「保育の拡充と地方議会の課題」 IN地方議員セミナー
保育研究所主催の保育セミナーに参加しました。
昨年の今頃、「保育園落ちた 日本死ね!」の匿名ブログで、大きな注目となった「保育園待機児童問題」とりわけ人口が増えている都市部では、引き続き、切実な要望になっています。
その社会的背景と取り組みの課題について、保育研究所の逆井直紀氏、村山祐一氏(元帝京大学教授)のお話を聴講しました。
はじめに、逆井氏より、「2015年からスタートしている、子ども子育て支援新制度の下、市町村が実施主体となって、保育園の整備、待機児解消をすすめるメニューのひとつに、0~2歳児を対象にした「地域型保育」(小規模保育所)の整備が進められているが、3歳時以降の受け皿が課題となっている。」
また、「国から直接の補助をえて設置できる、「企業主導型保育所」も全国で急速に増えており、(北区では、現在1カ所)来年度予算(案)でも1300億円(今年度800億円)増額されているが、自治体は関与しないという点で、待機児童にカウントされない、また保育の質の点でも課題がある。」との指摘があり、「待機児解消は、認可保育園整備を基本とすべき」と、強調されました。
続いて、村山氏より、「待機児解消と子育て支援推進の上で、保育士不足が言われているが、潜在保育士は76万人おり、不足しているのではない。あまりに処遇が悪く、確保できていないということ。
資格をもっている方々が、ストライキをおこしているのと同じであり、改めて重要なのは、保育士の処遇改善である」と、1995年以降の賃金統計や保育単価の変化などを紹介して説明。
「11時間開所と保育時間が拡大しているにもかかわらず、保育士の国の配置基準も低いままで、改善されていないため、非正規保育士が増加し、給与や待遇改善にむすびついていない。
保育士の処遇悪化は、構造的な問題だ」と指摘しました。
更に、「国の新年度予算(案)では、キャリアアップ補助10%、上限4万円等と示されたが、前年比でみると、わずか2%アップに過ぎず、また、一人一人に対する補助ではない。内容を吟味する必要がある。
保育士配置基準の抜本改善、保育士ひとりひとりの賃金、待遇改善につながるような施策が必要」と強調されました。
お話を伺い、子どもの生命、豊かな育ちを保障し、子育てを支援する保育士の役割、職務に照らし、もっと社会的に評価がされ、ふさわしい待遇改善がはかられなければならないとの思いを強くしました。
今日の学びを、北区の施策にもいかしていきます。
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