活動日誌

2011年9月25日(日)

癒しの旅を満喫 志茂・赤羽後援会日帰りバス旅行

恒例の日本共産党志茂・赤羽後援会秋の日帰りバス旅行で、群馬県の奥平温泉と、たくみの里へ行ってきました。

午前7時半に赤羽を出発したバスは、首都高から関越道を通り一路群馬へ。途中、上中里SAで休憩をとり、10時半すぎには渋川市の道の駅「おのこ」に到着。新鮮な野菜が驚くような値段で販売されており、さっそく両手いっぱいに買いだめする参加者も。鼻をくすぐる味噌のにおいに誘われて、焼きまんじゅうをひとつ、いただきました。

 

日帰りバス旅行01

 

バスに戻って小一時間、2つの峠を越え山あいの道を走りぬけると、奥平温泉「遊神館」に到着しました。雄大な山々に囲まれ、落ち着きのあるたたずまいの建物。その玄関前で、記念撮影をおこないました。今回の参加者は、バス2台65人でした。

 

日帰りバス旅行02

 

大広間での食事は、刺身、天ぷら、煮物、冷奴に、こだわりの「遊神そば」がついた懐石風料理。ご飯のかわりに手打ちそばがついてくるところが心憎い演出ですが、コシもしっかりして、食べ応えのあるおそばでした。

食事の後は温泉へ。広々とした大浴場のほか、露天風呂やサウナもあり、疲れた体をゆっくり湯船に沈めました。

続いて向かう先は、たくみの里です。遊神館からバスに乗り、10分ほどで到着しました。昔ながらの宿場町をそのまま再現したかのような街並みに、そば打ち道場、陶芸の家、竹細工の家、農産物加工の家など、さまざまな「匠」の家々が並んでいます。約1時間半の見学時間ではとても全部は回りきれませんでしたが、見事な竹細工や木工品を鑑賞し、旬の野菜やりんごジュースなど、おみやげもいっぱい買い込みました。

 

日帰りバス旅行03

 

帰路の車内では、お楽しみのビンゴ大会。最後の一人まで、はずれなしで景品が当たり、参加者は大喜びでした。3連休の最終日とあって、高速道路はしばし渋滞となりましたが、予定時刻を大幅に過ぎることなく夜8時前に赤羽に到着。楽しい“癒しの旅”は幕を閉じました。

ご参加いただいたみなさん、一日ごくろうさまでした。次は、初詣日帰りバス旅行でまたお会いしましょう。

2011年9月24日(土)

躍動する子どもたち 岩淵小学校運動会

秋晴れの空の下、地元の岩淵小学校運動会が開かれ、見学させていただきました。激しい暴風雨となった台風15号が関東地方を襲ったのは、ほんの数日前。天気も心配でしたが、秋とは思えぬ厳しい残暑の中での開催となりました。

 

岩淵小運動会01

 

開会式、準備体操に続いて、赤組、白組対抗の応援合戦です。大きな旗をはためかせながら、それぞれの応援団長の掛け声にあわせて、手拍子や声援を飛ばします。白組の応援団長は、女の子でした。

 

岩淵小運動会02

 

競技が始まり、まずは3・4年生の棒取り合戦。グラウンドの左右から駆け寄り、11本の竹の棒をどちらが多く自陣営に引き寄せるかを競う種目です。2回の対戦で勝負がつかず、決勝戦を制して白組が勝ちました。

岩淵小は児童が少なく、各学年1クラスしかありません。同じクラスの子どもたちが両軍に分かれてたたかっているのだと、ふと思い、隣に座った校長先生に「1クラスをどうやって赤組と白組にわけるのですか」と尋ねてみました。すると「足の速さなど運動能力にもとづいて、力が均等になるように分けています」とのことでした。

 

岩淵小運動会03

 

続いて、学年ごとの徒競走です。高学年になると、トラック一周100メートルを走ります。中には、男の子の追随を許さず、ぶっちぎりで1等になる女の子も。

躍動する子どもたちの姿に、元気をもらった一日でした。

2011年9月21日(水)

「0.25μSv/h超で除染」北区が放射線対策しめす

本日、北区議会防災対策特別委員会が開かれ、北区としての放射線対策の方針などが報告されました。日本共産党北区議員団からは、さがらとしこ議員(副委員長)、山崎たい子議員、永井朋子議員が委員として議論に参加、私は傍聴席からその様子を聞きました。

以下、本日の委員会の内容をまとめてみました。

 

目次

  1. 「東日本大震災を踏まえた今後の災害対策のあり方検討会」の検討状況について
  2. 区内における放射線量等の測定結果について
  3. 区施設の放射線対策について
  4. 福島第一原子力発電所事故に伴う放射線対策経費について
  5. 放射性物質に汚染された稲わらを給与した可能性のある農家から出荷された牛肉の流通調査について

 

1. 「東日本大震災を踏まえた今後の災害対策のあり方検討会」の検討状況について

現在、区では北区地域防災計画の見直しにむけて、公開の「災害対策あり方検討会」を毎月開催しています。今日の委員会では、これまで開かれた2回の検討会の内容について報告がありました。

また、9月末発行予定の北区ニュース臨時特集号では、防災対策についての区民アンケートを実施、区議会各会派からも防災対策のあり方について意見聴取をおこなうことが報告されました。あり方検討会の今後の日程も、北区ニュースで周知するとのことです。

質疑では、永井朋子議員が検討会を傍聴した体験をふまえて発言。防災対策特別委員会としても学識経験者の委員を招いた勉強会を開催することや、北区防災センターへの視察を提起し、正副委員長で検討課題とすることになりました。

山崎たい子議員が、次回以降の検討会のテーマについて質問し、区側は、第3回は「災害時要援護者」について、第4回は「備蓄」について検討する予定だと答えました。

なお、過去2回の検討会については、以下の記事を参照して下さい。

 

第1回東日本大震災を踏まえた今後の災害対策のあり方検討会

災害時にどう避難する? 第2回災害対策あり方検討会

 

2. 区内における放射線量等の測定結果について

次に、区からこの間の放射線量測定結果について報告がありました。

区による空間放射線量の測定については、第1回目が6月23日から7月22日に校庭・園庭・公園など344ヵ所、砂場238ヵ所で、2回目が8月15日から9月2日に校庭・園庭等71ヵ所、砂場49ヵ所でおこなわれました。2回目については、初回で比較的測定値が高かった地点での再測定です。

今回の報告であらためてはっきりしたことは、私が、北区の放射線対策はどこまできたか、で予想していた通り、再測定の主たる目的が「測定機器の精度の確認」だったことです。

この測定では東京都から貸与されたDoseRAE2 PRM-1200と、民間から賃借した日立アロカメディカルTCS-172Bという2台のシンチレーション式サーベイメーターで同じ場所を測り、区は結論として「2種類の機器の測定値には互いに相関があることが確認されました」と報告しました。

しかし、測定機器の相関関係があるかないかを調べるだけに3ヵ月近くもかけていたということには、首をかしげざるを得ません。その間には区民のみなさんからの情報や、私たちの測定でもホットスポットと思われるところがたくさん発見されているのです。迅速に高線量地点を見つけ、除染をおこなうことこそ求められていたのではないでしょうか。

区の報告に対し、山崎議員は「きめ細かく測定すれば、除染が必要な場所は必ず出てくるはずだ。スピード感をもってホットスポットの確認、除染をおこなうべきだ」と求めました。

なお、こうした再測定でも、2ヵ所の高線量地点(飛鳥山公園、東田端公園)が発見されました。これらの対応については、区の測定の問題点とともに、次の対策の項でみてゆくことにします。

区立小・中学校のプールの水、区内3地区における土壌等の測定についても、あわせて結果が報告されました。

 

3. 区施設の放射線対策について

さて、肝心の放射線対策についてです。今回、区は初めて対策の目安と対応をしめしました。その内容を以下に示します。

-----------------------------------------------------------------------------
放射線の影響が大きい子どもの安全・安心を考え、暫定的に空間放射線量0.25μ Sv/hを目安とし、これ以上の数値が測定された区施設については対策を検討する。なお、対策をとる対象は原則として区の施設とし、主に子どもの利用する。施設を最優先とする。

砂場など主に子どもの利用する施設で空間放射線量0.25μSv/h以上が測定された場所は使用禁止とし、専門業者の測定で目安以上の数値が確認されたときは除染を実施する。
-----------------------------------------------------------------------------

0.25μSv/hという目安は、年間1mSvを超えないことを前提に算定された数値で、一定の合理性があるものと考えます。内部被ばくの考慮がなされていないという問題点はありますが、とにもかくにも区がこうした基準を明確にしたという点では一歩前進だと評価したいと思います。

しかしながら、今回の対策が本当に区民の不安にこたえるものになるのかどうか、私にはまだ疑問が残りました。

その理由を3点、以下にのべます。

 

