2024.11.06
アディクションサポートセンター
11月6日、女性依存症者の回復を支援している「サポートセンター オ・ハナ」に、宇都宮ゆり議員、せいの恵子前議員と伺いました。
同センターは、アルコールや薬物、ギャンブルなどの依存症の方の回復に取り組んでいるジャパンマック(みのわマック)から、女性特有の課題や支援が必要との認識で、2003年に独立・開設された施設で、障害者総合支援法にもとづく生活訓練施設(10名)と、就労継続支援B型事業所(10名)を運営しています。
利用者の背景に、自閉症やADHDなどの発達障害や、知的障害がある場合が少なくなく、自己肯定感を持つことができず、生きづらさを抱える中で、自己治療的にお酒やギャンブルなどに依存してしまう傾向がみられたり、近年は、クレプトマニア(窃盗を繰り返してしまう精神障害)などにより、警察や更生支援施設からの紹介で利用される方もいるとのこと。
依存症からの回復のためには、その人自身が他の誰かに強要されずに自己決定できる。自分の生き方を決めることができる。安心して過ごせる人との関係性の構築と、空間と時間の確保が必要。時に家族との適切な距離をとったり、自分の生き方を振り返り、ゆがんだ認知はなかったかと、みつめなおし、認識や行動を変えていく積み重ねが重要と説明を頂きました。
アディクションを使わない生きた方を学ぶための「グループミーティング」にも参加させて頂きました。それは、一人一人がお話することを否定や評価ぬきで静かに聴き取りあい、仲間のつながりをつくっていく依存症解決プログラムの一つです。また、就労支援B型作業所も見学させて頂きました。
運営上の課題として認識したことは、
①B型作業所を利用する際の利用料について。現状では世帯の所得に応じて自己負担(利用料)が決まるが、家族との関係において、例えば家事や育児・介護を担っている妻が利用者になった際、世帯主である夫の収入によって利用料が設定され、一定の収入がある場合、月の利用料が9300円もしくは37200円となり、工賃15000円が相殺されてしまう。妻が精神的に負担感を持つなどがあること。他自治体では、利用料の自己負担補助もあり改善できると良い。
②つに、北区で認められている訓練給付の時間について。23区の大半が依存症の特性をふまえ常時支援の必要性から、月31日をマックスとしているが、北区では月に4日間は認められていない。
③つに、支援する人の増加によりグループホームなど支援施設を増やしていきたいが、都内の確保が経済的にもハードルが高く、空き家活用など行政の支援があると良い。
④つに、支援にかかわる専門職である保健師やケースワーカー向けの研修会の充実や支援者同士のネットワークづくりをすすめる必要性である。
視察で学んだことを区の施策充実へいかしていきたい。
B型作業所で利用者の方が作成している製品。「未来を拓く鍵」