予算委員会の最終日、予算案採決に先立ち、平成29年度北区予算案への態度表明を行いました。
平成29年度北区一般会計予算、及び、4特別会計予算について、日本共産党北区議員団の態度表明を行います。新年度予算案の、直営園を含めた認可保育園増設等による待機児解消の取り組み、ひとり親家庭総合相談コーナー設置、精神障害者への福祉手当支給、感震ブレーカーの無料配付・設置、区独自のがけ調査等は区民要望に応えたものです。
しかしながら、以下、4点の理由により一般会計には反対致します。
反対理由の第1は、住民合意のないまま、住民立ち退き・商店街こわしのまちづくりを、推し進める姿勢です。
とりわけ十条地域では、補助73号線、85号線、鉄道立体交差化事業と側道整備、駅西口再開発など、一つの地域に複数の事業が並行して進められています。約500世帯もの立ち退きの影響は、他に例をみないものであり、商店街は大きな打撃を受けます。
これらの事業に対し、3つの自主的な住民の会や5つの商店街などから、「住民の声が反映されていない」「事業の見直しを求める」との要請が続けられています。一刻も早く、こうした声に真摯に耳を傾け、住み続けられるまちづくりへと区の姿勢を転換すべきです。
反対理由の第2は、貧困・格差の解消や暮らし応援の施策が更に求められる中で、まちづくり基金に十条まちづくり分として、相変わらず10億円を積み増すことです。
北区中期計画ではむこう3年間で、西口再開発事業などに、約72億円を計上している一方、まちづくり基金の取り崩し額は、3年間で約25億円です。予算質疑を通じ、差額の約47億円は、国の補助金や都市計画交付金で措置されることを区も認めました。更に、取り崩す25億円の基金についても、翌年度から4年間で、ほぼ全額、財政調整交付金で措置されます。
従って、十条まちづくり分としての基金は、現在残高80億円で十分足りるにもかかわらず、更に10億円を積み増すのは、不要不急といわなければなりません。この財源は、貧困・格差をなくす切実な区民施策にまわすべきです。
反対理由の第3は、区民負担増、サービス削減につながる経営改革プランや公共施設再配置方針を推進する姿勢です。
経営改革プランは「財源調達」を理由に、区民負担増、サービス削減を求めるものです。外部化による非正規雇用の増大は、子ども・若者などの貧困をひきおこしています。公共施設再配置方針は、人口増や新たな行政需要が見込まれる中、15%の施設削減目標に重大な矛盾が生じています。「行革」方針の抜本的見直しを求めます。
反対理由の第4は、貧困・格差を拡げるアベノミクス、消費税増税と大企業の法人税減税、年金、医療・介護など社会保障の改悪をすすめる安倍政権の暴走に、批判的立場を持たない姿勢です。
日本共産党北区議員団はこの間、当初予算から見て約60~70億円の乖離が生じ、決算で積み増している財政調整基金の一部を活用し、区民のくらし応援、貧困・格差是正のための予算組み替えを提案してきました。その一部は、新年度予算案にも反映され、実現していますが、更なる施策充実が必要と考えます。
先に述べた十条まちづくり基金10億円の積み増し等を財源とし、一般会計予算に対する組み替え動議を提案致します。
なお、国民健康保険事業会計予算は、保険料の大幅値上げから反対致します。
後期高齢者医療会計予算は、軽減特例の見直しにより保険料が値上げとなることから反対致します。
その他の特別会計には、賛成であることを申し上げ、態度表明と致します。 |