2024.12.08
社会で子どもの権利を守る意味
12月8日(日)、赤羽会館にて「社会で子どもの権利を守る意味」と題し、浦和大学准教授の林大介氏が講演しました。(主催は一般社団法人ピノッキオ)林さんは子どもの権利条約ネットワーク事務局長、北区子どもの権利委員会委員の副会長でもあります。
冒頭に、林氏は「日本は民主主義の国であるが、担い手、主権者は誰でしょう」と問いかけ。「現在、日本では18歳以上は成人、選挙権もあるが、18歳未満の子どもも主権者です。主権者としてどう育てていくかとても大事」ときりだしました。
こどもは年齢に応じて成長していく。子どもを1人の市民、一人の人間として尊重する。「あなたは何を感じ、どう思っているのか」と向き合っていくこと。子ども自身がチャレンジし、失敗し、学んでいくことを保障すること。子どもとして安心して楽しめる時間、子どもの時間をどれだけ保障できるか大事だと強調されました。
続いて、子ども達が日頃、どんな思いでいるのか?なんか変だな、ちょっとおかしいなと思っていることを集めて、関西の子ども達が「なんでやねん!すごろく」を2019年につくったので、グループワークで実際にやってみました。
この「なんでやねんすごろく」が、とても面白い!!
大人の都合で押しつけられていること、子どもにとって不自由なこと、差別や偏見、理不尽。いじめや暴力、いいだせないこと等、子どもが感じ、考えていることをカードで共有し、あわせて、子どもの権利(生存する権利、発達する権利、参加する権利、保護される権利など、条約にもとづく42条)も学べるようになっています。
すごろくをしながら、子どもの声に自分自身も共感し、その権利について、自分自身も理解できていないことがたくさんあることを感じました。
林氏は、子どもの権利条約12条は「子どもの意見表明権」であるが「Opinionn」という「言葉」で表現する側面だけでなく、「Views」として感じていること、思い描いていること、~したいと思っていることと捉え、0歳の赤ちゃんでも、小さな子どもでも常に何かを発し、伝えている。それをどれだけ周囲の大人がくみとろう、聞き取ろうとしているか。その積み重ねがなければ「意見」にはつながらない。
自分の意見を言える人は自己肯定感が高い。言っても変わらない。空気をよんで、失敗しない、顔色をうかがって小さくなっているこどもは自己肯定感が低い状況があると述べ、
そのお話から、社会の中でこどもの権利が保障される意味は、一人の人として尊重され、主権者として生きることができることにつながることであると学びました。
北区も今年2024年「子どもの権利と幸せに関する条例」を施行し、子どもの権利委員会を設置。当事者である子ども委員(中学生11人)の参画によりスタートしています。
子どものそれぞれの発達段階に応じて、また、不登校、障害、外国籍、社会的養護など様々な場面で、子どもの意見がくみとられ、子どもの参加、参画がみとめられるしくみをつくり、行政の施策としても予算をどうつけていくか。取り組みをすすめていけるといいなあと考えました。