この方針に基づくこれまでの対応について

第1に、この方針に基づいて、これまでどんな対策がとられてきたかです。

区の報告では、「測定から対策までの手順」として次のようにのべられています。

-----------------------------------------------------------------------------

  1. 区の最初の空間放射線量測定で0.25μSv/h以上が測定された地点は、状況によって周辺の複数地点もあわせて、区で再測定を行う。
  2. 再測定において0.25μSv/h以上が測定された地点は、囲って立ち入り禁止を行うなど使用禁止等の対応を行ったうえ、専門業者へ計測を依頼し、0.25μSv/h以上が確認された場合は、除染等の対策を検討し、実施する。

-----------------------------------------------------------------------------

1.については、最初(第1回目)の測定では、最高値で0.20μSv/hしか出ていませんから、何ら対策を講じることはありません。

2.については、1回目と同じ地点で測っているので、やはり0.25μSv/hを超える地点が出る可能性が少なかったのですが、それでも先にのべた通り、飛鳥山公園の多目的広場(0.26μSv/h)と東田端公園の砂場(0.29μSv/h)で目安を超える値が出ました。

ところが、飛鳥山公園は9月9日に再々測定をおこなった結果、最大値が0.20μSv/hとなり、対策はとらないことになりました。東田端公園は、同調査で0.3μSv/hとなりましたが、「今後専門業者に測定を依頼し、対策の目安以上の値が確認されたときには除染を行う」とのことです。

あれだけ念には念を入れて測定器の精度を確認しておきながら、区で測って目安を超えた地点について、さらに専門業者に調査を依頼し、目安以上の値が出た場合にのみ除染をおこなうというのです。山崎議員は、こうした対応について「屋上屋を重ねるようなことをせず、すみやかに除染すべき。専門業者に払うお金は除染対策にまわしてもよいのでは」と指摘しましたが、私も区の対応は「石橋を割れるまで叩く」類のものだと思います。

区の報告では、2回の測定でうかびあがった、この2つの地点の他に、たきさん幼稚園の園長からの依頼に基づき、園舎の避難用滑り台降り口の砂を除染したことが明らかにされました。「文科省の基準に照らし、除染費用が国から出る」というのが対策に踏み切った理由とのことですが、除去した砂は土砂運搬用の袋などに入れ、今も園裏側にブルーシートで覆って保管しているという説明に、傍聴席からも「えーっ」という声が飛びました。

ここまでをまとめると、6月23日から始まった区による測定と対策の結果、3ヵ月かかって、これまでに除染の対策が取られたのは、たきさん幼稚園ただ1ヵ所のみということになります。その間にも、区内に存在しているであろうホットスポットについては、手がつけられないままとなっているのです。

 

この方針に基づく今後の対応について

第2に、この方針に基づく今後の対応はどうなってゆくのか、ということです。

区は「今後の対応」として、次のようにのべています。

-----------------------------------------------------------------------------
今後継続して実施する区の空間放射線量の測定において、対策の目安以上の値が計測された場合は、今回定めた手順により対応していく。
-----------------------------------------------------------------------------

遅きに失したとはいえ、いよいよホットスポットを発見し、すみやかな除染に向かうべきです。ところが、山崎議員が「次はどういう場所での測定を計画しているのか」と聞いたのに対し、区は、子どもが遊ぶ場所などについて複数ヵ所での測定をするとしたものの、「何ヵ所測るとか、どこを測るとかはまだ決めていない」と答弁しました。また、「区民や政党から自主的な測定結果の情報をもらっている」としながらも、測定場所はあくまで「施設管理者との相談で決める」としています。

私は、こうした答弁を聞きながら、区が積極的にホットスポットを探し、対策に乗り出す姿勢を感じることができませんでした。この印象が杞憂であってくれればいいのですが、そのためにも「今後継続して実施する」測定の内容について早急に、具体的に明らかにさせることが必要だと思います。

 

食品による放射能汚染(内部被ばく)への無警戒

第3は、食品汚染への対応です。

委員会の質疑では、山崎議員が内部被ばくを考慮に入れ、給食など食品に関する安全確保に努めるべき、と指摘。23区内でも港区や新宿区がサンプリング調査にのりだし、杉並区は2000万円ほどもするゲルマニウム測定器の購入を検討していること、さらに茨城県の龍ヶ崎市ではシンチレーション検出器を購入し、市民が検体を持ち込める「食品放射能測定システム」を導入していることも紹介した上で、本会議答弁でも繰り返された「市場に出回っている食材は安全が確認されている」という区の考え方を改めるよう求めました。

しかし区は、「国も次々と対策を打っているので、情報提供しながらご理解をいただくしかない」「食品測定器は、器機の精度など課題もある」などとのべるにとどまりました。

また、山崎議員が、「せめて牛乳だけでも先行して安全を確認すべきでは」と追及すると、区は「業者として検査をしたと聞いているが、結果の公表は求めていく」「全体の食材とあわせて研究していく」などと消極的な態度に終始しました。

山崎議員は最後に、「チェルノブイリでも後の調査で、内部被ばくの影響が大きいとわかった。今こそその反省と教訓を生かすべきだ」と求めました。

 

以上、委員会でのやりとりに基づき、区の姿勢と対策の問題点を見てきましたが、今後予定されている決算特別委員会などの場でも、引き続き追及を続けてゆきたいと思います。

 

4. 福島第一原子力発電所事故に伴う放射線対策経費について

続いて、これまで区がおこなってきた放射線対策の経費内訳が報告されました。

総額は約660万円、うち予備費での充当は約175万円です。金額が大きいものは、放射能測定委託料(約150万円)、北区ニュース放射線対策臨時号(約140万円)、放射能測定器の賃借料(約125万円)などです。

今後も放射線対策予算は必要になると思いますが、今議会では補正予算がつきませんでした。次回の第4定例会では、補正の対応もすべきだと思います。

 

5. 放射性物質に汚染された稲わらを給与した可能性のある農家から出荷された牛肉の流通調査について

最後に、汚染牛肉への対応が報告されました。

食品衛生法の暫定規制値(500ベクレル/kg)を超える放射性セシウムが検出された牛肉について、厚生労働省が緊急の流通調査をおこなっています。北区も現在、50件63頭分について調査中ですが、このうち、学校などの給食に供されたものはないとのことでした。

 

以上が、本日の委員会のまとめです。事実誤認や、記述の誤りなどありましたら、ご指摘いただけると幸いです。

今日も、北区子どもを放射線から守る会のメンバーのみなさんはじめ、たくさんの区民の方々が傍聴に来ていました。子どもたちの未来を守るために力をあわせ、放射線対策を前にすすめてゆきたいと思います。

みなさんのご協力を、心からお願いいたします。

2011年9月19日(月)

思いはひとつ、“さようなら原発”

「原発をなくそう」の思いをひとつにと、日本を代表する著名人がよびかけた「さようなら原発集会」が、明治公園で開かれました。

午後1時30分からの開会にあわせ、早目に自宅を出たつもりでしたが、最寄りの千駄ヶ谷駅で下車すると、すでにホームにはあふれんばかりの人の群れ。まったく動けずしばらく立ち往生していましたが、このままでは会場にたどり着けないと、たまたまいっしょになった赤羽のKさんと次の電車に乗って一つ先の信濃町駅に向かいました。

駅から折り返すように歩き、首尾よく会場に着くと、明治公園はまさに人の渦。こんなに参加者で埋め尽くされた集会は久々です。

 

さようなら原発集会01

 

なんとか中央舞台が見える最後尾に陣取り、訴えに耳を傾けました。ちょうど呼びかけ人の一人である落合恵子さんが紹介されたところでした。続いて澤地久枝さんが舞台に立ちましたが、人のざわめきと後ろで大音量を発している警察の交通整理で、ほとんど聞き取れません。

 

さようなら原発集会02

 

次に、俳優の山本太郎さんが登場し、「3・11以降、人生が変わった。生き延びるために原発を止めよう」の訴えに大歓声。最後は山本さんの音頭で「子どもを守れ、大人を守れ、命を守れ、地球を守れ、原発反対」と、会場が一体となってシュプレヒコールをあげました。

 

さようなら原発集会03

 

集会の最後は、福島からの参加者の訴え。切々たる訴えに、涙する人の姿も。パレード出発前に会場内で、Kさんに写真を撮ってもらいました。

 

さようなら原発集会04

 

3コースに分かれて出発のパレードですが、人波に押されながら日本青年館前に出ると、先頭を行くよびかけ人の蒲田慧さん、大江健三郎さん、内橋克人さん、落合恵子さんの姿が見えたので、Kさんといっしょに隊列に参加。途中、山本太郎さんがマスコミに囲まれながら歩く姿も見えました。

時間の関係で、途中の外苑前駅で失礼しましたが、本当に久しぶりに胸躍る集会&パレードになりました。

「原発をなくせ」――この思いを全国に広げ、政治を動かす大きな力にしていかなければいけないと決意を新たにしました。

2011年9月18日(日)

