補聴器購入に関わる補助事業の実施を求める陳情は継続審査

 11月30日、北区議会健康福祉員会(共産会派は、ながいともこ委員、山崎たい子副委員長)が開会され、年金者組合北支部から陳情された「加齢性難聴者の補聴器購入に関わる補助事業の実施を求める」が、第2回定例会で継続審査となっていた、北区生活と健康を守る会の同趣旨の陳情と共に、審査れました。

 共産党会派からは「厚労省でも難聴は、うつや認知症の最大リスクと指摘されている。加齢性の難聴で、補聴器を使っている方は2割に満たない。最大のネックは、数万円から50万円と経済的負担が大きいこと。医師会も奨励しており、23区でも11区が何らかの補助制度をスタートさせている。北区でも早期に実施すべき」と採択を主張しました。

 自民、公明、国民の各委員からは、今後、実施の方向は必要であるが、コロナ禍で、医師会との話し合いや、他自治体の制度の検証が進んでおらず、区民への啓発、理解促進も必要であるため、いずれも継続審査を主張し、継続多数で、陳情結果は「継続審査」となりました。

 陳情は、引き続き「継続審査」となったものの、他自治体でも確実に実施されている事業でもあります。コロナ禍で区財政の見通しを立ててゆく課題がありますが、具体的検討・準備を庁内で進めて頂き、早期の実現に取り組んでいきたいと思います。

個人質問、脱炭素、CO2排出ゼロの北区を

 個人質問の4つめのテーマは、脱炭素、CO2排出ゼロをめざす北区の取り組みです。

 このテーマは、この間、本会議や先の決算委員会でも取り上げてきましたが、菅首相が所信表明演説で、ようやく「2050年実質ゼロ」を表明した機をとらえ、続けて質問しました。

1、葛飾区がゼロミッションを宣言し、23区全体にも協同をよびかけていることに対し、区の取り組み状況。

2、区民の再エネ機器導入補助について、太陽光、蓄電池、LEDをセットで導入する世帯が増えているため、加算補助を実施し、防災の取り組みとあわせて、インセンティブとすること。

3、群馬県中之条町、甘楽町など友好都市との連携で、カーボンニュートラル(ライフサイクル全体で、CO2排出量と吸収量がプラス、マイナスでゼロの状態になること)の取り組みを求めました。

区の答弁は、

1については、ゼロカーボンシティ特別区に向けた取り組みとして、R3年度から特別区長会調査研究機構の研究テーマとすることになり、北区も研究活動に参加して、脱炭素に向けた取り組み、区の施策にも十分生かしていきたい。

2については、環境基本計画の改定とあわせて、改めて検討を行う。

3については、区として、脱炭素を実現していくためには、友好都市との連携は欠かせないものと認識している。再エネの電力調達やカーボンニュートラルの推進などについても、計画改定の中で実現可能性や有効性を含め、検討を行う。との答弁を得ました。

国会の衆参両議院でも全合一致で「気候非常事態宣言」が可決し、環境大臣が「2050年にむけカーボンニュートラルをすすめる決意」を示されました。北区でも積極的に取り組んで頂くよう要望しました。

王子駅そばの音無公園の紅葉

個人質問、子どもに必要な遊びの保障

 本会議個人質問の3つめのテーマは、子どもに必要な遊びの保障についてです。コロナ禍での全国一斉休校などによって、学習の遅れが心配され、一人1台端末・タブレットを支給し、自宅学習も可能にしていくなどの整備が進められている一方で、

 子どもにとって何より必要な「休息や遊び」が、三密をふせぐ、コロナ感染を予防との心配の中で、十分保障されているか?との懸念も指摘されています。

 子どもにとって遊びは必要不可欠なもの。遊びが奪われるということは、子どもが子どもでなくなること。子どもの人権侵害にもつながること。今こそ、遊びの回復に努めなければならないとの思いで、3点の角度から質問しました。

1、プレーパークやみちあそびなど、自由な遊び場を確保し、子ども達の遊びに関する要望、声を聴く機会をもうけ、遊び場に生かす取り組みをすすめる。

2、基本計画事業に関わり、赤羽台に整備する複合施設整備の際、子どもの自由な遊び場を設ける。また、豊島5丁目荒川緑地に建設予定のスポーツグランドについての進捗を問う。

