増やそう女性議員!内閣府へ要請

 4月18日(月)、内閣府男女共同参画推進課へ「名古屋宣言」を持参しました。宣言は、女性議員を増やすため、「男性偏重の一強政治を生む小選挙区中心の選挙から、民意を反映する比例代表制中心の選挙を」要望するもので、女性参政権記念日の4月10日に名古屋で採択されました(主催「楽しく比例制をめざす会」)。

 瀬野喜代前荒川区議、三井マリ子元都議、本村伸子衆議院議員(日本共産党)、山崎たい子北区議、よだかれん新宿区議(れいわ新撰組)が同席しました。

 内閣府からは、2名の女性職員が応対。「2020年に策定した第5次男女共同参画推進計画の中で、2025年までに、衆・参で女性議員35%以上を努力目標とした。地方議員へのアンケート調査にも取り組み、この度、ハラスメント研修の動画も公開した。」と説明しました。

 しかし、肝心の比例代表制など選挙制度のテーマについては、「選挙制度に関わることは、国会での議論、政党間の協議や取り組みが第一義的であり、政党における自主的な取り組みを」などと述べるにとどまりました。

 参加者から、「女性の立候補を阻み、女性議員につながらない現行の選挙制度を修正または廃止し、暫定的特別措置などすべての適当な措置(立法を含む)をとるよう、政府に要求しよう」(宣言文)を伝えるために来た、と強調されました。

さらに次のような発言がありました。

瀬野さんは、「候補者均等法にてらして、自治体ごとで取り組んでいる実施状況などを見える化して、推進をうながしてほしい」

よださんは、「比例制は多様性を生む大事な制度。議員に対する票ハラスメントは、世間の人は知らないので、さらに周知をはかってほしい」

私、山崎は、「北区議会で今年2月に、ハラスメント講習会を実施した。アンコンシャス・バイアスを含め気づきが重要と認識を深めたが、日本では選挙制度そのものの改善が必要と思う」

本村さんは、「昨年の衆院選で、女性議員の比率が更に低下はショック。政党の努力はもちろんだが、政府が率先して、諸外国の女性議員数と選挙制度の関係の分析、情報発信を行ってほしい」

三井さんは、「女性差別撤廃条約の第2条、3条、4条に、特別措置や立法を含むあらゆる措置をとりなさいと示されている。比例代表制は女性が当選しやすい制度であることは、1980年代にすでに証明されている。日本では比例の枠ですら250、180、176とどんどん減らされていて、むしろ女性議員に不利になっている」

国連から日本政府には、女性議員を増やすだけでなく、「アイヌ、部落、在日コリアンなど民族およびその他のマイノリティ女性や障害女性」の政治参加をもっと進める措置をとるように、と勧告がでています。 

政府は、女性議員を増やして男女平等にしようという政治的意思をもって、比例制やクオータ制をすすめるべきです。北欧など諸外国の選挙制度と女性議員増との関係を調査して広め、積極的に具体的に政策推進を、と重ねて要請しました。

名古屋宣言

 コロナ禍は、女性たちを一層生きづらくしました。真っ先にクビにされる非正規の女性たち。保育・介護サービスが滞って途方にくれる女性たち。子どものために食事を削るシングルマザー。性産業に追い込まれる女性・・・。

 女性が差別されずのびのび生きられる社会は、子どもにはもちろん多くの男性にとっても幸せな社会です。しかし当事者である女性が議会に余りに少ないため、女性の声を受けとめた公的しくみは、一向に日の目を見ません。

 日本女性が初めて参政権を行使した1946年4月10日、39人の女性が当選しました。女性が衆議院の8.4%を占めた日本は、女性議員の最も多い国の一つでした(注1)。しかし現在9.7%にすぎません。一方、世界の女性議員は26%に伸び、日本は世界166位へと転落しました(注2)。地方議会においても、日本は14.5%であり(注3)、世界平均36%(注4)にはるかに及びません。ここ愛知県議会も100人中女性はわずか6人です(注5)。

 理由ははっきりしています。世界各国は、選挙制度改革やクオータ制導入等によって政治分野の男女平等を進めてきました。しかるに日本は、こうした世界の歴史に背を向けてきました。戦後直後の「大選挙区・連記制」から、「中選挙区・単記制」へ、そして「小選挙区比例代表並立制」へと変えて、しかも女性が当選しやすい比例区の定数削減さえしてきました(注6)。日本政府は、女性差別撤廃条約を1985年に批准しながら、男女平等社会実現への責務を果たしてこなかったのです。

 女性参政権76年を記念する2022年4月10日、日本列島の真ん中・名古屋に集まった私たちは、“市民社会の鏡であるべき議会”の半数を女性に、と熱望し、ここに宣言します。

一つ:男性偏重の一強政治を生む小選挙区制中心の選挙から、民意を反映する比例代表制中心の選挙をめざそう

一つ:政党に男女同数候補者を完全に実施させるため「候補者男女均等法」の法改正をめざそう

一つ:来るべき参院選では、支持政党の女性候補に1票を入れよう。女性がいないなら女性候補の擁立を要求しよう

一つ:女性議員が、1人もいない「女性ゼロ議会」、1人しかいない「女性ひとり議会」をなくそう

一つ:結果として女性の立候補を阻み女性議員増につながらない現選挙制度を修正または廃止し、暫定的特別措置など全ての適当な措置(立法を含む)をとるよう、政府に要求しよう

                                            2022年4月10日

                            「女性参政権76年増やそう!女性議員を」参加者一同

注1 スウェーデン8%程度(2022/3/29ス大使館直接取材)、フィンランド9%、デンマーク5.4%、ノルウェー4.7%、アイスランド1.9%。

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