女性のライフサポートを学ぶ

 9月22日~23日、国立女性教育会館(NWEC)で開催された「女性のライフサポート研修」(一般社団法人若草プロジェクト、NPO法人日本NPOセンター主催)に参加しました。

 1日目は、生きづらさを抱える女性支援に関する政策と民間支援の連携と題しパネルトーク。

 厚生労働省社会・援護局総務課女性支援室長の野中氏からは、「女性の福祉」と「人権尊重」のために、困っている女性なら誰でもすべて対象とし、民間団体と対等に連携し受け入れ支援していくこと。そのためにも、女性に支援を受ける権利があることの積極的な啓発。一時保護の要件を狭くせず、DVに限らず、一時的な心身の安定をはかる居場所を確保し支援する等が重要。また、民間団体と対等に連携していくために、公と民間団体の関係者が集まる「支援調整会議」を設置し協力することが報告されました。

 豊島区男女平等推進センター所長の清水氏からは、豊島区で全庁(若手女性職員を中心に)が横断的に協力してとりくんだ、若い世代の女性のための「すずらんスマイルプロジェクト」についてお話がありました。

 若い女性は困ったことがあっても「自分が我慢すればいい」「こんなことを相談してもいいのか」との思いから行政にはほとんど相談に来ない。そこからまず変えていくことが必要だと、HPやPRの工夫、R3年にはサンシャインの一角にNPO法人ピッコラーレに委託し出張相談会「ピコカフェ」を開催。

R4年にはプロジェクトを4つのチーム(情報発信、調査研究、アクション、人材育成)で推進し、若者の居場所カフェにも取り組んだ。R5年からは、区長直轄のプロジェクトに位置づけられ、管理職研修にも取り組んでいる。・すずらんネット会議(民間支援団体との会議体設置、困難女性支援法の支援調整会議の先行モデル)・街なかすずらんサポーター連携事業(すずらんの取組みや相談をPR)・若者企画すずらんエール事業(大学生、高校生、当事者へ、PRカード、HP,生活用品支援)の取組みなど紹介。

 話をうかがい、若者や女性と関係性がもてる様々なチャンネルをもつこと。子ども・若者にかかわる人のアンテナを高くすること。更に豊島区では100人女性会議、豊島FI会議など当事者の声を聞く機会をもっており、そうした姿勢がとても大切であること。庁内の壁をやぶり、民間団体、当事者世代ともつながっていくことの重要性を感じました。

2日目は、女性支援の先進的な取り組みについて、デジタルの活用などについて学びました。

 いま、相談支援が必要な若年女性はネットやデジタル空間にいる。しかし、相談・支援の団体や体制は、一番必要な人に届いているかと問いかけがあり。

 若い世代は検索はネットで行う。Utube、Tictok、インスタ等々。相談支援のデジタルツールは必須。その際のセキュリティ、情報の取り扱い、事務についてもしっかり対応する必要がある。

若い世代が得意とし長けているツールではあるが、相談を受ける側の経験やスキル、社会資源、ネットワーク、行政との連携などは課題。既存の支援団体と横の連携、ネットワークをつくりながら取り組んでいくとよいのではとの意見交換があり、大変重要だと感じました。北区の取組みにも生かしていきたい。

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