猛暑の秋祭り 桐ヶ丘やまぶき荘・桐ヶ丘児童館

秋祭り02

 

9月も下旬に向かおうという時期なのに、猛暑の日曜日となりました。今日は、桐ヶ丘やまぶき荘・桐ヶ丘児童館合同敬老秋祭りに参加してきました。

都営桐ヶ丘団地の建て替えの中で、特養ホームと児童館が併設されたのは画期的なことでした。それから10年が経ち、今回は「愛と笑顔で10周年」のお祭り。見上げる高層建物の下の会場に、たくさんのお年寄りや子どもたちが集いました。

 

秋祭り01

 

やまぶき荘内では出店が並び、やきそば、からあげポテト、フルーツポンチ、ヨーヨーなどを販売。私もブルースカイのかき氷をいただきました。

会場では、約800世帯、3000人をかかえる巨大マンション、東京メガシティの自治会長さん、副会長さんとごあいさつ。防災面などでの苦労話を聞かせていただきました。

 

秋祭り03

 

敷地内の広場で式典が始まり、特養ホームで最高齢となる106歳のおばあちゃんが紹介されました。児童館の子どもたちからお祝いのプレゼントを受け取る場面は、特養と児童館が併設されている施設ならではの光景でした。

私も、いっしょに参加した地元の、さがらとしこ区議とともに来賓として紹介を受けました。

子どもたちの太鼓の演奏を楽しく聞きながら、会場を後にしました。

2011年9月17日(土)

北区の放射線対策はどこまできたか

福島第一原発の事故による放射線の影響に、不安の声が広がっています。

9月12日から開かれている北区議会第3回定例会では、代表質問(12日)、個人質問(13日)で、自民党をのぞくすべての会派が放射線対策を求めるなど、活発な議論がたたかわされています。議会論戦もふまえながら、現在、北区としての放射線対策がどこまできているのかをまとめてみました。

あくまでも、私自身の考えにもとづく記事ですので、事実誤認や間違っている点などについては、ご指摘いただければ幸いです。

 

目次

  1. 放射線量の測定について
  2. 食材の安全対策について
  3. 保育園・学校での対応について
  4. 担当部門の強化・公開学習会などの開催について
  5. 北区の放射線対策の問題点

 

1. 放射線量の測定について

まず、放射線量の測定についてです。

5月25日、日本共産党都議団が独自におこなった放射線量測定結果をもとに、東京都に放射線測定の実施を求めました。これを契機に、都内各自治体で測定がはじまりました。

北区でも、ようやく6月23日から区としての測定が開始され、7月までに、校庭・園庭などで344ヵ所、砂場で238ヵ所の空間放射線量を測定しました。また、委託の専門業者によるプールの水や土壌などの測定もおこなわれました。

この調査では、空間で0.20μSv/h、土壌で0.21μSv/hが最高値でした。

区内における放射線量等の測定結果

このページが最初に公表されたのは7月下旬でしたが、その時から「今後は、簡易測定の結果をふまえ、比較的測定値の高かった地点について、再測定を実施する予定です」とアナウンスされていました。しかし、その後、1ヵ月半にわたり再測定については公式な報告がありませんでした。

その間に、私たち日本共産党北区議員団は、専門家の先生から高性能の放射線測定器をお借りし、区の測定で線量が高かった地点について独自の再測定をおこないました。その結果、0.2μSv/hを超える地点が複数発見されたことをふまえ、8月11日にすみやかな再測定と除染などの対策を求める要請を区長に対しておこないました。

今回の議会で、何人かの議員が再測定がどうなっているかについて質問をしましたが、区は答弁でようやく「71ヵ所の再測定をおこなった」という事実を明らかにしました。

その後に得た情報では、再測定がおこなわれたのは8月15日から9月2日にかけてで、最初の測定で比較的線量の高かった地点をピックアップし、校庭・園庭71ヵ所、砂場49ヵ所、合計120ヵ所を2台の測定器で計測したとのことです。

再測定の結果は、9月21日に急きょ開かれることになった防災対策特別委員会で公表される予定です。

 

再測定はなんのためにおこなわれたのか

ここで疑問に思うのは、この再測定がなんの目的でおこなわれたのか、ということです。

私たちは、一般的には放射線量が低い場所でも、草むらや排水溝、雨どいの下など局地的に高い線量となる地点を確認しています。いわゆるホットスポットです。いま必要なのは、こうしたホットスポットを発見、確定し、子どもの立ち入り禁止、除染などの対策を急ぐことではないでしょうか。

しかし、区による120ヵ所の再測定は、1回目に測ったのと同じ地点でおこなわれており、いわゆるホットスポットを見つけるということが目的ではありません。では何が目的かといえば、1回目、2回目と同じ場所を複数の測定器で計測することにより、器機の精度を調べていたということです。

わが党の本田正則議員が、ホットスポット対策について質問しました。

本田「子ども施設の中でホットスポットを探し、除染などその対策を急ぐこと…を求めます。ご答弁下さい」

区長「今後も継続して放射線測定を進めますので、放射線量の高い場所があった場合は、すみやかに対応を検討してまいります」

この答弁からは、「6月23日から9月上旬まで2ヵ月半かけて2回の測定をおこない、ようやく信頼できる測定器の精度が確定したので、これからホットスポットを見つけ、対策をとっていきます」という区の姿勢がうかがわれます。

これでは、あまりにものんびりしているといわれても仕方ないのではないでしょうか。

23区内でも対策基準値を定め、土や砂場の砂を入れ替えるなど除染対策をすすめている自治体があります。北区が、これまでの遅れを取り返して素早くホットスポット対策にのりだすよう、重ねて求めてゆきたいと思います。

 

放射線マップの公表について

なお、本田議員がこれまで測定した結果について、放射線マップにしてしめすべきだと求めたのに対し、区の答弁は、

「放射線は放射性物質から平均的に発生するものではないため、個々の測定値をそのまま地図上に図示すると、誤解を与える恐れがあります。現在、そのことを踏まえた放射線地図の作成を検討しているところです」

というものでした。

測定をしたのに、わかりやすく区民に示さないこと自体が「誤解」をまねきかねません。すみやかな放射線マップの公表を求めます。

 

2. 食材の安全対策について

食の安全では、区の姿勢はもっと悪くなります。

給食の食材の線量測定などの対策強化を求めた本田議員の質問に対し、区長は次のように答弁しました。

「給食の食材の線量測定につきましては、保護者の不安を解消するため、実施している自治体があることは認識しております。しかし、現在施設ごとに購入している多様な食材を、調理前に検査し、結果を確認することは困難であり、十分な測定結果を得るには、給食時間への影響、食材の納品量の調整、新鮮でおいしい給食の提供、衛生管理上の問題など、様々な課題があるものと考えています」

また、食材の安全を求めた各議員の質問に対し、市場に出回っている食材は検査で安全が確認されている、特定の産地の食材について危険だとしめすことは風評被害にもつながりかねない、といった旨の答弁も繰り返されました。

極論すれば「食材の安全については国を信じろ」「子どもが口にするすべてのものを測ることはできないので、食材の線量測定は意味がない」といっているように聞こえますが、こうした姿勢では汚染食品による子どもの内部被ばくを防ぐことはできません。

食の安全確保にむけた区の姿勢の抜本的転換と早急な対策を求めるものです。

 

3. 保育園・学校での対応について

子どもを通わせている保育園や学校での対応についても、たくさんの保護者のみなさんからご相談を受けています。

区としても放射線対応という新しい問題に対して統一的な方針が持ち切れず、細かいことについては各園長、学校長に任せているという実態もあるのではないでしょうか。

特に子どもたちが毎日口にする給食や牛乳、飲料水などについて不安を感じている保護者が、弁当や水筒の持参を申し出た場合の対応では、快く受け入れてくれる施設と、「特別扱いは認められない」といって断られる施設があることがわかりました。

私の個人質問では、こうした場合の対応について区の見解を問い、弁当、水筒持参の申し出については個別にていねいに対応し、これを認めるという答弁を引き出しました。

子育て問題、赤羽地域の諸課題を問う

 

4. 担当部門の強化・公開講座などの開催について

その他、本田議員の質問では、区役所内に汚染対策担当部署を設置することを求めましたが、区は「放射線対策の専門部署の設置につきましては、関係各課で連絡会を設けて連携して対応しておりますので、現状では必要ないものと考えております」と答弁。再質問では、連絡会を構成する関係各課は「8部局13課」と答えました。

また、私が「放射線問題に関し、区として相談窓口を開設するとともに、放射線被害への理解を深める公開の連続学習講座や講演会を開催すること」を求めたのに対し、区は次のように答えました。

