京都里山SDGsラボ「ことす」

 京都大学大学院地域環境学堂の浅利美鈴准教授の「ごみ減量」に関する講演を伺った際、ご紹介頂いた「ことす」は、京都市の京北地域にあるSDGs・社会課題解決につながる情報発信、交流、創作活動の拠点として昨年8月末にスタートしました。

 元小学校の一部をリノベーションし、テレワークや会議、交流などができるオフィス空間や、脱炭素社会に向けた省エネ、創作活動のアップサイクルも取り組み、地元地域の里山ならではの食・健康・文化の再発見、小中学校のSDGsや環境教育など、新たな「こと」をおこす場として期待されています。

 見学にうかがった際、最初に目に入ったのは、古着の回収スペース。フリマや毎月第4土曜に「京北めぐる市」を開き交換もできるとのこと。続いて、ごみの分別や生ごみの分別回収。3R(Reduce、Reuse、Recycle)の理解を深め、「自分ごと」「地域ごと」にして実践をすすめる生活のきづき、きっかけを発信。

 キッチンラボでは、広いキッチンを活用し、地元で採れた野菜を使って、「キムチづくり」に来ている女性がおりました。料理教室にも使えるとのこと。

 また、木工の加工機械をそろえたアップサイクルラボでは、森林組合や建築の方ともコラボ、日曜大工やDIY、木工教室などが、その隣のスペースでは、着物なども含めて古着を活用し、裁縫、創作できるようみしんも複数台、準備されていました。

 音楽室を活かした多目的スペースDXスタジオでは、大型スクリーンも設置されており、教育活動はもちろん、写真・動画撮影、ライブ、音楽イベント、映画鑑賞などができるように!!

 運営は、京都市や京都大学、民間企業、林業組合など20の団体などが参画した協議会形式により取り組まれています。新年度は内閣府の予算枠に自治体が手をあげ年間9200万円の補助を活用し、運営にあてているが、来年度からは施設利用を高め、シェアオフィス、セミナーなども開催し、運営費を捻出することも課題であると伺いました。

 施設見学、説明を担当してくださったスタッフのFさんは「電気ひとつとっても、自分は暮らしの中で、どれくらい電気をつかっているのか?どこでつくっているのか?と、いろいろなことに自分は関わっているという関係性を知り、学ぶことがとても大事」だと語ってくれました。自給的な概念、地域共同で皆で造っていく。ストイックではなく、美味しく、楽しく、心地よくをモットーに(例えば、今日は野菜の日 キャンドルデイ等)取り組めるといいなあと感じました。

古着コーナー
生ごみコンポスト
ミーティンぐルーム
リシンクルーム(SDGsから世の中を見てみよう)テーブルも産地の木材で加工。中央の暖房は、木材チップを燃やして暖房に。
キッチンラボ
アップサイクル
スタジオ
ミーティングルームなどから見える景色
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