居場所のない若年女性支援から考える ジェンダー平等

 市民と野党の共同企画として実行委員会が主催し、「家に帰れない」ー居場所のない若年女性から考える、今こそジェンダー平等を実現しよう!とのテーマで、一般社団法人Colabo代表の仁藤夢乃さんと、池内さおり前衆議院議員とのトーク企画が、北とぴあで開催されました。(コーディネーターには、党・新宿区青年学生オーガナイザーの黒田朝陽さん、司会は立憲民主党のうすい愛子北区議)

 仁藤さんからは、虐待やDV、貧困などで家に居場所がない中高生など10代の女性が、公的支援を受けられないまま、夜の街をさまよい、性暴力や性的搾取の被害にさらされる現状が語られ、「コロナ禍でリスクが高まり、2020年度は相談者が前年度(591人)の2.5倍に急増した」と述べました。

 池内さおりさんは、そうした問題の背景に、児童相談所をはじめ、中高生向け支援の不足があることや、1956年に売春防止法が施工され、婦人保護3事業(婦人相談員による相談、一時保護、婦人保護施設)がスタートしたが、その法律は特別刑法であり、女性の人権や福祉の視点がないことを指摘。

 その後、DVや人身取引、ストーカー被害に対する法律が成立したが、その法律によるハードやソフトの整備ではなく、婦人保護事業の枠に入れられ、必要なケアが異なる被害者に対する事業になっていないと強調し、

 世界は2011年、イスタンブール条約にもとづき、女性へのあらゆる暴力根絶に向け、法整備や支援の環境整備をすすめている。例えばシェルターにしても、人口1万人に1か所の整備がよびかけられている。日本でも、女性の人権擁護、自立支援を支える「包括的な女性自立支援法」の制定し、女性支援の充実が必要だと語りました。

 会場からの発言では、「若年女性、とりわけ障がいがあるなど困難をかかえている少女たちをモノのように扱う、人格を否定するような性搾取の現実があることを知り本当にショックを受けた」と涙ながらに感想も語られました。

 コーディネーターの黒田さんからは、性暴力や性的搾取の話は、特別な女性の話ではなく、大学生と話をしていても、学費や生活費のためのアルバイトから被害にあうこともある。性暴力や性的搾取が、日常と隣り合わせの問題と感じるとの指摘もありました。

 私も会場で、池内さんが2016年、国会質問で女子高生の性を売り物にする「JKビジネス」や「AV出演強要」の実態をとりあげ、大臣から前向きな答弁を引き出し、政府も1年間かけて調査検討会を設置し報告書を作成、提言。

 その後、東京都のJKビジネス規制条例の制定や、民間団体が行う若年女性へのアウトリーチ相談など、若年女性支援モデル事業がスタート。北区をはじめ地方自治体の青少年健全育成計画や男女共同参画推進計画などに「JKビジネス」や「AV出演強要」への啓発や相談などの取り組みの具体化につながっていることを紹介させて頂きました。

 仁藤さんからは「池内さんは国会質問でとりあげてくれたことはもちろんだが、議員でない時でも、支援の現場に何度も足を運び、女の子たちの支援を一緒に取り組んでくれている。もっと力を発揮してほしい」と期待を寄せました。

 

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