2025.03.16
介護保険制度のいま・これから
3月16日(日)、北とぴあにて「このままだ介護保険制度は持続可能なのか?介護保険制度のいま・これから」と題したシンポジウムが開催(主催、守ろう!介護保険制度・市民の会)され、私も参加しました。
パネラーである、東京大学名誉教授の上野千鶴子さんは、
「介護保険は、ケアの社会化の第1歩として始まったが、現在、政府は、①給付を要介護3以上、身体介護に限定し、軽度者の訪問介護など自治体の総合支援事業に丸投げ。②利用料の原則2割負担、③ケアプランの有料化ーを狙っている。実施されれば「家族もお金もなければ在宅という名の放置になる」と指摘しました。
現役の介護ヘルパーである、藤原るかさんは、
「在宅生活を支える7割は非正規の登録ヘルパー。利用者さんのキャンセルや入院などがあれば、月収が月により数万円減少することも。そもそも、移動や待機、キャンセルなどは介護報酬に入っていないので、働いているが賃金発生せず、最低賃金を割り込む実態」と語りました。
認知症の人と家族の会、前代表理事の鈴木森夫さんは、
介護保険成立時は、介護の社会化と期待したが、特養ホームの入居が要介護3以上に制限される、また、認定も1次判定は施設介護における介護の手間が基準になっているため、認知症の困難性は反映されにくい、限度額を超えると10割給付、認知症介護はとても限度額で足りない状況ある。要介護認定も廃止してほしいと語りました。
全日本民医連事務局次長の林泰則さんは、
25年間の経過を振り返り、3つの危機(1、保険料払っているのに利用できない、利用させない機能不全。2、深刻な人手不足。処遇改善加算は、条件があり基本賃金が挙げられない。3、上がり続ける保険料はもう限界)に陥っている状況を告発。「制度の持続性の名で、改悪が進められ負担増と給付削減、介護報酬は低く据え置かれ、保険料は上昇している」と、介護保険の国家的詐欺といえる状況を批判しました。
会場からの質問に、それぞれのパネラーが応答。以下の内容を会場参加者と共有しました。
訪問介護の報酬引き下げを撤回させ、政府の考えている3大改悪(①給付を要介護3以上、身体介護に限定し、軽度者の訪問介護など自治体の総合支援事業に丸投げ。②利用料の原則2割負担、③ケアプランの有料化)をストップさせよう。
高額療養費制度も世論の高まりの中で、8月まで凍結になった。当事者が声を上げることが大事ではないか。参議院選挙でも争点とし、当事者が情報を共有し合い、ネットワークを拡げ、声を上げていきましょう。