3、わくわく☆ひろばや学童、児童館での遊びの充実、職員へのプレイワーク研修を取り入れ、主体性を大事にする遊びの充実を求めました。

区の答弁は、

1について、コロナ禍において、ボランティア団体と協働しているプレーパーク事業の継続に努め、さらなる充実や新たな活動について、今後の検討課題として、意見交換を行っていく。みちあそびは、商店街との連携、地域コミュニティの活性化や地域の見守りにも有効だが、他の行事と同様、感染予防対策に万全を期す。

 子どもの意見を聴き活かすのは、公園や児童遊園のワークショップなどを実施し、子どもなどの利用に応える整備をしてきた。北区公園総合整備構想案においても、住民参加のあり方として、様々な事業段階において、適切に意見を伺うことが重要としている。

2については、児童相談所などの機能確保を最優先の上で、出会い、交流、学びの場等の機能をもった子育てひろば等の整備についても、基本計画、基本設計を策定する中で、検討する。

 荒川緑地豊島ブロックスポーツぐらんどの整備については、少年野球場1面と、内側を多目的広場として使用できる陸上競技場がR4年度に完成する計画。現在、基本設計を進めており、R3年度実施設計、R4年度整備工事を行う予定。

3については、高学年児童も参加しやすい多様な活動の充実や、子どもの自主性が発揮できる環境や子どもとの関係性を築ける職員の育成、研修の充実に取り組む。との答弁を得ました。

子ども権利条約31条は、「休息、遊び、レクレーション、文化・芸術活動の権利」を歌っています。子どもの主食である遊びの充実を重ねて要望しました。

プレーパークにて

豊島5丁目荒川緑地予定付近

個人質問、リプロダクティブヘルス・ライツ(性と生殖に関わる健康と権利)の保障を

 本会議個人質問のテーマの2つめは、リプロダクティブヘルス・ライツの保障についてです。

「リプロダクティブヘルス・ライツ」とは、性や生殖、子どもを産むこと全てにおいて、本人の意思が尊重され、自分らしく生きられる状態であり、権利として、自分の身体に関することを自分で決められることです。

 けれども、ジェンダーギャップ121位の日本で、更にコロナ禍において、DVや性暴力、望まぬ妊娠、出産や育児のストレスが高まり、女性の自殺も増加するなど、その権利保障は困難が強まっている面があると感じています。

 質問では、1、コロナ禍での妊産婦面接、両親学級の工夫しての実施、2、産後うつや産後ケアの拡充、3、父親の理解や育休推進、4、不妊治療における病院情報などの開示、5、安全な中絶(世界標準の安全な中絶方法の普及、刑法堕胎罪の廃止、母体保護法の見直し)について質問しました。

 1については、中止している両親学級や産前産後セルフケア講座は、動画配信での代替で自宅でも受講可能に、はぴママ学級については、定員を半分として、実施数を2倍にし、8月から再開した。

 2については、新生児訪問事業で電話でも悩みや助言を行ったり、乳幼児健診も医療機関での受診をできる体制を整備、ハイリスク妊婦には、健康支援センター保健師や助産師が定期的に電話や訪問を行い丁寧に対応。産後デイケア事業の拡大については、近隣区の取り組みも参考に、利用者・事業者の意見も聞きながら検討していく。

 3については、みんなで育児応援プロジェクトなどの男性の育児参加への啓発や、保健師・助産師からの助言、育休取得の促進にむけ、情報提供含め、関係部局が連携し推進する。

 4、5については、女性の健康相談窓口で産婦人科が不妊治療の内容を含めた相談にのり、自分にあった治療を選択できるように支援している。不妊治療や中絶方法に関する課題、関連法の見直しは国の動向を注視する。との答弁となりました。

 以上の母子保健事業をコロナ禍でも推進して頂くため、保健師などの専門職の確保が必要ですが、今年度は、保健所での感染症予防事業を兼務している保健師もおり、来年度にむけては全体として保健師の増員をはかるよう重ねて要望しました。

個人質問、火災罹災者の生活再建について

 25日、北区議会本会議の個人質問を行いました。テーマの1つは、火災罹災者の生活再建についてです。

 先月10月に豊島で発生したアパート火災では、焼け出された方々が豊島4丁目町会事務所に数日間身を寄せることになりました。受け入れにあたった町会長や婦人部の皆さんに感謝すると共に、焼け出された方は若い世代の方々で、着の身着のまま、携帯電話も財布も何も持ち出せず、お金もない状態でした。

 火災は火元責任という前提があるため、行政のかかわりも災害とは異なってくることを承知しつつ、それでも、被害を受けた方にとっては、住まいや財産を失う大変な事態となるため、生活再建にむけての区の支援を求めました。以下、質問と答弁の要旨です。