「まず放射線問題の相談窓口の設置につきましては、現在、放射線に関するご相談は、内容により健康、食品、放射線測定、保育園・学校など、関係所管でお受けしています。ご提案のような総合的な相談窓口の設置は、内容が多岐にわたるため、困難と考えます。

次に、放射線に関する理解を深めるための講座や講演会の開催につきましては、放射線に対する不安に対応するためには、有効な手段と考えます。しかし、放射線の影響に対する判断は専門家の間でも大きく分かれているため、講師の選定などの課題があります。今後も区民に放射線への理解を深めていただくために、ご提案いただいた講座や講演会をふくめ、どのような方策が適切か検討してまいります」。

区として、放射線の心配に正面からこたえる講師を招いての講座、講演会の開催を求めるものですが、私たち日本共産党北区議員団としても独自の連続学習講演会を計画していますので、ぜひご参加いただきたいと思います。

放射線内部被ばくを考える連続学習講演会のご案内

 

5. 北区の放射線対策の問題点

最後に、北区の放射線対策の問題点について、私の考えをのべます。

個人質問での再々質問(北区議会のルールでは本質問の後、再質問が2回まで許されています)で、私はおおむね以下のようにのべました。

「昨日からの議論で、区の対応には2つの問題点があると感じています。

1つは、区民からの要望に対し、対応が遅いことです。

これまでの区としての放射線測定の努力には敬意を表しつつも、次の手が出ていません。今必要なことは、ホットスポットを確認し、除染することです。私たちも独自の測定をおこないましたが、心配している区民が測定器を購入して自主的に測っています。豊島五丁目団地では、0.7μSv/hを超える地点も発見されたと聞いています。国会筋では「市民が勝手に測っては困る」などの声も出ているようですが、これは心配している人たちの感情を逆なでする発言です。区は、区民との共同でいち早く危険な箇所を特定し、対策をとるべきではないでしょうか。

いま1つは、国や都が基準をしめさないから抜本対策がとれない、としていることです。

9月に開かれる各地の議会で、放射線対策がすすんでいます。除染や測定器の大量購入の予算をつけているところもあります。杉並区では、食物の安全確保のために、2000万円ともいわれる食物の放射線測定器を購入する計画です。

自治体でもこれくらいの対応は、やる気になればできます。北区では放射線対策は予備費での対応にとどまり、今回も補正で対策費が示されなかったことはきわめて残念です。除染とともに、食品の安全対策も抜本的強化をはかるよう、あらためて要望します」。

こうした問題点をのりこえ、区民の願いにそった放射線対策が進むことを願ってやみません。そのために私たちも全力をあげてとりくみを強化してゆく決意です。

2011年9月15日(木)

赤羽公園遊具の整備計画決まる

昨日(14日)夜、赤羽会館小ホールで、第4回赤羽公園遊具説明会が開かれ、参加しました。

今回の説明会は、昨年暮れから議論が続けられてきた赤羽公園の遊具問題で、最終的な結論を確認する会議となりました。

北区の道路公園課のみなさんには、遊具アンケートに協力してくれた園児・児童と保護者、これまでに説明会に参加したことのある区民などに参加をよびかけるご案内を出していただきましたが、残念ながら出席者は10数名にとどまりました。それでも、毎回出席していただいている住民のみなさんや、株式会社ANSのみなさんとともに、話を前にすすめました。

 

公園遊具説明会01

 

まず、前回の会議の確認として、現在囲いで覆われている場所にある2つの遊具の処理について確認しました。

コンクリートの木は、老朽化し危険なので、撤去することにしました。

公園遊具説明会02

 

幅広滑り台は、今のままでは危険なので、着地点の勾配をなだらかにする補修をおこない、ふたたび使えるようにします。

公園遊具説明会03

 

以上、2つの工事を9月下旬から始め、3週間ほどで囲いをはずし、子どもが遊べるようにします。

次に、区の新しい提案内容について討議し、確認しました。

「大空の門」は老朽化し、遊具としては使用できできませんが、文化的価値や利用者の声をふまえてモニュメントとして残すことにします。実際の工事は、現在の入口を管理用ドア(通常は閉鎖)とし、遊具の表面の塗装をきれいに塗りなおします。

公園遊具説明会04

 

南側の遊び場には、台風による倒木で破損し撤去されたキリンの滑り台を復活(新設)します。ただし、予算上の都合で、大きさは前にあったものより小さめになります。

公園遊具説明会05

 

コンクリートの木の跡地に、幼児、低学年対象のコンビネーション遊具を新設します。これも、当初予定していたものより小さいものになります。

公園遊具説明会06

 

「大空の門」、キリンの滑り台、コンビネーション遊具については、今年度中(来年の3月まで)に、整備が完了する予定です。

「公園の遊具をみんな撤去しちゃうの?」「思い出深い『大空の門』はなんとか残してもらえないだろうか」など、さまざまなご意見をいただく中で、遊具について真剣に考え、議論し、よりよい結論をとがんばってきました。討論に参加していただいた区民のみなさん、区民の意見にしっかりと耳を傾け、現在考えうる最良の選択肢を提案してくれた北区道路公園課に、心から感謝いたします。

同時に、広範な区民の意見をくみあげ、一つの結論にまとめてゆくには、大きな労力と工夫がいることも痛感させられました。「区民とともに」と口でいうのは簡単ですが、どうしたら一人ひとりの区民のみなさんに区政の問題、地域の問題に関心を持ってもらい、討議に参加してもらうか、私自身、引き続き勉強が必要だと感じています。

だれもが安心して遊べ、憩える赤羽公園にするために、今後ともがんばってゆきます。

2011年9月15日(木)

地上146m、37階、十条駅前超高層再開発計画

昨日(14日)、地域開発特別委員会が開かれ、委員として出席しました。

今回の議題は、十条駅西口地区市街地再開発事業の説明会および報告事項でした。

志茂、西ヶ原と並び、十条は木造住宅密集地域整備事業の対象地域で、西口駅前の再開発については、当初東京都が検討していたものの、のちに撤退。その後、地元地権者らが2007年に準備組合を開設して4年間にわたる検討を重ね、今回、まとまった内容について区議会に報告という運びになったものです。

説明会では、北区都市計画マスタープランや十条地区まちづくり基本構想など上位計画をふまえて「人と情報の交流が地域をつなぐ」「にぎわいを生み出す」「地域の災害対応力を強化する」「地域交通ネットワークを高める」「“みどり”を身近に感じる」「幅広い世代が共に暮らす」という6つの基本理念がしめされ、出てきた計画がこれです。

 

十条再開発01

十条再開発02

十条再開発03

 

どーんと超高層ビル、高さは146.3m、37階建ての計画です。もちろん、こんな高さの建築物は、北区内にはありません。

このビルは総戸数約500戸、50~60世帯の地権者が権利変換の手続きをへて分譲マンションに居住するほか、残り440~450戸を一般向けに分譲する予定です。

また、再開発事業区域約1.7haのうち、約1500㎡が北区の土地で、区は最大の地権者です。この施設の中に、子育て施設、高齢者施設、区民交流施設などを計画してゆきたいとしています。

説明会をうけた委員会としてのまとめで、私は発言し、2点を指摘をしました。

1つは、超高層ビルとまちづくりの関係です。

マスタープランでは幹線道路沿いや駅周辺部に適切な高さの建物を誘導するとしています。しかし、1棟でもぬきんでて高い建物が建てば、連鎖的に高層が増えてゆき、まちのありようが変わってしまいます。赤羽がよい実例です。

2年前、赤羽岩淵駅前に22階建てマンションが完成すると、その隣には現在23階建てが、また旧ダイエー跡地には24階建ての分譲マンションが建ち始めています。これまでは近隣紛争が絶えなかった14~15階建ての建築物は、いまではもう当たり前のようになってしまいました。

超高層を認めることによって、こうした町の変化を引き起こすことに十分な注意を払う必要があります。

いま1つは、低廉な住宅の確保こそ必要だということです。

事業者は、再開発ビルによって「子育て世代の笑顔溢れる暮らし支援」「高齢者が元気に暮らせる環境づくり」が進むと説明しています。しかし、坪単価250万円(想定される価格帯)、ファミリータイプなら4000万ほどにもなる分譲マンションを購入できる人はそれほど多くはありません。

むしろ、単身者やひとり親家庭、低所得の高齢者世帯などが安心して住める低廉な住宅の提供こそ求められるのではないでしょうか。区が所有し、活用できるスペースで、こうした住宅を確保するよう求めました。

この計画は今後、10月中旬に準備組合による地元説明会が開かれ、2011年度内に区への都市計画案を提出、2012年度には都市計画決定の手続きを終え、2017年度に竣工という予定がしめされています。

周辺住民のみなさんの意見にも耳を傾けながら、慎重な検討を続けてゆきたいと思います。

2011年9月15日(木)

