女性自立支援法制定を

「女性自立支援法(仮称)制定にむけて」と題した、東京都社会福祉協議会婦人保護部会主催のシンポジウムに参加しました。

 最初に、全国婦人保護施設連絡会会長より「婦人保護施設は、入所期限のない、中・長期支援の要であるが、根拠法は売春防止法であり、施設の不自由さ、生活しにくさがある。

厚生労働省も今年度、困難をかかえる女性支援のあり方検討会を実施。女性の問題は縦割りでなく横断的な施策が必要。ニーズをもつすべての女性を支援できる「女性自立支援法」制定が必要」とのよびかけがありました。

続いて、3名のシンポジストによる講演です。

「アフターケア相談所ゆずりは」所長は、「社会的養護で育った子どもだけでなく、親がいても虐待や貧困などで、親元で育てられない子どもも支援している。18歳を過ぎて、住み込みで生活するが、家賃が払えない、仕事が続けられない、うまくいかない、生活も大変という状況に伴走する。メールや電話をもらい、自分たちが出向いて、必要な窓口に同行支援している」

「女性からの相談は、転職したい、体調が悪い、死にたい、家賃払えない、お金を貸してほしいなどあるが、その背景にある真の相談・被害がある。それは、性虐待、性被害(ストーカー・痴漢)、DV・デートDV(暴力・暴言・搾取)、性風俗、予期せぬ妊娠、出産、中絶など。女性性であるがゆえの相談です」

「どんな苦しい思いをしてきたんだろうと、見えないところに想像力を働かせ、理解と寄り添いが必要。あるがままのあなたでいいと」

「行政の相談窓口では、わらをもすがる思いで出向いた相談者に対し、困っていることを引き出し、迅速な支援につなげる、相談の人的体制や質を向上させてほしい」と報告されました。

法律事務所の女性弁護士は、「今、若い少女達は、性虐待、性風俗、AV被害など、とてもシビアな状況がある。明らかに女の身体がモノとして扱われ、ネットで全世界に拡がっている。」

「しかし、若い女性は、被害感情を持っていない。自分が悪い。自分が黙っていればと、どうしてこんなに、少女たちは自分の被害を被害として感じないのか。ある種の批判感覚、子どもも大人も持っている性的規範がどうなっているのか?」と問題を提起。

「刑法や売春防止法など、法律の規範が日本は非常にバランスが悪い。女性に厳しく、男性に甘い。」と指摘し、性的尊厳に関わる法令の整備については、「不要な可罰規定を廃止・削除することなど、売春防止法の改正が必要」と訴えました。

女性診療所所長の女性医師は、「女性の健康、日本はとても遅れている。リプロダクティブヘルスライツ、性の自己決定権の保障。自分の身体は自分のもの。人権意識が必要。」

「性暴力被害者支援センターも予算が足りない。誰でも気軽にアクセスできる場所や、ジェンダーバイアスに気づく教育は重要。性教育にもっと予算が必要」と報告しました。

 シンポジウムに参加し、困難を抱えた女性を、処罰、更生の対象にしている、売春防止法を改正し、誰もが安心して、幸せに生きられる、中・長期的な支援を保障する「女性自立支援法」の制定に、私自身も取り組んでいきたいと強く感じました。

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