表現の自由と女性差別、アンコンシャス・バイアスを考える

 1月11日(火)、女性議員パワーアップ集中講座が参議院会館で開催され、講座Ⅱは、牟田和恵大阪大学人間科学部人間科学研究科教授が、「表現の自由と女性差別」をテーマに講演しました。

 牟田教授は、昨年の児童を対象にした千葉県警交通安全PR動画が話題になったことについて、国連女性差別撤廃委員会の日本政府に対する勧告(2016年)すなわち、女児を性的対象とするような固定観念を懸念し、女性差別に照らしたものと強調しました。

 しかし、マスコミも含め、表現規制と歪曲した誤解が高まってしまった背景に何があるのか?と、以下2点を論じました。1つは、女性差別撤廃条約や男女共同参画計画への無理解。メディアも報道せず、国民もあまり知らない。

 2つに、日本社会が幼女キャラを性的描写することに慣れ過ぎており、可愛い、親しみやすい、無邪気というイメージが、女性・女児に向けられていると指摘。

 その上でフェミ議は、大企業も含め日本社会全体が、女性・女児はこうあるべきと使い慣れている中で、女性の表象、女性の多様な実態のあり方を示し、せめて公的機関がどのような表現をするのかと重要な問題提起をしたと評しました。

 次に、内閣府男女共同参画局の局長・課長が、R3年に行ったアンコンシャス・バイアス(性別による無意識の思い込み)に関する調査の結果を報告(詳細は資料参照)。

 参加者より、「H8年、自治体に示された広報の手続きガイドラインは今も生きているのか(生きていますと回答)」「HPに掲載を復活すべき(バージョンアップした事例集を周知)」「県警動画の見解は(個別事例は、、)」など質疑応答あり。

 最後に牟田教授は「従順で幼い女性キャラがもてはやされることと、女性がものを言うことを許さない。犯罪行為のようなバッシングは表裏と感じる。内閣府も共に頑張ってほしい」と発言され、会場から拍手が起こりました。内閣府の調査も活用し、各議会でも意識改革、慣行・制度改善につなげていきたいと感じました。

講演する牟田教授
内閣府男女共同参画局局長よりご挨拶

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