物価高から、くらしを守るために(代表質問)

 1月17日公表の日銀調査でも、くらし向きが1年前に比べ、「ゆとりがなくなった」との回答が57%となり、同年9月の調査よりも4.4ポイント増加。その理由の約9割は物価の上昇、3割は収入減で、家計の悪化が示されました。区民のくらしに一番身近な北区として、くらし応援の施策は最重要と考えます。

北区の新年度予算案では、歳入の特別区税が前年比31億円の増額、地方消費税交付金は11億円増額、特別区交付金は42億円増額で、主要財源で80億円もの増収となり、一般会計の予算総額が前年比で103億円増額の1917億円余と、区は、「実質的に過去最大の予算規模」としています。

また、財政調整基金は今年度、約74億円取り崩す予定が25億円で済み、結果として49億円余の増収になる中で、今年度末の財政調整基金残高は、過去最高の228億円にまで積み上がる見通しとなりました。

こうした下で、北区は今年度末補正予算で、施設建設、新庁舎、まちづくり基金など、基金積み立てに約51億円を追加で積み増し、さらに新年度予算でも30億円と合計で約80億円を新庁舎やまちづくりなどの特定目的基金に積み増す計画です。

この背景には、大企業や富裕層への優遇税制による収入増があると考えられますが、一方で格差拡大により、多くの区民のくらしや地域経済が疲弊しています。財政調整基金も活用し、更なるくらし応援を求め、以下9点、質問します。

30年間すえおかれてきた課税最低限は引き上げるべき。更に年収1000万円以下の方は、所得税よりも消費税の負担が大きく、今もっとも減税効果が高い消費税の負担をなくす「せめて食料品は非課税にしてほしい」との声に応えるべき。消費税廃止をめざし緊急に5%へ減税、食料品は非課税に、インボイス撤廃を国に求めて下さい

<区答弁>消費税の税収は、福祉の財源、食料品へは一定の軽減税率が適用、インボイスも必要な仕組みであり、国には要望を求めない。

北区の納税者では全体19万人のうち、課税標準額200万円以下は10万人と5割を超え、課税標準額300万円以下でみると7割を超えます。多くの区民のくらし、地域経済を守るために、北区が公共調達能力をいかし、契約においても地域に良質なサービスをつくる、更には、官製ワーキングプア解消を進める必要がある。以下3点、質問しました。

公契約条例の北区の労働報酬下限額の更なる引き上げを(世田谷区は1460円、杉並区は1400円に引き上げ)答弁は、R6年度、1時間あたり1191円から1368円に引き上げた。今後も審議会答申をふまえ決めていく。

会計年度任用職員の再任用年数の上限をなくす、教育・保育・児童館などケアに関わる職員の給与引き上げ、病気休暇の拡大、生理休暇を有給に、ボランティア休暇の取得を認めて下さい。答弁は、更新回数上限の取り扱いやケア従事者の賃金引上げは、他区の状況を注視。

③子育て世代職員への2時間の部分休暇は、常勤が6歳まで、非正規は3歳までの対象を、常勤も非正規も差別なく小学6年生まで拡大へ。障害児などの場合は、更なる配慮を求めます。答弁、正規・非正規ともに、小学6年生までの子育て部分休暇を導入する。子が障害児の場合は更なる配慮をする。(これはOK)

今や訪問介護の有効求人倍率は15倍、ヘルパーの平均年齢も60代と人手不足は深刻で、更に今年度、国の訪問介護報酬の引き下げにより、介護事業所の倒産、廃業が過去最高となり、その7割は訪問介護となっています。これでは、地域でケアを支える人がいなくなる深刻な事態です。北区には介護を保障する公的責任があります。介護ヘルパー確保のために、介護事業所の実情を把握し、介護報酬とは別枠で処遇改善補助や社会保険料の軽減、更には、要支援1.2の総合支援事業の単価引き上げ、周辺区と同様、月の包括補助へと改善を求めます。

<区の答弁>介護保険制度は国の責任。介護報酬と別で、処遇改善補助、区独自の支援は考えていないが、特別区長会を通じて要望する。介護報酬引き下げの影響についての国の動向は注視。総合支援事業の計画期間中の変更は考えていない。

 今年度20%プレミアム付き区内共通商品券は、紙の商品券のほか、デジタル商品券も発行し、年度途中にも5000万円追加発行したことを評価します。新年度も①紙の商品券は発行数の増刷やプレミアム率の拡充②デジタル商品券は、理美容店なども含め取扱い店舗の拡大やお店の負担軽減、発効総額の拡充を求めます。

