ジェンダー学習会 これからの男の子たちへ

 ジェンダーオンライン学習会を視聴しました。講師は「これからの男の子たちへ」の著者、弁護士の太田啓子さん。

 最初の自己紹介で、弁護士として離婚事案にかかわる中で感じている性差別についての問題意識を話してくださいました。

 DVやモラハラを行う男性と接する機会があるが、妻から「怖くて一緒にいられない」と言われ、夫婦の危機のはずなのに、夫本人は「なぜ妻が怖がっているのかわからない」ということが多い。 

 どうして性差別的な価値観やゆがみが作られてしまったのか。日本の性差別構造(経済力、収入の格差。意思決定の場に女性がいない)について、また、自身も二人の男の子を育てる親としても考えていく必要があると感じたと。

 例えば、「男の子って~なのよねえ」と、幼稚性、暴力性を容認していないか?カンチョーを放置していないか?スカートめくり「好きな女の子には意地悪しちゃうんだよねえ」と、行為は許されないのを免罪してしまうアプローチをしていないか?等々、、。

 性差別や性暴力が、どんなにその人の尊厳を傷つけ、苦しみを与えるかを知る必要がある。加害者をなくさなければ被害者はなくならない。包括的性教育やリテラシー教育がとても重要だが、日本では全く足りていない。

 女性蔑視、性差別は許さないという社会通念を作っていく必要がある。そのためには、男性こそ変わらなければならないと。

 これからの男の子たちへ、男らしさの呪いから自由に生きてほしい。

 有害な男らしさ。競争の勝ち負けの結果でしか自分を肯定できない。女性に対して上のポジションでいることのこだわりが強い。対等な関係性を持てない。不安や弱さを否定する。コミュニケーションではなく、力で決着をつけようとする。

 フラワーデモを通じて、はじめて気がついた男性もいるのではないか。逆に言えば、マジョリティとは、驚くほど気がつかなくてすむ、傷つかなくてすむ人ということ。男性というマジョリティとしての特権を持っていることを自覚し、マジョリティとして性差別、性暴力に抗う人になってほしい。

 セクハラ・性暴力を止めない、性差別・性暴力に対し、何もしないのは手助けするのと同じと。

 最後に、自分自身の鈍感さを認識して、常にアップデートする謙虚さを持ち続けていきたい。性差別・性暴力を見逃さない。自分にできることは何か?一歩ふみ出す勇気をもとうと話されました。

 お話をうかがい、自分も子育てをしてきた親として、とても身近に考えることができ、ハッと気づかされたり、共感することがたくさんありました。

「これからの男の子たちへ」改めて読み返したい!

これ以前の記事を見る