2022.08.21
鉄の造形展「戦死者たちからのメッセージ」
「第27回平和のための北区の戦争展」に足を運びました。
今年はジャーナリストだった「武田美通(よしとう)」さんが、60歳を前に、鉄の造形作家の道を歩み、享年80歳までの晩年の15年間、
日本が戦争する国への兆しがみえてきたと「戦死者たちからのメッセージ」という作品に取り組んできたという。
その中の6点が造形展として、紹介されていました。
息をのむ。衝撃が迫る。動けなくなる。
しばし、そのメッセージに、身も、心もフリーズした。
鉄の造形作家。武田美通さん。
1935年ー2016年5月15日 享年80歳。1935年北海道小樽市生まれ。皇国の少年として育ち、国民学校(小学校)1年生の時、太平洋戦争に突入、4年で敗戦。早稲田大学で社会学を学び、日本経済新聞社の記者として、10年勤務。以後、テレビ東京に転身。60年安保取材をスタートに、激動の昭和後半を目撃。海外取材を含め、36年間のジャーナリスト生活だった。とりわけ少年期からのテーマ「戦争とは、、、国家とは、、、軍隊とは、、、」のもとに、アメリカ海兵隊や自衛隊などの取材に力を入れた。60歳を前に、造形作家の道を歩む。当初は音楽家や鳥、花などの作品づくりに取り組んだが、それらは400点を超え、人気を博した。しかし「戦争をする国」への兆しがみえたとき、それまでの作品づくりでよいのかと自問。以来15年に及ぶ「戦士者たちからのメッセージ」制作に取り組む。音楽家や動物を作り続けて獲得した創作力は、戦死者たちの無念、悲しみ、やさしさをも表現する力強い、繊細な造形を可能にした。遺された作品はこれからも人々との心を揺さぶりつづけ、次世代への力強いメッセージとなるであろう。