FLOWER DEMO ONLINE 811

 昨年3月、実父による娘への性虐待などについて、相次いで無罪判決が出されたのをきっかけに、「被害者を孤立させない」「あなたは悪くない。あなたの声を聴く」「刑法改正を求める」と、毎月11日、今や全国各地で開催されているフラワーデモ。本日はコロナ禍の中、オンライン開催となり視聴しました。

 発言者の一人である山本潤さん(社団法人SPRING代表)は、現在、国の刑法見直し検討委員会の委員に参加しています。

 冒頭で「どうしてこんなに、痛みを感じてきた人の声がとりあげられてこなかったのか。それほどまでに、加害によって力を奪われてきたこと、声をあげにくい世の中だったということ。だからこそ、無視され、受けとめられてこなかった声を、社会が聞かなければならない。今、大きなチャンス。社会が聴きとってほしい」と発言。

 改めて、自分自身、一人ひとりの姿勢を正される思いがしました。

 中絶問題の研究家、中絶ケアカウンセラーの第1人者である塚原さんは、日本という国がいかに「女性に寄り添う」「女性の尊厳を守る」「負担を減らそう」という発想がないか、現在のコロナ禍における中絶をめぐる世界の対応との比較でも告発。

 海外では、WHOが3月13日パンデミック宣言をした後、性と生殖に関わる女性団体、人権団体、産婦人科医療団体からなどから、「避妊と中絶はエッセンシャル医療」「望まない妊娠は、対応を先延ばしにできない。コロナ禍でもできるように」と、医療マニュアルや一般的なQandAをすぐに出した。

 海外ではすでに、避妊ピル(日常で内服)や緊急避妊薬(性交の後に内服)は既に薬局で手に入るものであるが、妊娠してしまった後の中絶薬については、受診して処方される薬だったものを、オンライン処方にするなど自宅でのアクセスを可能にして改善。

 一方、日本では、ようやく4月から緊急避妊薬のオンライン処方が可能になったとはいえ、情報が探しずらく、専門家でもわかりにくい。そうした中、今、アフターピルを薬局でも販売できるようにとの運動が取り組まれているところ。

 また、何よりも値段が高く、海外では数百円で(タイでは220円)手に入るのが、6000円~1万円以上もする。コロナ禍で、中高生の妊娠相談が増えたとの報道あるが、その後、子ども達はどうなっているのかも見えてこないと指摘しました。

 更に、中絶医療について、日本はいまだにそうは方式(掻き出す)が主流。他の国では、半世紀前からやっていない。法律上も、堕胎罪(妊娠中の女性が薬物を用いて中絶するのは罪)が残っており、掻爬術とあわせて、中絶のイメージが女性に罪悪感を与え、ディスエンパワーとなっている。

 今、中絶は年間16万件、一日に換算すると440人という数字。女性が負担を負わされている。産む産まないを主体的に決める権利が奪われていると、日本の後進性が改めて浮き彫りになりました。

 続いて、阪神淡路大震災の時に、避難所で起きた性暴力の実態を、ウイメンズ神戸の正井さんが紹介。家や食料、お金がない状態の女性に対し、地位や関係性を利用し、男性からの「対価型ハラスメント」が行われた。災害時の支援は、平時からの支援ができていないと行えない。日常的に声が出せる、相談できる、支援につながる、そうしたネットワークを拡げていこうと呼びかけられました。

 フラワーデモの呼びかけ人、作家の北原みのりさんは、

「先日、被爆者のサーロー節子さんが、人間の尊厳ということを基準に考えればわかることと話されていた。何がこんなに辛いのか。人間扱いされていないとうこと。自己責任で生きろと言われる日本の社会は生きづらい。もう限界。フラワーデモから、フラワー革命にしていこう」

 「女性以外の性、男性も価値観を変えていく必要がある。私たちの身体にまつわる正義とは何だ。人間の尊厳について問いかけ、日本中でつながって変えていこう」とのよびかけられ、

 私も心から共感し、行動していきたいとの思いを強くしました。

 

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