2025.07.13
日本で台頭している極右、排外主義の流れを考える
今、一人ひとりのくらしの厳しさ、これからの日本の不安、傷んでいる自分の存在を、どう前向きに打開していくか、考えさせられる日々、、、、。
そんな時には、先人の苦難や苦労、努力から深く、謙虚に学びたい。
今年は戦後80年。日本は第二次世界大戦で、国内外でも数千万人もの大きな犠牲と命を失った。「戦争は二度とおこしてはならない」ということを、私自身、戦争を知らない世代の一人としても胸に刻んで生きていくために、この数十年できる限りの時間を使い、日本が行った侵略戦争の加害の実相を、その国と地域に足を運び、体感し、学ぶ努力を続けてきました。
この活動は、アジアに生きる市民の一人としても、各国の人々との友好を深め、共に生きていくために続けていきたい活動です。
私は数年前、現在、参政党の党首となっている方の演説を聴く機会がありました。その方は、自民の極右とも称されていますが、大東亜戦争は聖戦。日本のアジア侵略戦争を加害というのはまちがいと、強く否定し、日本人のほこりをとりもどそうと訴えていました。
その演説を聴いた時は、背筋が凍るような恐怖を感じた。そして今も当人は、治安維持法やスパイ防止法を肯定するような発言を繰り返しています。まるで、大日本帝国主義の亡霊のようではないか。
参政党の憲法改正創案は、国民主権を否定し、天皇主権を掲げ(側室!!もおくと発言)、戦争放棄を削除、軍隊をおき、個人の尊重や法の下の平等、思想・信条、表現など個人の自由にかかわる部分は、削る内容となっています。
さらに先日は、「男女共同参画はやりすぎ。(ジェンダーギャップ指数118位の日本なのに)高齢女性は子どもを産めない。若い人は10万円やるから家庭で子どもを産み育てて」と発言し批判の声があがっています。
女性が結婚する、しない。子どもを産む、産まないを決めるのは、1人1人の権利であり自由です。根本のところで、人権軽視、女性蔑視を感じます。
そして「日本人ファースト」とは、
格差と貧困の拡大、物価高、不安定雇用の中で生活が苦しい。自分の生活や日本の衰退を憂慮している人々の気持ちを救うかのように響くのかもしれません。
けれども、日本人ファーストの裏には、外国人や、日本人であっても彼らの言う「日本人の条件(日本を大切にする心を有することを基準として法律で定める)」に入らないと判断された人々は、差別され、排除されるということでもある。自分がいつ排除される側になるかもわかりません。
生活難や生きづらさをもたらしたのは、外国人のせいではありません。国民のくらしより、大企業や富裕層、アメリカの利益を優先させてきた政治の責任です。
本当に変えなければならない政治の課題から目をそらし、外国人優遇論、脅威論のデマで、別の敵をつくって分断をあおるー人々の苦しみや不安につけこんで、古い時代の「力の支配」をとりもどそうとする流れに、NO!と抗い声をあげ、
私もあなたも大切にされる。様々なルーツ、国籍や性別や、性的指向で差別されない。多様性を認め合い、誰もが人として尊厳を持って生きられる共生社会や政治こそめざしたい。

韓国済州島にあるアルトゥル飛行場跡地。日本が統治していた時代、世界大戦時、中国・南京方面などへ軍用機が飛び立った。7万人の日本兵が島に入り、弾丸庫や軍用機をかくすオルムをつくるために現地住民が動員されたという。戦争への道はくりかえしたくない。