<区の答弁>新年度予算案でも、紙とデジタルあわせプレミアム率20%、過去最大の4億円を発行。取扱店舗の拡大、購入口数の工夫、利用期間の適正化など、商連と連携し、利便性向上に努める。

党都議団が繰り返し条例提案を重ねてきた、住民税課税者へのシルバーパス負担軽減について、東京都が20510円を12000円にすると公表。これを機に北区が、更に1万円の助成を行えば、購入費は数千円で済み「非課税ではないが物価高で生活が苦しいのは同じ」と、これまでやるせない思いをしてきた高齢者の社会参加と生活支援にもつながると考え、課税者へのシルバーパス購入費の北区の追加助成を行うよう求めました。

<北区の答弁>事業の周知は行うが、本人負担のあり方は東京都で検討するものであり、区は補助は考えていない。 

R8年度から北区独自の奨学金返済支援、5年間で最大100万円の給付を行う事業創設が示され、大変嬉しいです。より多くの若者が対象となる給付要件とすることや、若者の就労、住まいの安定など社会的自立につながる施策展開となるよう求めますが、制度設計と区の考えをお聞かせください。②教育費無償化では、他区で更に、修学旅行や郊外学習、制服や教材費などへ拡大。北区でも検討を求めます。

<教育委員会の答弁>北区では、意欲ある若者の学びを支援し、若年層の定住化促進を目的に、R8年度開始の奨学金返済支援給付事業の構築にむけ準備をすすめている。大学などを卒業し、北区に定住する方を対象に、一定の要件のもと、日本学生支援機構の奨学金等の返済を支援する。規模は、毎年最大100人まで、支援を決定した人に5年間にわたり、1人あたり最大で総額100万円の支援を行う予定です。今後、詳細な制度設計を進め、本年秋に周知を行い、令和8年度から申請受付、および給付を開始する。

私は1月14日、党都議団や23区の区議と共に、国民健康保険料の引き下げを求める特別区長会あての要請行動に参加しました。その際、保険料算定では、国の仮係数にもとづいた2025年度の区市町村に課す納付金総額が前年比で260億円の減額となると聞いています。そこで、

来年度こそ国保料の大幅な引き下げを実施すること。国・東京都に対し、子どもの均等割減額を就学前から18歳まで拡充、更には、子どもの均等割ゼロへ財政措置を行うようはたらきかけること。また、子どもの均等割減額を拡充した場合の予算額についてもお示しください。

<北区の答弁>特別区長会は、独自の負担抑制策を実施、一般財源を繰み入れることを決定、詳細は所感委員会に報告。子どもの均等割減額について、未就学児を全額減額では約5600万円。18歳まで、5割減額では約9600万円に。

来年度から受益者負担の考えにより、区民施設使用料が値上げとなるが、区民の社会活動、コミュニティ活動の保障、自治の醸成を根底から支える区民施設がお金の心配で抑制されてはならない。また、スポーツ施設使用料について、目黒区では、R7年度から小人料金を高校生相当まで拡大、杉並区では、R8年度から小・中・高校生を無料にする方針が示された。 北区でも施設使用料を引き下げ、スポーツ施設の高校生までの負担軽減を求めます。

<北区の答弁>受益者負担の原則や負担の公平から適正化をはかった。スポーツ施設の高校生までの負担軽減は、3年ごとの見直しの中で有効性や必要性を判断する。

 私は、再質問の中で、先日、スーパーで「どうしてこんなにお米が高いのか」と店員に詰め寄っている方がいて、結局その方はお金が足りなくて、お米を買うのをあきらめた。本当に切なかった。こうした区民の窮状をみれば、国は消費税を減税すべき、北区としても最大限くらしを支える手立てを最優先でとるべき。北区の今年度末財調基金は228億円と過去最高。新年度予算では区民税、特別交付金など100億円の歳入増でもある。こうした財政力を、十分に生かして、くらしへの支援拡充をはかるよう重ねて求めました。

 また、介護では、世田谷区が昨年9月に補正予算をくみ、ヘルパーの人材不足と介護事業所の運営を支えるため、この12月から区内の訪問介護1事業所あたり88万円、居宅系サービス事業所は28万円などの緊急安定経営事業者給付金の支給を開始した。介護制度の脆弱さは現役世代の介護離職や、ヤングケアラーにもつながる問題であり、危機感をもって対応してほしいと重ねて要望しました。

質問が終わり、控室でほっとひと息~(^^)

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