 1つめは、緊急のすまいと生活資金を用意することです。

 緊急一時施設は、誰もが利用できる状況ではなく、都営住宅についても、近傍同種家賃3ヵ月分を全額前払いが条件で、低所得の方にはハードルが高い。

 住まいを失った生活困窮者に対して3カ月間無償でビジネスホテルなどを提供する「東京チャレンジネット」のような制度を区としても取り入れ、次の住まいをみつけるまで、緊急に身をよせることができる無料の個室を提供するよう求める。また、何をおいてもお金が必要。交通費や衣服、生活必需品等を準備するための何らかの緊急生活資金の検討を求める。

 2つめに、罹災証明書の発行、緊急のすまいや生活支援の相談を、罹災者によりそい対応するパーソナル支援の実施。

 3つめに、生活再建にむけた相談、手続き、制度紹介について、わかりやすく伝えるパンフレットをつくるよう求める。

 区の答弁は、火災の際は原則として、自助・共助により当面の生活を送って頂くことになるが、難しい場合には、町会・自治会館や防災センターを活用し対応している。しかし、次に移る住まいの目途が立たない場合には、罹災者が一時的に生活できる場所を区が提供することについて、他自治体の事例を参考に検討を進めていく。区の小災害罹災者見舞金は、今後、支給期間の短縮に努める。

 生活困窮の相談は、都の支援策も含め丁寧に案内していく。公的な支援の対象にならない方へも、庁内で連携をはかり対応するなど、個々の罹災者に寄り添った対応を心がけ、パンフレットについも、よりわかりやすい形で案内できるよう、案内書類の見直しに取り組む。と答弁がありました。

 罹災者の皆さんの生活再建は、未だ途上で努力されています。この1ヵ月間、関係課長や職員の方々にも、現状の制度の中でいろいろ骨を折って頂きました。感謝を述べつつ、区の裁量が制度として更に広がるよう質問しました。区長から、前向きな答弁を聞けて、私自身も嬉しかったです。

会議場も、コロナ感染対策で、アクリル板が設置されています。

 

 

 ひとり親世帯臨時給付金の追加交付を

 新型コロナ緊急アクション&新型コロナ緊急対策自治体議員の会で、オンライン勉強会を実施。テーマはコロナ禍におけるひとり親家庭の状況、しんぐるまあーずフォーラムの会代表の赤石千衣子さんがお話されました。以下、要旨です。

 会では、コロナ禍の下、「だいじょうぶだよプロジェクト」として、お米や肉、野菜などをパッケージして届ける活動を実施。10月までに2315世帯に。食品と一緒にアンケートを同封しているが、「いっせい休校中、給食がなくて大変だた」「収入が減っただけでなく、昼食代が1~2万円増えた」「子ども達のご飯を優先し、自分は1日1食が2日に1食に」との窮状が寄せられた。メールマガジンの登録も3100件が、6300件と2倍に。また「ひとりじゃないと思えた」との声や、子ども達の笑顔の写真等が寄せられたりもした。

 7月には、専門家の力も借りて、1800人の大規模調査も実施。コロナによる雇用・収入への影響が「おおいにあった」38.5%、「ある程度あった」32.3%で、あわせて7割に及び(特に影響を受けた職業は、サービス業63.1%、生産工程職57.4%、販売業55.4%)その結果、40%以上のシングルマザーが減収。3~4割の人が主食の米や肉・野菜を買うことができなかったと回答。子どもの服や靴は7割が買えなかったことがあると回答している。 

 また、生活が大変であるのに、生活保護を受けたくない人が多い。説得してもなかなか受けたがらない。バッシングの影響があるのではないか。悩みをかかえ、うつ傾向の方も少なくない。離婚協議中、別居中の方は手当も受けられず、とても厳しい。母子世帯の生活・雇用の悪化による経済的困難は継続しており、今後も困難が増す可能性がある。ひとり親世帯臨時特別給付金など、追加の手立て、経済的支援がとても重要と強調されました。

 お話を聞いて改めて、児童扶養手当の増額や給付金の追加支給を、国や東京都に求めるとともに、北区としても独自支援を拡充する必要があると痛感しました。

しんぐるまざーずフォーラムへのメール相談より

 

コロナ禍でのいのちの危機

 HUFFPOSTの記事で息をのんだ。自殺者数、2000人超の衝撃。女性は82.6%増加。10月の自殺者数だ。2153人。男性は前年同月比で21.3%増え1302人。女性はなんと82.6%も増えて851人。

