「男だから」は窮屈だ!

 15日、男女共同参画活動拠点のスペースゆうにて、啓発講座「男だから」は窮屈だ!~自分もまわりも尊ぶ方法を考える~に参加しました。講師は、川口遼(名古屋大学男女共同参画センター特任助教)さんです。

 川口さんは「ジェンダーは日々、生活するたびに感じられるもの。自分自身も当事者の一人として考えてほしい」とご挨拶しながら、はじめに、

1、ジェンダーについて

男らしさ、男性性について、性規範では「泣くな」「弱気になるな」「身体の使い方が勇ましい」、性役割では、「家族を養う」「一家の大黒柱」など、男っていうのは、こういうものだよね、という社会的、文化的な性である。

また、男性は、女性は~だと平均的に言われていることもあるが、それはあくまで平均であって、集団としての性差と、個人のあり方は違うという話は印象的だった。

2、ジェンダーを「実践する」

ジェンダーは、家族、学校、メディア、友人関係などを通じて学び、日々、内面化、身体化していくもの。自分や他人のふるまいの根拠や正当化するものになっているとも指摘。男だからね~〇〇だよね。

社会構造から視点を変えて見てみると、、、、。

ミクロレベルでは、男性は上から支配はするが、人間関係のマネジメントをあまりやらない。許されていることが多いのでは?

メゾレベルでは、一家の稼ぎ手、主としての責任、仕事における卓越を求められている。男性のちゃんとした生き方は、高校・大学・就職・結婚・出産・マイホーム、サラリーマン的、大企業のホワイトカラーが理想の男性像?

内閣府の調査でも、上記を期待する調査結果が出ている。

3、有害な男性性とは?

男らしさの3つの指向性

①優越指向(他者と競争し、勝たなければならない。日常のちょっとしたことで競い合う。知識についても)

②所有指向(たくさんのモノを所有し、管理しなければならない。お金、コレクター、より多くの女性をモノにするという言い方も)

③権力志向(他者に自分の考えを押し付けなければならない。自分の言うことを聞かせる)

以上の内容は、達成しないとシンドイ、達成しようとしてもシンドイものでは?

自他に悪影響を及ぼすような男性性のあり方は、

①感情の抑圧、苦悩の隠蔽(弱音を出せない。相談できない)

②表面的なたくましさの維持

③力の指標としての暴力

男性による暴力・ハラスメントや、自殺率の高さの原因として、しばしば言及される。

4、自分も周りも尊ぶために

以下のことを自覚する必要があるのでは

①支配へのほの暗い欲求がある ②透明なマジョリティ(特権をもっている、差別構造におけるマジョリティは、自らの支配構造にきづかない。「平穏の権力」「自動ドア」とも評されている。)3、内省とセルフケアが大切(自分の行動や状況をみつめなおす。自分が傷ついていたことを認める。個人的な問題ではなく、構造的な問題への視点をもつ)セルフケア(自分自身を尊重すること)は大事。

 お話をうかがって、男らしさとして社会的に形作られてきたものを取り込んで、男性らしく生きることに、生きづらさを抱える、窮屈だーと感じているのか?いないのか? 更に、社会的な特権を持っている、男性だから許されていることがある。有害な男性性、悪影響を及ぼす男性性について、男性自身がもっと認識し、深める必要があるのではないか?との課題提起を頂き、改めて考えを深めることができました。

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