災害時にどう避難する? 第2回災害対策あり方検討会

東日本大震災をふまえた今後の災害対策のあり方を探り、北区地域防災計画の見直しをすすめる検討会の第2回会合が13日夜、北とぴあで開かれ、傍聴しました。

前回の議論を確認した後、東京大学地震研究所の大木聖子委員が「首都圏の地震災害」と題してミニ講演をおこないました。

ちなみに、大木先生は阪神淡路大震災の経験から地震学の研究を決意。大学院の頃に起きた新潟中越地震で大きな犠牲を出してしまったことに失望し、いったんは地震学をあきらめることも考えました。しかし、本震を生き抜いたのに余震で亡くなった少女の記事を目にしたことで、研究を続ける決心をし、今日に至っているという方です。

このように若く有能な研究者によって地震研究が支えられていることに驚くとともに、北区の防災計画見直しにも貢献していただけるというこで、深く感謝したいと思います。

大木先生による講演「首都圏の地震災害」

ちょっと脇道にそれましたが、講演の中身をざっくりと紹介します。

  • これまでわかっている限りの世界で起きた大地震を地図に落とすと、約3万回のうち3000回ほどが日本で起きている。日本は文字通り“地震大国”です。
  • 日本での地震は、一定のスパンで活発な時期、(地震があまり起こらない)安定した時期を繰り返しているが、M9.0の今回の東日本大震災は、安定から活発へ向かう一つの兆候だと思われる。実際、統計的にも3.11以降には、全国で地震が多発している。
  • 首都圏に影響を及ぼしうる地震としては、関東地震首都直下型地震東海・東南海・南海地震などが想定されている。関東地震は、1703年の元禄地震、1923年の関東大震災の経験から、ほぼ200年周期で起こるといわれている。
  • 関東地方の下には、フィリピン海プレート太平洋プレートが交差しており、2つのプレートの動きで地震が発生する。深度や位置によって18の地震発生パターンが予想されており、M7.3、震度6以上の大きさとなる。
  • 液状化による被害、斜面地での被害が広範におこり、北区では滝野川あたりでの大規模な被害が想定される。
  • 関東で震度6、7ほどの地震となれば、圧死が8割、焼死が1割、犠牲者の90%が自宅での被害となる。地震が起こる前に住宅の耐震補強をしておくことが最大の対策となる。
  • 東海・東南海・南海の三連動地震が起きたらどうなるか。震源地が遠くても、関東には被害が出る。激震と違い、ゆっくりと長い揺れが襲い、とりわけ高層住宅では揺れが増幅し、倒れたり動き回たりする家具などが凶器に変わってしまう。
  • 過去に東京での津波の大きな被害はないが、「想定外」があってはならない。現在、東京都が津波の被害想定を見積もり中。

短い講演でしたが、スライドも使って大変わかりやすく、理解の深まるお話しでした。

避難のあり方についてフリーディスカッション

講演をうけて、本日のテーマ「災害時の避難と避難所運営のあり方について」の論議に入りました。事務局(北区)からの問題提起の後、フリーディスカッションがおこなわれました。

主な論点は、以下の通りです。

 

避難場所と避難所の違いが徹底されているか。

まずは一時(いっとき)避難場所に集まり、まとまって避難所へ移動するという2段階避難について、住民はどれくらい認識し、また訓練で徹底されているのかが論議されました。

 

避難所の安全を誰が確認するのか

いざ小学校などの施設に避難してきた場合、崩落の恐れがないかどうかを誰が確認するのかが問題になりました。

仙台や長野では避難所となった体育館の天井が、余震で落下してしまったという例も紹介されました。

区では、目視で建物の危険性を確認する応急判定士を配置していますが、現地にかけつけるには時間がかかります。学識経験者からは「日ごろから地域の一級建築士と協定を結んでおき、災害時には判定をしてもらうよう依頼をしておくことが必要」などの意見も出ました。

 

避難所の鍵を誰が管理するのか

夜間に災害が起きた時には、避難所となる学校などの鍵を誰が保管しているかが問題になります。堀船地域の学校の鍵を、十条の方が管理しているという例も出され、緊急時の対応について意見が交わされました。

区は、各地域振興室ごとに3人ずつ学校のスペアキーを保管する職員を配置していると説明。定期的に体育館を利用している団体が鍵を保管している例もあり、いざという時のために、鍵の所在を明確にしておく必要性が強調されました。

 

日ごろから地域防災組織のリーダーを育成しておくこと

大災害となれば、避難する人数も大量になる。数百人から千人以上もの安否確認は到底無理、との意見も出されました。日ごろから地域や住民のことをよくわかっているリーダーを育成しておき、地域防災の先頭にたってもらうことが大事だとの指摘がありました。

 

このほか、さまざまな意見が飛び交いましたが、あえてまとめたり、結論を出さないというのが、この検討会のすすめ方とのことでした。

東日本大震災をふまえての北区地域防災計画の見直し作業は、住民の命と安全にとってきわめて重要な課題となります。北区がこうした検討会を連続で、また公開で開くことは大変意欲的だと思います。

同時に、この内容を広く区民に知らせ、区民からも検討会に意見を反映させる双方向の交流が必要だと実感します。そうした役割こそ、私たち議員が率先して果たさなければならないのかもしれません。

このレポートが、その一助となれば幸いです。

なお、今後の検討会日程は、以下の通りです。

第3回 10月3日(月)午後6時 北とぴあ
第4回 10月25日(火)午前10時 北区防災センター
第5回 11月16日(水)午後6時 北とぴあ
第6回 12月19日(月)午後6時 北とぴあ

2011年9月13日(火)

子育て問題、赤羽地域の諸課題を問う

昨年11月の第4回定例会以来、久々の本会議個人質問に立ちました。

今回は、安心して子育てができる環境づくりと、赤羽地域の諸課題について区長の姿勢を問いました。

 

 

まず、子育ての問題では、放射線から子どもを守る対策の強化を求めました。「わが子が被ばくするかもしれない」という危険に直面したお母さんたちの生の声を紹介しながら、保育園や学校現場での親身な対応を求め、給食や水筒を持参したいという保護者の要望を受け入れるべきだと問いました。

区長の答弁は「個別に、ていねいに対応する」と、やや抽象的でしたので、私はすかさず再質問で「それは、ていねいに『断る』ということか、それともていねいに『認める』ということか」と質しました。すると、区側は「すでに保育園でも小学校でも弁当を持ってきている子どもはいる。断るということでは決してない」と答弁、持参を認めました。

子育ての問題ではさらに、保育園などへの指定管理者の導入を抜本的に見直すことや、公的保育を解体させる「子ども・子育て新システム」の撤回を国に求めるよう迫りました。

また、「地域主権改革」一括法で北区でも保育所面積基準の緩和ができるとされた問題で、「保育条件の切り下げにつながる緩和はおこなうべきではない」と求めたのに対し、区は「本区では面積基準の緩和は必要ないと考える」と明言しました。

赤羽地域の課題では、赤羽公園の整備、JR赤羽駅リニューアル計画、赤羽岩淵中学校新校舎建設という3つの問題について質問しました。

このうち、「エキュート赤羽」の全面開業による地元商店街へのダメージについて、継続的な実態調査をおこなうことを提起したことに関し、区は「JR東日本および運営者であるJR都市開発に、定期的な実態調査の実施を要請していく」と答弁。北口構内の公衆トイレ増設も「引き続き、JR東日本に検討するよう申し入れる」と答えました。

今日の質問には、子どもを放射線から守る会のメンバーのみなさんや、地元の地域のみなさんが大勢傍聴に来てくれ、大変心強い思いでした。ありがとうございました。

放射線問題については再質問で、1. ホットスポットの発見・除染など区民が要望することへの対応が遅い、2. 国や都が基準を示すのを待つという姿勢で、区独自の対策をとろうとしない、という区の対応の問題点を指摘しましたが、この問題については今後とも、委員会や決算特別委員会でさらに追及してゆきたいと思います。

2011年第3回個人質問の全文はこちらから。

2011年9月11日(日)

北区革新懇学習懇談会で原発問題を学ぶ

北区革新懇の学習懇談会「原発事故の教訓と今後の課題」が赤羽会館小ホールで開かれ、参加しました。

 

 

講師は、日本共産党政策委員会の佐藤洋氏。講義の前半は、原発をめぐる情勢についてで、日本共産党が発表した「提言」の内容にそって、原発事故の異質な危険と原発から撤退する展望を語りました。

休憩をはさんで後半の講義は、自然エネルギーの本格的導入についてです。自然エネルギーは最先端の技術であること、日本には自然エネルギーの大きな可能性があること、諸外国の例からも原発からの撤退を決断すれば自然エネルギーの開発が大きくすすむことなど、具体例も交えながら説得力のあるお話を聞くことができました。

