第4回荒川流域防災住民ネットワークの集い2024

12月8日(日)東京都立大学荒川キャンパスを会場に「#荒川流域防災住民ネットワーク」の体験・講演イベントが開催されました。

同ネットワークは、荒川において観測史上最も高い水位を観測した、2019年の台風19号被害を契機に、荒川流域に関わる都内の地域住民を中心に始まった気候変動に対応する新しい地域活動です。初回は板橋区、昨年は北区、そして今年は荒川区で「集い」を開催すべく実行委員会形式で準備がすすめられてきました。

今年の基調講演は「自助・共助・公助の総和を最大化する共生、共助のあり方」と題し、東京大学教授の加藤孝明氏がお話されました。(以下、要旨紹介)

加藤氏は、地球温暖化による台風の巨大化で、国土交通省発表の水害頻度もこれまでの2倍となっており、インフラ整備をすすめてはいるが、川の容量を超える豪雨が降ると、川からあふれる災害リスクはゼロにはならないことをふまえ、いかに共生していくのか。

2020年頃から「流域治水」という考え方のもと、河川沿いの全ての市街地や地域で水害リスクを認識し、流域全体でリスクをわかちあう努力が求められると指摘。そうした視点から、逃げやすい環境をつくる。浸水をコントロールする。浸水しても被害を少なくし、復旧復興できるようにするとの考え方を紹介。

葛飾区においては、民・学・官が協働で2019年、浸水対応型市街地整備を構想し、区や東京都、国が取り入れる形でまちづくりがすすめられていることや、江戸川区の新庁舎についても浸水対応型の拠点として整備がすすんでいると紹介されました。

助け合いのまちづくり活動報告では、荒川区の住民有志による「川はともだち」の取り組み(自分達で船をつくったり、荒川を知り親しむ活動)や、荒川区立中学校レスキュー部の生徒さん達が「助けてもらう中学生から、助けることができる中学生になろう」と、防災技術を学びつつ、地域住民の方と交流しながら、避難所となる中学校への避難のお手伝いや、防災訓練にも参加している活動が紹介されました。

「集い」に参加し、気候危機による水害リスクに対し、荒川流域全体として取り組む必要性や地域住民それぞれが自分事として主体的に住民同士のネットワークを拡げ、水害・災害に備える住民力を高めること等、防災を軸に総合的にまちづくりをすすめる重要性を学びました。

 

 

 

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