全国政策研究集会2020

 京都で開催されている研修会、今年はコロナの影響もあり、オンライン研修での参加が可能となりました。大きなテーマは、コロナ危機そして気候危機、2つの危機を自治体から考えるーです。

 基調講演として、兵庫県立大大学院減災復興政策研究科長 神戸大学名誉教授の室崎益輝さんが「自治体は危機にどう向かい合うか」をテーマに講演。

 室崎氏は、危機への向かい方として、これまでは科学技術の力で災害を抑え込んでいく「防災」という考え方であったが、近年、自然はとても偉大であり、巨大災害の時代に備える、どうダメージを少なくしていくか、「減災」という対応が重要と指摘。

 避難のあり方についても、感染症リスクに備える点からも、学校の避難所中心主義には問題が生じている。子どもの教育が阻害されるという面もある。アメリカやイタリアなどでは、大きなグランドに巨大テント、公園や広場にテントを立てる、民間宿泊施設と協定、お寺・神社の活用するなど対応していること。

 また、地域支えあい避難、コミュニティごとの避難計画という点で、声をかけあい誘導しあう体制、できるだけコミュニティの近いところでの避難、必要な場合、車両での移動も含め検討する。

 さらに、細かなコミュニティ単位での避難で、行政の職員が多数必要になるというのではなく、コミュニティ力で避難所が運営できるようにする重要性を語りました。

 お話をお聞きし、まさに市民の力、コミュニティの力をつけることが求められていると感じましたが、そのためには、一人一人の市民が、長時間労働から脱して、地域社会とかかわりが持てる時間も必要ではないかーとも考えました。

 続いて、京都大学客員教授の谷崎テトラさんが、コロナ後の社会を展望するとして講演。

 気候変動やウイルスは、人類全体、地球上の全生命を脅かす包括的なリスクであり、いきすぎた資本主義、お金中心のひずみが現れ、環境や人権がおろそかになっていると指摘。資本主義の「リセット」が、2021年のダボス会議の国際的なテーマになっていると。

 人々を幸福にする社会、弱者を支える社会、国境に関係なく、ひとつの地球を共有する一人ひとりとして、

 協力を通じ、より公正で持続可能な、人間の尊厳と社会正義を中心にした新しいソーシャルコントラクト(社会契約)が必要だと語りました。

「今私たちは、危機から良いものを掴む絶好の機会に恵まれています。世界的な危機は国境に関係なく、ひとつの地球を共有する一人の人間として、私たちがいかに相互に依存しあっているかを浮き彫りにします。」

 

 

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