女性の住まいシンポジウム

 18日、「住まいの貧困に取り組むネットワーク」など住まいに関する団体が主催した「ジェンダーと女性の住まいの状況」についてのシンポジウムに参加しました。

 わくわくシニアシングルズの大矢さよ子代表は、2020年に40代以上の中高年シングル女性2345人(うち40代が61%)が回答した生活実態調査を報告。

 就労率は86%であるが、正規は44%と半分に満たず、非正規・フリーランス52%で、資産がないと答えた人は、40代で30%、50代で24%、60代で10%であり、65歳以上で年金が10万円未満は54.3%と働き方による低年金の結果、高齢になっても働き続けるとの回答は65%、非正規・自営業では8割にのぼっている。家賃など住居費を支払った後に「家計に余裕がない」と答えた人は62%にのぼるとお話しました。

 横浜市男女共同参画推進協会の植野さんからは、2021年に実施した「単身女性の住まいの調査」(非正規、男女の賃金格差あり、単身女性は貧困の中、高い居住負担やリスクを抱えている)や、2022年にはすべての性別の31~60歳で、就労中、年収180~600万円の約500人が回答したWEBアンケート調査の結果(生活費における住居費の負担率、男性25.7、女性29.1と女性の負担が大きい等)も示しながら、

 日本の住宅政策は「男性稼ぎ主型を前提にした持ち家政策」であり、若い世代や女性が支援制度からこぼれおち困窮していると指摘。家賃補助や単身の公営住宅の入居条件緩和が必要とお話しました。

 お話を伺いながら、日本の社会の中で「女性がひとりで生きていく」ことの安心が保障されていないこと。その大前提に「住まい」の保障がないことを痛感しました。

 コロナ禍でおいて、住宅確保給付金の伸びが非常に大きかったことは、それまであった住まいの貧困の状況が大きく可視化されたと感じます。現状で住宅セーフティネット法が制定され、4万円の家賃軽減住宅が整備できることにはなっているが、北区でも新年度に、URを含む民間住宅の活用により2戸からのスタートで、現状のニーズに応えるにはあまりにも乖離が大きい状況となっています。

 ヨーロッパでは「住まいは人権」が浸透し、1970年代から家賃補助はあたり前。お隣の韓国でも住宅に困っている人の定義を広くとらえ、社会的住宅の整備をすすめています。提起された「家賃補助」や「公営住宅の要件緩和」での量的な支援が切実に望まれていると感じました。

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