こどもを核にしたまちづくり 明石市に学ぶ

 全国政策研究集会の分科会では、子ども優先のまちづくりと題して、兵庫県明石市の泉市長がお話され、その政策と実行力に大変感銘を受けました。

 泉市長は冒頭「子どもを核にしたまちづくり、子育て支援に力を入れ、8年連続人口増、税収も6年連続増え続け、市民の生活満足度は関西1位。明石市は住みやすいとの回答91.2%を頂いている。残りの8.8%の方にアプローチして、光をあてていきたい」と語り始めました。

 市長のビジョンは「子どもを核にしたまちづくり」すべての子ども達をまちのみんなで本気で応援することが、みんなの幸せになる。誰ひとり置き去りにしないインクルーシブなまちをつくりたいと、次々と施策を実行。

 子ども部門の予算は、2010年126億円を、2020年257億円と2倍に。職員は39人から133人と3倍に(弁護士資格の職員12名、福祉職は66名採用) 

 中学校給食の完全無償化。中学生までの医療費無料化、第2子以降の保育料無料化、親子広場の入場料無料、おむつは1歳まで無料などを実施。ポイントはすべての子どもを対象に、所得制限をもうけない。

 さらに、虐待防止、社会的養護の施策では、児童相談所を新設、運営について、子どもの処遇を改善するため、職員数を国基準の2倍以上を配置。常勤弁護士も複数配置。一時保護所も同時に整備し、全室個室、学校現場と連携して、通学を可能にしている。スタッフ育成のために、全国2か所目の「西日本こども研修センター」もつくったとのこと。本当にすばらしい!!

 2018年からは、子どもの養育費の立替を民間事業者と連携して実施する事業を全国で初めて実施。続いて、2020年からは、明石市が公的に立替・支払いを督促する「養育費緊急支援事業」(1カ月5万円)をスタートさせました。その他、児童扶養手当の毎月支給や無国籍者への支援も実施していると。

 コロナ禍では、①個人商店などへの賃料2か月分融資、3月25日までに実施(最大100万円)②大学生の学費前納金、保証人なし、所得制限なしに100万円。③生活困窮者にすぐ10万円の直接支給、④ひとり親家庭への5月の児童扶養手当に、5万円上乗せなどもスピード感をもって行ってきた。国を待っていられない。市民のことが一番近くでわかる自治体が、市民目線で施策を行うことが必要と。

どれもこれも、ほんとうにすばらしい姿勢、ビジョンと実行力だと感心しました。明石市は人口30万人、北区は人口35万と同規模で、交通利便性が良い点は共通している。北区も子育てするなら北区が一番をかかげ、全国に先駆けた施策を進めてきたが、明石市の先進施策に学び、さらに子どもを核に、人にやさしい施策を拡充していきたい。

 25日午後からは、超党派の「子育て議員連盟」「出産議員ネットワーク」共催でのオンライン学習会でも、明石市の泉市長から同市の「子ども・子育て支援」についてお話を伺いました。学んだことを、それぞれの自治体でもいかしていきます。

 

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