特に、原発推進勢力からもよく聞かれる「ドイツが原発と決別し自然エネルギーへの転換をはかれるのは、フランスから電気を買っているからだ」という言い分に対し、「原発に電力の3分の2を頼っているフランスでは、発電の出力調整ができず、余ってしまう電力をドイツに買ってもらっているのだ」という根拠ある反論をしめしていただき、胸のつかえがスーッととれました。

時間の関係で、講義の途中で退席せざるを得ませんでしたが、こうした刺激のある話を、もっと聞きたいと感じました。

2011年9月11日(日)

「子ども・子育て新システム」学習会まとめ

昨日(10日)、党中央大会議室で開かれた「子ども・子育て新システムと保育の公的責任についての学習交流会議」での講演「『子ども・子育て新システム』ではなく公的責任による保育の拡充を」(講師は、米沢玲子党中央女性委員会事務局員)の内容について、整理してみました。

1. 民主党政権「子ども・子育て新システム」をめぐる現局面

東日本大震災から半年になります。8月に群馬で開かれた保育合同研究集会では、被災地から参加した保育士の発言が感動をよび、震災後も避難訓練を繰り返す中で、子どもと保育士の割合が3歳児で20対1、1・2歳児で6対1、0歳児で3対1という国の保育士配置基準では子どもの命は守れないとの訴えがありました。

これを受け国会では、山下芳生議員が震災をふまえて保育士の配置や保育所の面積基準を拡充するよう求めるなど、論戦を繰り広げてきました。

新システムをめぐっては、この7月に「中間とりまとめ」がおこなわれ、来年の通常国会に法案提出がねらわれています。民主党政権は、「社会保障・税一体改革」のスケジュールをしめしていますが、新システムは、そのトップに位置づけられています。

社会保障切り捨てのオンパレード、しかも増税とセットの同改革は、言語道断で許されません。国民各層の運動とむすんだ秋のたたかいが、とても重要です。

2. 「子ども・子育て新システム」とは何かーその問題点と背景

政府は、新システムで「子どもと子育て家庭を応援する社会の実現に向けての制度構築」を実現すると大風呂敷を広げたが、目玉政策だった子ども手当は廃止へ、出産・育児に係る休業に伴う給付への給付についてはたった1回検討しただけで「将来の検討課題」に、幼保一体化も議論がまとまらず、先送りになってしまいました。

結局、半年あまりの検討の中で、残ったものは「保育制度の骨格を変える」という部分だけです。公的保育の解体という新システムの危険性がうきぼりになっています。

 

2-1 児童福祉法に規定された公的保育のしくみ

現在の公的保育のしくみは、児童福祉法によって定められています。

  • 第1条 すべて国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成されるよう努めなければならない。
  • 第2条 国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。
  • 第24条 市町村は、その監護すべき乳児、幼児又は…児童の保育に欠けるところがある場合において、保護者からの申し込みがあつたときは、それらの児童を保育所において保育しなければならない。

このように、運営費を含め、保育の実施義務は国と自治体がにあります。全国には、現在、約2万3000の保育所施設があり、約213万人の児童が利用しています。無認可の施設には、これ以外に約20万人といわれており、現在の制度のもとでも、政府がふさわしく予算を増額すれば、待機児解消など改善はすすみます。

 

2-2 公的保育制度を解体する新システム

ところが、公的保育制度を拡充するのではなく、根本から壊してしまおうというのが新システムです。

第1に、自治体の役割が大きく変わってしまいます。

新システムでは、自治体の役割は、保育の必要性を認定し、必要な人には現金給付をするだけになります。

保護者は、自分で保育園を探し、契約しなければなりません。入所決定は施設の権利となり、低所得や障害者をもつ子どもは、入所を断られる危険が生まれます。

第2に、利用料(保育料)の問題です。

現在は市町村が所得に応じて決定していますが、新システムでは応益負担となります。中間まとめでは、はっきり出ていませんが、4割、5割の自己負担ということにもなりかねません。しかも、いままで高額だった人は料金が下がり、低額だった人は上がる可能性もあります。サービスに応じた上乗せ保育料や入園金など、追加料金も自由に設定してよいことになります。

第3に、保育事業者の問題です。

指定制を導入して「自由化」し、営利企業の参入を可能にします。保育所運営費を株式会社の本部に繰り入れたり、株式配当に回すなど、企業が儲けるしくみも広がります。

現在、新システムで想定される施設は、大別して2つです。

まず、総合施設(0~5歳児対象)、幼稚園、0~2歳児のみを対象とする認可保育所、指定基準を満たす認可外施設を総称して「こども園」とします。

次に、家庭的保育(保育ママなど)、小規模保育(19人以下を想定)、居宅訪問型保育(ベビーシッターなど)を総称して「多様な保育」と位置づけます。

主に「多様な保育」の部分に、株式会社など営利企業の参入を広げようとしています。

施設の指定基準(職員配置、面積など)は示されていませんが、緩和の方向が出てくる可能性もあります。

これらはまさに保育の市場化であり、企業頼みの保育制度への改編です。政府のさじ加減一つで、給付の額をコントロールできるようになるしくみは、介護保険制度とよく似ています。

 

2-3 なぜいま新システムなのか――財界の野望

公的保育制度の解体と企業参入のしくみは、財界の長年のねらいです。

経済同友会や日本経団連は、これまでも繰り返し、保育サービスの自由化、直接契約や保育バウチャー制度の導入、保育士配置・面積基準の緩和などの提言をおこなってきました。リーマンショックによる景気低迷のもとで女性の労働力を確保するとともに、保育分野を産業化し、企業が大儲けできるしくみを一貫して求めてきたのが財界です。

保育業界で急成長をとげている日本保育サービス。この株式会社を傘下におくJPホールディングスの山口洋代表取締役は、自らが委員として参加する内閣府「子ども子育て新システム基本制度ワーキングチーム」で、運営費の株式配当への流用など、執拗に企業参入と規制緩和を求めています。

ある大学教授は、引越し業界、おもちゃ会社などが保育分野に参入し、こうした企業をまた別の会社が買収するなど保育分野でM&Aが進み、保育の巨大チェーンストア化という事態にすすんでいる、と指摘しています。

こうした中、OECDの保育白書(2006年)は、保育分野を自由化し、いったん質の悪い業者を入れてしまうと、それを排除するまでの間に子どもの発達の時間が奪われてしまう、と警告。子どもの利益を最優先にした保育が必要だと訴えています。

3. 切実な保育要求の実現へ、日本共産党の役割

全国でも、東京でも、待機児童解消は認可保育園増設で、との要求をかかげた運動が大きくひろがっています。こうしたたたかいでは、住民の運動と結んだ日本共産党議員団の力が大きな力を発揮しています。

国、自治体の責任で、だれもが安心して預けられる保育を実現するために、日本共産党を大きくし、新システム撤回、公的保育の抜本的拡充をもとめる運動を広げてゆきましょう。

2011年9月10日(土)

勉強会、お祭り、そして原発撤退署名

今日は朝から大忙しの一日でした。

まず、午前中は党中央大会議室で開かれた「子ども・子育て新システムと保育の公的責任についての学習交流会議」に参加。新システムについては、来週火曜日の区議会個人質問でとりあげるテーマでもあり、3時間半みっちりと勉強してきました。

学んだ中身については、あとでまとめてアップしたいと思います。

 

 

続いて北区に戻り、区立あすなろ福祉園の「あすなろ祭」を見学。

重度の知的障がい者通所施設の同園は、現在、指定管理者である社会福祉法人・東京都知的障害者育成会が運営しています。到着したのは終了間際でしたが、ぐるっと館内をまわってうどんをいただき、フィナーレを飾る駿台学園高校吹奏楽部による演奏を楽しみました。一つひとつの楽器の紹介があり、短いフレーズをソロで吹く場面では、それぞれの奏者の個性が出て面白かったです。

 

 

さて、急いで赤羽に戻り、地元の支部・後援会のみなさんと合流して、ララガーデンでの原発撤退署名宣伝にとりくみました。

総勢12人で「原発はゼロに」と訴え、1時間で51筆もの署名が寄せられるなど反応は上々。日本共産党北区議員団が10月と11月に開催する「内部被ばくを考える連続学習講演会」の案内チラシを配布すると、「間違った情報が流されているので、本当のことが知りたい。ぜひ行ってみたい」と、うれしい反応がありました。

 

 

署名板の前垂れは、自作しました。↓こんな感じです。

 

署名垂れ幕

 

なお、ロイヤリティーフリー画像は、こちらからいただきました。

[PHOTO STOCKER]高解像度のフリー写真

2011年9月9日(金)

赤羽公園の整備について北区に申し入れ

先日の赤羽公園現地調査の結果をまとめ、本日、日本共産党赤羽岩淵支部、同志茂支部、同志茂南支部と私の名で、北区長あての要望書を提出しました。

対応した北区の寺田道路公園課長は、「要望をいただいたので、まずは確認をしていきたい。できるところから少しずつ改善し、長期的な視野で公園の整備にとりくんでいきます」とのべました。

