生活困難を抱える住民への支援現場からの提言

7月24日の全国地方議員交流研修会分科会では、反貧困ネットワーク瀬戸大作さんが、生活困難を抱える住民のために「支援現場から自治体議員に求めること」として報告されました。

瀬戸さんは、コロナ禍、文字通りフル回転で困窮者支援に奔走されています。いつも頭がさがりますが、今回の報告も本当にリアルな内容で胸にささりました。憲法25条生存権の保障。憲法13条個人の尊重・公共の福祉にもとづき、本来、行政が社会保障制度として行わなければならない、逆に言えば、今、政治・行政に欠けているものを明確に提言されていると感じます。党区議団としても、本会議などで繰り返し質問してきた内容とも重なり心して受けとめ、制度改善に共に力を尽くしたいと思う。以下報告の内容要旨です。

1、住まいの貧困をなくす。

  • コロナ禍で住居確保給付金制度が実施されているが、民間賃貸住宅に暮らす低所得者を対象にした恒久的な家賃補助制度が必要。高齢者、ファミリー世帯だけでなく、若年単身者も含めたすべての低所得者を対象とする(例えば月収入20万円以下で収入比40%を超える世帯に家賃補助)
  • ネットカフェなどを利用している人は、アパート設定のための初期費用が払えない。入居費用の無利子貸し付け制度も必要。
  • 都営住宅の入居要件を緩和し、60歳未満、単身でも入居できるようにする。
  • 居住支援協議会とも連携して、民間の空き家住宅や老朽化した公社住宅を、公が借り上げて確保し、入居基準を緩和して、単身者でも外国籍の方でも入居できるようにする。

2、貧困ビジネス規制をおこなう

  • 住まいがない時に、福祉事務所に相談に行っても、無料低額宿泊所をまず案内される場合が多いが、ハウジングファーストが基本である。
  • 集団生活を強要する無料低額宿泊所ではなく、個室型が基本であり、支援が必要な際は、医療支援、家計管理、生活改善支援付きの一時利用住宅の設置が求められる。
  • 居住支援の強化を図るため、ホームレス状態や一時宿泊施設を経由せずとも地域居住支援事業において支援する。
  • 貧困ビジネス、囲いやは人権侵害を指摘されている。実態把握、議員職権で立ち入りをおこなう。

3、物価高騰、値上げなどから困窮者を守るために「生活保護費」の特別加算を緊急に取り組む

・厚労省は「地方創生臨時交付金の利用は、自治体の判断で生活保護利用者に福祉増進の目的で8000円までは支給できる、8000円を超える場合でも国に趣旨を説明した上で可能」と回答している。その他にも地方創生臨時交付金を迅速、効果的に使い、国の支援がいきわたらない事業者や困窮世帯を直接支援する。

4、生活保護制度と生活困窮者自立支援制度の一体化運用をすすめる

①就労支援、家計改善支援、居住支援を必須事業化に。

②生活困窮者自立支援制度と生活保護制度の「重なり合う支援」就労準備支援事業、一時生活支援事業、家計改善支援事業等について、被保護者が様々な支援を受けられるよう、より一層の連携方策を検討する。

報告する瀬戸さん
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