子どものからだと心

「子どものからだと心」脅かされ続ける日本の子どもたちの権利と題し、日本体育大学野井真吾さんの講義を聴講しました。

 保育園や教育現場の先生方や子育て中の保護者から、子ども達の気になる様子として、すぐ疲れれという、背中がぐにゃぐにゃしている。じっとしていない、朝起きられない、夜眠れない、首・肩こり、うつ傾向などが聞かれることについて、

 睡眠導入ホルモンと称される「メラトニン」の分泌が乱れているのではないか。それは、太陽の光をあびて遊ぶ時間が減少したり、夜も明るいまま社会として暗くならない環境が影響しているのではないかと、長期キャンプでの生活環境と子ども達のメラトニン分泌状況を唾液で調べた結果などからと報告されました。

 また、ワクワク・ドキドキする熱中体験、外遊びが活発に行われることが、子どもの集中力を高める調査結果も示しながら、

 日本が国連子どもの権利委員会から、過去3回にわたり勧告を受けている(過度に競争的な教育制度や社会全体が、子どもから遊ぶ時間や子ども時代を剥奪している)点を一刻も早く改善すべきだと提起されました。

 友達とじゃれあい、ふれあって、身体を使って遊ぶことが、子どものからだと心をつくり、豊かに育つ上でいかに大切なのかということを学ぶことができました。

 2つ目の講座は、「生命(いのち)の安全教育」をからだの権利教育へプロジェクトからの報告を聴講しました。

「生命(いのち)の安全教育」は、子ども達が性暴力の加害者にも被害者にもならないために、文部科学省として昨年度はモデル教育を実施、今後は教材を活用しながら、全国の各学校で実施していくものです。

 その学びをより良いものにしていくためにも、何が性暴力であるのか?その前提となる、自分のからだに関する知識や働き、その権利をポジティブに知る「からだの権利教育」が大切と。

 からだの権利教育とは、①からだのパーツ(性器も含めて)や働きを知る。②それは自分だけの大切なものであり、自分のいのちそのもの。いつ誰がどのように触ることができるのかも自分が決める。同意がなければ、勝手に触ることはできないもの。③清潔を保ち、ケアの方法についても学ぶ。④人と人が楽しくふれあう心地よさの体感、経験と同時に、嫌な気持ちになる時は、嫌だと言っていい。困った時にどうすれば良いのかも具体的に学ぶこと。

 幼児から中高生まで、年齢に応じて、また障がいのある子ども達にもどう学びを保障するか。それぞれ、教育実践の具体的なプログラムが報告されました。

 北区の学校現場でも、工夫しながら「からだの権利教育」が充実していくよう求めていきたい。

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