人権擁護の挑戦

 台湾文化センターで開催された「第40回国際人権連盟年次総会成果報告会」、今日の人権の普遍的価値に向けどのような挑戦がされているのか?に参加しました。

 国際人権連盟は、世界112か国、184のNGO団体が参加しています。今年の年次総会は10月21日~25日、台湾で開催。連盟設立以来100年の歴史の中で、初のアジア開催!となりました。台湾が選ばれた理由は、民主的で活発な市民社会の動き、また、アジアで初めて同性結婚を認めた国であるためとのこと。(確かに、今年の世界女性シェルター会議の開催も台湾だった!)世界100か国以上から400人近くの人権活動家、国際専門家、外国人ゲストが集まり、活発な議論が行われました。

 報告会に先立ち、台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表がご挨拶。「台湾は戒厳令下の時代もあったが、国際人権規約を国内法に転換しながら、さまざまな人権を勝ち取ってきた。国際人権連盟の総会がアジアで初めて開催され、台湾が選ばれたことは意義深い」と強調されました。

 以下、台湾での大会に参加された4名の方の報告要旨です。

 国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長の伊藤和子さんは、「台湾は人権に関する到達点が10年くらい先にすすんでいる。それは、グローバルスタンダードから学ぼうという姿勢があり、人権関連法規が国際基準に達しているかどうかをチェックしてもらって改善を進めている。日本は国連から勧告を何度も繰り返されているのに、とりいれようとしていない。台湾から学びたい」と語りました。

 認定NPO法人難民支援協会代表理事の石川えりさんは、「難民・移民の観点から見ると、世界の中で人権を守っていこうという基準が引き下がっていることへの危機感が共有されている。同じ人間として、一人ひとりのストーリーを伝え、共感を拡げていくことが大事」また「現在台湾の国会で審議中の難民支援の法律は、申請中の権利や難民保護など、日本にとっても参考になる」と語りました。

 同性パートナーシップ・ネット共同代表の池田宏さんは、「グローバル経済の影響などから取り残された人々が、人権活動への妨害やヘイト的アプローチで迫ってくる。人権に関わる人は正当性を強める必要がある」また「台湾では2004年のジェンダー平等教育法により、同性結婚の合法化やLGBTなどの議論がすすんだ。日本でもジェンダー平等に関する教育が重要」と述べました。

  最後に、司会進行役の「自治体にパートナーシップ制度を求める会」世話人、明治大学教授の鈴木賢さんは、「ジェンダー平等教育は、女性運動や若い世代ともマッチした動きとなっている。台湾は、アジアでも同性婚合法化が認められるという最良のモデルを作ってくれた。歴史の方向性は決まっている。認めるか認めないかではなく、いつ認めるのかという課題。日本も台湾に続きたい」と語りました。

 報告者の皆さんそれぞれの、大変、熱のこもった生き生きしたお話に、すっかり引き込まれました。日本での人権擁護の挑戦!共に頑張りたい。

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