提出した要望書の全文は、以下の通りです。

 

 

― だれもが安心して遊べ、憩える公園へ ―

赤羽公園の整備に関する要望書

北区長 花川與惣太 様

2011年9月9日

日本共産党赤羽岩淵支部
同    志茂支部
同   志茂南支部
日本共産党区議会議員 野々山 研

公園の遊具をめぐる問題をはじめ、日ごろから赤羽公園の整備にご尽力いだだいていることに心から敬意を表します。

さて、開園から43年が経ち、赤羽公園の老朽化も激しくなってまいりました。私たちは、この9月3日に、地域住民のみなさんの力もお借りしながら、公園の現地調査をおこないました。今回の調査結果にもとづき、以下、公園の整備を要請するものです。

 

1、補修・改修が必要な箇所について

園内には、補修や改修が必要なところが多数見受けられました。以下に示す箇所について、早急に対策を講じていただくよう求めます。

  • 園内中央の噴水は老朽化が激しく、一部コンクリートの剥離が見られました。また、周囲のベンチもひび割れや錆びがひどく、使用に耐えないものがありました。
  • 時計台もところどころコンクリートがはがれ、床面には縦横に亀裂が入っています。
  • 藤棚脇にある母子像の彫刻は、長年の雨にさらされ、表面の塗装がはがれています。この彫刻については、作品名や作者も表示してください。
  • 園内に3つある水飲み場の中には、苔などが付着しているものもあり、不衛生です。
  • 外周のコンクリートに、亀裂がはいっているところがたくさんありました。
 
2、土砂の流出対策について

東側の新しい遊び場の2ヵ所の出入り口と、公園南側の出入り口では、雨による土砂の流出が見られました。特に、東側のマンションに隣接した出入り口では、数日前に降った大雨により、スロープから道路いっぱいに土砂が流れ出していました。水はけをよくするなど、土砂流出対策をおこなってください。

 

3、違法駐輪対策について

西友、赤羽会館側の出入り口付近には、たくさんの自転車やオートバイが常時停められています。この場所は、警告をうながす看板も設置してある通り、駐輪禁止区域です。歩行者の通行の安全確保や公園美化のためにも、違法駐輪の対策を講じてください。

 

4、樹木の剪定と名札の表示について

園内の樹木の中には、剪定が必要なものが見受けられました。遊具の上に覆いかぶさっている枝や、枯れ枝が落下しそうになっている樹木については、早急に切り落としてください。また、「大空の門」の景観を妨げている西側のサクラの木を剪定してください。

なお、樹木によってはネームプレートがつけられているものもありますが、自然観察用として、すべての樹木に名札を表示してください。

 

5、花壇の整備について

新しい遊び場の南側出入り口に花壇が設置してありますが、花は枯れ、雑草が生い茂っています。管理体制をあらためて明確にし、花壇に花が咲くよう対策を求めます。

 

6、砂場の整備について

南側の砂場についてはシートがかかっており、子どもが遊んでいる形跡はありません。北側の砂場は、砂の量が少なく不便です。子どもが楽しく遊べるよう、砂場の改善を求めます。

 

7、路上生活者対策について

公園西側の一角と藤棚の下、時計台裏の3ヵ所に、ブルーシートや段ボールでつくられた住居が設置され、路上生活者が常時居住しています。公園はみんなのものであり、一部の人たちがその敷地を占有している状況は、改善が必要です。北区として、関係各部署や地域との連携をはかり、路上生活者の退去にむけた対策を講じることを強く要請します。

以上

2011年9月6日(火)

12日から始まる第3回定例会の焦点は?

北区議会第3回定例会が9月12日よりはじまります。昨日は全員協議会が開かれ、理事者から今議会に上程される議案の説明がおこなわれました。今回の議会ではどんなことが提案され、議論されるのか、概要をみてゆきましょう。

2010年度の決算審査がおこなわれます

毎年9月から10月にかけて開かれる3定(第3回定例会のことです)では、前年度の決算認定がおこなわれます。区民のみなさんから納めていただいた税金が適切に使われたのかどうかを、決算特別委員会という議論の場を設けて審査するわけです。今回も、2010年度の北区一般会計決算と、国保会計や介護会計など6つの特別会計決算について審査をおこないます。

今回は、私も、日本共産党北区議員団から選出する4人の決算メンバーの一人になりました。決算審査は会期の後半、9月22日から7日間の日程でおこなわれます。決算委員会での論議の詳細は、あらためて報告することにしましょう。

審査される議案について

決算認定以外に、今議会には補正予算をふくむ15本の議案が上程されます。

第42号議案から44号議案までは、豊島児童館と豊島地域の3つの学童クラブを移設し、豊川小学校の敷地内に新しく区立豊島つぼみ保育園を設置する改正条例案です。待機児解消のため昨年度から整備されている0~2歳児に特化した「つぼみ保育園」は、豊島で4園目となります。

第45号議案から47号議案までは、建設中の滝野川紅葉中学の電気設備、給排水設備、空調設備などの請負業者を決定する工事請負契約案件です。

第48号議案から52号議案までは、区立の児童館や保育園の運営を民間法人に委ねる指定管理者指定案件です。豊島東児童館については、初めての指定管理の導入、あとの4件(十条台児童館、西ヶ原東児童館、桐ヶ丘保育園、滝野川西保育園)については2期目の指定で、いずれも1期目の法人の継続を提案するものです。

指定管理者制度というのは、小泉内閣の時代に「官から民へ」「民間にできることは民間に」というスローガンのもとにつくられた制度です。公の施設を株式会社や社会福祉法人、NPO法人など民間法人に運営させるしくみですが、業務の丸投げや官製ワーキングプアの拡大などさまざまな問題を生んでいます。北区ではこれまで、すでに119施設で指定管理を導入しています。

今回議案として上程される保育園や児童館といった処遇施設は、本来、自治体が責任をもって運営すべきものです。これを安易に民間に任せることは、公的責任の放棄ともいえます。この問題については、13日の私の個人質問でとりあげる予定ですので、あらためて報告したいと思います。

今回の補正予算案の特徴は

毎回の議会では、年初の1定で決めた当初予算に対し、その都度、補正予算が組まれます。予算は、執行する中で必ず過不足が出るからです。当初予算に盛り込まれなかったものでも、補正予算で実施が決まる施策も少なくありません。だから私たちは、議案が内示されると、まず初めに「今回はどんな補正予算が出ているか」に注目します。

そこで、今議会に提案された補正予算案です。特別会計も補正が出ていますが、一般会計に限って紹介します。補正の総額は6億5600万円余の増額です。新たに増額となったのは、旧岩淵中の地中から発見された鉛や杭を除去するための予算(約1億6500万円)、外大跡地に増設する保育園の土地を購入するための予算(約1億3700万円)、家屋が全壊した被災者の生活再建事業の予算(約5100万円)などです。

わが党が2定で求めた高齢者肺炎球菌ワクチン接種に対する助成も、今回の補正で実現する運びとなりました。この11月から、65歳以上の方に1回3,500円を補助します。

減額補正で大きいのは、なんといっても子ども手当経費(約6億6000万円)です。民、自、公などの談合で、子ども手当の支給が全体として大きく減らされることになってしまいました。政権延命のためには、マニフェストの目玉政策をいとも簡単に取り下げてしまう民主党の裏切りに、強い怒りを覚えます。

補正がつかなかった放射線対策のための予算

今回の補正でがっかりしたのは、放射線対策のための予算がつかなかったことです。「数千万円もする食品の放射線測定器の購入を検討」(杉並区)、「500を超える市内全学校に放射線測定器を設置」(横浜市)など、すでに9月補正で放射線対策にのりだしている自治体が各地にあります。北区も見習ってほしいと思います。

ただし、放射線対策はやらないというのではなく、当面予備費で対応してゆくということです。4定こそは、必要な対策予算をつけさせるために頑張らなくてはなりません。

今回紹介できたのは、審議される中身のごく一部ですが、必要と思われるものは、追って紹介してゆきたいと思います。

それでは、12日から始まる第3回定例会に、ぜひご注目下さい。

2011年9月4日(日)

備えあれば憂いなし 地元の防災訓練に参加

毎年恒例の防災訓練がおこなわれ、地元岩淵町自治会の訓練に参加しました。

3月11日の東日本大震災を経験した年だけに、住民のみなさんの防災意識も高まっているようで、役員の方も「参加者にお配りする防災セットが足りるかなあ」と心配されていました。

AEDの講習では「AEDはどこにおいてあるんですか」「子供用はないんですか」「途中で意識がもどったら器械を止めた方がいいんですか」と矢継ぎ早の質問が。2人の方が、実際に模型も使って体験されました。

 

 