 困窮の現場で支援活動もされている雨宮処凛さんは、女性の貧困が極まっていることも要因のひとつではと指摘。コロナ感染拡大で影響を受けた観光、宿泊、飲食などのサービス業は、コロナ以前の売り上げにはほど遠く、この先の展望が見えない状態。

 厚労省の集計では、コロナ禍の解雇、雇い止めは7万人以上。パート、アルバイトは前年同月比で74万人減少。その多くを占めるのが女性。63万人だ。

 8月の無料の電話相談「コロナ災害を乗り越える いのちとくらし何でも相談会」の相談内容では、今年の2月と比較し、自主営業が月収で11万4千円、派遣社員が9万2千円、フリーランスが6万円だったとのこと。

 賃貸に住んでいるような場合は、たちまち家賃の支払いに窮するのは目に見えている。住まいを失うかもしれない。暮らしていけるかわからない。先の見えない不安で、夜も眠れなくなるだろう。ひとり暮らしで、人と会ったり、会話するようなことがなければ、落ち込んだ気分のまま精神的に追い詰められてしまうと私も感じた。

 沖縄大学の山野良一教授が、朝日新聞のデジタルアンケートを分析した結果では、コロナ禍で所得の少ない人ほど収入が減っているとのこと。子育て中の年収400万円以下の世帯では7割が減収。年収200万円以下の世帯では3割が、収入が5割以上減ったと。200万円で5割以上減収ということは、年収で100万円。とても生活が成り立たない。

 一方、年収600万円以上の世帯は約6割が変わらない。5割以上減収はわずか2.5%だったと。

 北区でも社会福祉協議会が窓口で、緊急小口資金や総合支援資金の貸付、住居確保給付金の制度があり、利用実績は高止まりで推移している。制度の継続・延長を行い、貸付は返済免除を拡充し給付へ切り替える、また、生活保護をためらわず活用、適切にむすびつける等、

 年末年始、安心して年を越せるセーフティネットを機能させることがますます重要だと痛感した。

 

2021年度北区予算編成の要望書提出

本日、北区の花川区長に、2021年度北区の予算編成に関する要望書(9つの柱162項目)を提出しました。

うち50項目の重点項目を説明した後、9人の議員からも要請。

私からは、先月、地元でおきたアパート火災で焼け出された若い世代の方々の生活困難を伝えながら、年末年始、仕事や住まいを失い路頭に迷う人がないよう、東京都とも連携して取り組むことや、

コロナ対応などで逼迫している医療機関への財政を含めた支援を求めました。

区長は「厳しい予算編成だが、区民や団体からの切実な要望と受けとめ、編成の中で十分努力、検討をすすめたい」と答えました。

花川区長に予算要望書を提出する区議団

あるこうよむらさきロード

 第12回あるこうよむらさきロードが、東京ウイメンズプラザで開催されました。今年のテーマは「もう我慢しない!」コロナ禍で、ZOOMも企画。

 自分の受けたDVや暴力、性暴力などの被害を受けても誰にも言えず、加害者から逃げるように暮らさざるをえない社会はおかしい、自分達は悪くない。隠れていないで声をあげようと仮装して始まったパレード。続けてきた当事者や被害者支援、加害者更生の方々は、ジェンダーギャップ指数が121位。12年前より、さらに押し下がっている日本社会の現状に心底憤りを感じ、

 あらためて「もう我慢しない」、恥を感じるべきは暴力を選んだ人、それを容認している社会だとアピール。

 DVはジェンダーにもとづく暴力。女性差別を放置している日本の社会構造が生み出している。女性への見下し、あまりに日常的に起きている。加害者はDVを家庭や社会から学んだ。加害者を変える責任は社会にある。更生プログラムが必要との思いもシェアしました。

 ジェンダー平等の社会は、世界の潮流。共につながり、未来をあきらめず、暴力や差別のない新しい社会を築きたい。

火災罹災者の生活再建を考える

 10月中旬、豊島町のアパートで火災事故があった。新聞では「コロナに絶望し火をつけた」との報道。やりけれない思いがつのります。

 町会事務所に、一時的に身を寄せた方々は、20~40代。次の住まい確保や生活再建の資金も厳しい状況ですが、火事は火元責任との考え方もあり、公的な支援も十分ではありません。

 私は、何人かの生活再建のご相談に対応しながら、あらためて自己責任だけでない、緊急の住まい確保や生活資金の提供、寄り添い方のサポート体制が必要だと感じ、第4回定例会の本会議質問でも要望することにしました。

 ようやく転居先をみつけた方の引っ越しもお手伝いしながら、困難を乗り越えて新たな生活を歩めるよう心から願う日々です。

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