと認識している。
区としては、住宅セーフティネット法に基づく専用住宅への取組みを着実に進めるとともに、新たに開始する「家賃債務保証支援事業」や空き家をセーフティネット住宅として活用する際の改修費助成の拡充などにより、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への入居を促進していく。
区営住宅においても、子育て世帯等を対象とした定期使用許可制度の導入を図るなど、手頃な価格で求めやすい住宅の普及促進に努める。
(7)つは、教育費の負担軽減です。
①東京都の新年度予算では、私立小・中学校の給食費補助が拡充した。この都補助を活用し、北区でもぜひ私立学校へ拡充するよう求める。
【答弁】
東京都から示された新たな制度について、現在、内容を十分に確認し、事業の実施方法や体制、財政的影響等を速やかに整理しながら、実施に向けた準備を進めている。
②区の新年度予算では、区立小・中学校の修学旅行や校外学習の保護者負担軽減、就学援助における小学校の制服代が対象となり、いよいよ大学等の奨学金返済支援事業がスタートと、区民の声・会派の要望に応えて頂き本当に嬉しい。
他方、子どもの貧困率は11.5%、ひとり親家庭の貧困率は44.5%と、未だ改善されていない。高校や大学進学時の負担の重さが引き続きの課題である。
②足立区では、高校入学時のパソコンやタブレット、制服代など私費負担の軽減について、就学援助の準要保護世帯に対し10万円を助成。世田谷区では、生活保護世帯から進学する若者のための給付型奨学金を実施している。ぜひ北区でも検討して頂くよう求めます。
【答弁】
現在、高校無償化制度が定着し、さらに東京都育英資金制度等の充実により、高校の授業料負担や必要な費用に対する支援が手厚くなっている。
大学無償化制度により、低所得世帯へ充実した支援がなされており、区としても、意欲ある若者の学びを支援するため、新たに大学等の奨学金返済支援給付事業を実施するところ。
こうした高校生や大学生を取り巻く支援制度が充実している状況をふまえ、区として、高校入学時の私費負担軽減策や、大学等へ進学する若者のための給付型奨学金の創設は考えていない。
(8)つは、高すぎる国保料の引き下げです。
東京都は2月9日の国保運営協議会で、保険料の値上げを抑える自治体独自の一般会計からの繰り入れを行わない場合、来年度の国保料は、加入者1人あたり18万8209円となり、今年度に比べ、8353円もの値上げと試算した。
国保加入者の6割は所得が低い非正規労働者や年金生活者で占められている。保険料の引き上げを抑えるために、一般財源での財政措置を講じるよう求める。また、子どもの均等割の軽減を18歳まで拡充した際の予算額もお示しください。
【答弁】
2月の特別区長会において、令和8年度の国民健康保険料について、特別区独自の負担抑制策を実施し、一般財源を組み入れることを決定した。
その結果を反映した条例改正案について、北区国民健康保険運営協議会に諮問した。詳細は本定例会の所管委員会において報告する。
なお、子どもの均等割額の5割減額を、18歳まで拡大した場合の見込み額は、未就学児分の約2700万円を含め、約9600万円である。

