コロナ禍での妊娠・出産・子育て支援について

 自分も参加している「出産議員ネットワーク」によるオンライン学習会、「コロナ禍の東京都助産師会の取り組み、妊産婦オンライン相談・You Tubuチャンネル」についてを視聴しました。

 講師は、東京助産師会会長の片岡弥恵子(聖路加国際大学大学院教授)さん。

 コロナ禍で、妊産婦さんたちはどのような状況であったか。自治体の母親・両親学級の開催が減少し、健診回数も抑制的に。妊産婦同士の交流や機会がなくなり、出産も家族の立ち合いや里帰り出産などが制限されることに。

 そんな中、漠然とした不安や感情が不安定になったり、病院へ行くのも心配。外出制限や在宅勤務でストレスが増えたり、誰とも話せず一人ぽっち、孤独や孤立を深めている状況があった。

 助産師自身も妊産婦さんの不安をどう解消していくか考え、4月中にオンラインの助産師相談をはじめようと考え、4月末からスタート。5月中旬には東京都の委託事業となり、6月いっぱいまで実施することができた。

 内容は、毎日(土・日も)の予約制の無料相談。約30分。途中からは相談案内の動画も作って、FBやTwitterなどでも配信し、2か月で444件の相談(一日7~8件)妊婦で108人。産婦で335人から相談を受けたとのこと。

 相談内容は、自分の体のこと、母乳育児や新生児の抱き方、離乳食、アレルギー、悩みなどなどが寄せられ、途中から相談内容をいかし、YouTubeチャンネルで動画52本、つわり、エクササイズ、離乳食、お産に向けた体の変化、新生児の対応、オンライン母親学級などを配信。

 妊産婦さん達から好評で、自治体からの問い合わせもあり、妊産婦や家族への新しい情報ツールになったとお話されました。

 今後の課題としては、ウイズコロナの下、多種多様な支援の必要性、そしてそれを進める新たな体制が求められる。(東京都の委託事業も6月いっぱいで中止。委託費用も相談1件あたりの補助だが、管理費そのものにも費用がかかるとのこと)

 孤立や孤独、メンタルヘルスへの対応や虐待、DVのリスクの高い方へのケアを含め、ショートスティやデイケア、訪問型の支援など、産後ケアを手厚くしていく必要があると述べられました。

 お話をうかがい、助産師さんの専門性が生かされた妊産婦へのすばらしいサポートが実践されていると感じるとともに、

 東京都の助産師会と各自治体との事業や個別相談の連携はどうなっているか、産後うつへの対応については、父親のうつへの理解と支え、育休制度の取得とあわせて喚起する必要、助産師の専門性をいかした継続的な支援など、

 コロナ禍であっても、安心して妊娠・出産・子育てができるよう、北区の施策もいっそう充実させていきたいと感じました。

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