続いて消火器の訓練。「ピンを抜いて、ホースを取り出し、レバーを握る。3つの動作さえ覚えれば、消火器は使えます」との説明でしたが、いざやってみるとなかなかうまくいかないもの。参加者のみなさんは、少々まごつきながらも、的にむけて講習用の消火器で水を放射していました。

 

 

次の日程との関係で、今日の訓練はここまでの参加でした。いつ起きてもおかしくない首都直下型地震。日頃からの備えが大切だと、あらためて感じました。

2011年9月3日(土)

だれもが安心して遊べ、憩える公園へ 赤羽公園を現地調査

赤羽の名所として知られる赤羽公園。すでに開園から43年の月日が流れ、老朽化もすすんでいます。

昨年暮れから、遊具の新設・改修・撤去をめぐって交わされてきた議論も、一定の結論に落ち着きつつあります。都合3回おこなわれた区の遊具説明会では、「見直すべきは遊具だけではない」「赤羽公園全体のリニューアルを」と望む声もたくさん出されました。

そこで本日、のの山けん事務所として赤羽公園の現地調査行動をよびかけたところ、地元のみなさんが大勢かけつけてくれ、私をふくめ12人で調査を実施することができました。今回は、その調査結果について報告します。

 

1、改修・補修が必要な箇所

まず、公園全体に改修や補修が必要な箇所がたくさん見つかりました。

園内中央の噴水とその周辺施設は、老朽化が著しく、全面的な改修が必要です。騎馬像とそのまわりに配置された彫刻は色あせてしまい、コンクリートも一部はがれています。

 

周囲のベンチは、ひび割れや錆びがひどく、ゆっくりくつろぐことができません。

 

こちらは時計台です。表面がところどころはがれ、床面には縦横に亀裂が走っています。

 

藤棚の横に立っている母子像の彫刻も、長年の雨にさらされ、ご覧の通りです。

 

水飲み場は園内に3つありますが、中にはコケがたまって衛生上問題があるものも見受けられました。

 

周囲をぐるっと点検してみると、コンクリートにクラックが入っている箇所がいくつもありました。3月11日に東北・関東地方を襲った大地震の時にできたものかもしれません。

 

園内に2ヵ所ある公衆トイレには、障がい者用のものを除き、和式便器が設置されていますが、できれば洋式に取り換えてもらいたいとの要望が出されました。

 

2、土砂の流出対策

第2に、大雨が降った後などの土砂流出についてです。

先日の大雨で赤羽公園から土砂が流出の記事でも書きましたが、この公園では雨が降ると園内の土砂が雨水といっしょに周辺の道路に流れ出します。前回指摘したマンション側の出入り口のほか、南側の2ヵ所の出入り口でも土砂が流出した跡が確認されました。

 

土砂が道路に流れ出さないよう、水はけをよくするなどの対策が必要です。

 

3、違法駐輪対策

第3に、西友側出入り口付近の自転車、オートバイの違法駐輪についてです。ここには「駐輪禁止」の表示板とカラーコーンも設置されているのですが、通路に沿って自転車、オートバイが止められています。4年前に同様の調査をおこなった時も同じ状況でしたが、一向に改善されていないようです。

 

この出入り口は駅に一番近く、西友や赤羽会館とも隣接しているので、通勤や買い物客、会館利用者が何気なく止めているのでしょうが、本来なら指定自転車置場となっているマンション側の駐輪スペースに、料金を支払って駐車すべきところです。ここの違法駐輪が一掃されるだけで、公園のイメージも大きく変わるのではないでしょうか。

 

4、樹木の剪定と名札の表示

第4に、樹木の剪定などについてです。園内にはたくさんの木々が植えられていますが、枝を切り落とした方がよいものもいくつか見受けられました。

東側の遊び場では、遊具の上に木が生い茂っています。枝が折れて落下したら危険です。そういえば以前に、「鉄棒にハトの糞がついているので、上の枝を切り落としてほしい」と要望を受けたこともありました。

 

ちょっとわかりづらいですが、枝の先が枯れてしまい、宙吊り状態になっている木です。今にも落下しそうで危険です。今日は風が強かったこともあり、園内の地面には、いくつも枝が落ちてきていました。

 

「大空の門」はサクラの木の陰に隠れてしまい、昔のような勇姿が見られません。少し枝を切っていただければと思います。

 

なお、樹木によってはプレートで名前が表示されているものもあります。この際、園内すべての樹木に名札をつけ、自然の観察に役立ててもらうようにしてはどうかとの意見も出されました。

 

5、花壇の整備

第5に、花壇の整備についてです。南東の出入り口には両脇に花壇が設置してありますが、現在は草がぼうぼうに生い茂ったままです。ボランティアまかせではなく、「花*みどりの北区」にふさわしい責任ある花壇の管理体制を確立してほしいものです。

 

6、砂場の整備

子どもが遊ぶ砂場は2ヵ所あります。南側の砂場には、動物などが入らないようにシートがかぶせてあり、実際には使われていない様子でした。

 

北側の砂場は使われていましたが、子どもたちが楽しく遊べるように、もう少し砂を足す必要があるようでした。

 

7、路上生活者対策

最後に、公園内にいる路上生活者についてです。公園西側の一角と藤棚下、時計台裏に、段ボールやブルーシートの「小屋」がつくられ、路上生活者が住み着いており、一般の人が近づきがたい雰囲気をかもしだしています。4年前の調査では見られなかった光景で、ここ数年のうちに状況が悪化しているように感じました。

 

一朝一夕にはゆきませんが、北区(道路公園課、生活福祉課、危機管理室)、警察、地域住民の連携を強化し、合意と納得を通じた路上生活者の退去を、早期に実現させたいと思います。

 

調査行動に参加していただいたみなさん、本当にお疲れ様でした。本日の結果をふまえて関係機関にもはたらきかけ、誰もが安心して遊べ、憩える赤羽公園をつくってゆきたいと思います。

2011年9月2日(金)

副議長車の廃止を全会派一致で決定

本日開かれた第2回議会改革検討会では、副議長車の廃止、区議会だよりの改善、正副委員長の一般質問の制約などの課題について議論がおこなわれました。

議会を代表する正副議長が公務で移動する際、議長車、副議長車が使われていますが、経費削減のために副議長車を廃止することが検討されました。現在、副議長車を使用している自治体は、東京23区では北区のみとなっています。各会派の代表からは、「北区だけが副議長車を使用する理由はない」「経費削減のため廃止すべきだ」などの意見が出され、副議長を選出している公明党の委員も「(副議長車は)使いづらいという声もある」と発言しました。

日本共産党は「副議長車の廃止は当然。議長車の使用についても見直すべきだ」と意見を表明しました。こうした討論の結果、全会派一致で副議長車の廃止を議長に答申することを決め、次回以降、議長車についても検討することになりました。

区議会だよりに有料広告を掲載すること(公明党提案)については、各会派から慎重な意見が相次ぎました。私は「一部の企業や法人が、お金を使って特定の意見広告をおこなえるようになれば、公平・公正な議会の立場が侵されることになりかねない」と発言しました。

正副委員長の議員が本会議で質問する際、同趣旨の項目が請願・陳情で出ている場合、質問を控えるよう「配慮が必要」とされていることについて、日本共産党から「議員の質問権が制約されるのではないか」と問題提起。区議会事務局からは、「質問権を奪うものではなく、あくまでも配慮が必要だということ」との説明がありました。

次回は10月14日に第3回の検討会が開かれます。

2011年9月1日(木)

先日の大雨で赤羽公園から土砂が流出

昨日、赤羽南のマンションにお住いの方から、先週の金曜日(8月26日)に降った大雨で赤羽公園から土砂が流れ出しているとの連絡をうけ、すぐにかけつけました。現場は、赤羽公園の東側、元のプールを取り壊して拡張した遊び場の入口付近でした。

 

 

確かに公園から土砂が道まで流れ出していました。自転車の轍の跡が何本も残っていましたが、自転車で通るとハンドルをとられそうで危険です。連絡をいただいた住民の方からは、「子どもを自転車に乗せて通ると転びそう。この場所は、雨が降るといつもこうなんですよ」と教えていただきました。

 

 

公園側から見ると、入口(出口)のところがスロープになっていて、流れる水とともに土砂が運ばれていっているようでした。

すぐに区の道路公園課に連絡すると、担当者の方から「水はけが悪いことは承知しています。何らかの対策をうたなければいけないとは認識していますが、明日から台風が来るという予報なので、少し様子を見たいと思います」との返事。とりあえず、現場へ確認に来てもらうよう要請しておきました。

 

 

今日になって、同じ住民の方から「いま見てきたら、土砂がすっかり片付いています。ありがとうございました」と連絡が入りました。どうやら、早々に区が動いてくれたようです。本当に、ごくろうさまでした。

明日、あさってには台風が上陸との予報もあります。また同じことが起きるかもしれませんが、抜本的な対策を考えなくてはなりませんね。