若者の相談・支援の取り組み充実を求めて

 9月9日、本会議個人質問の中で、若者の相談・支援について、以下要望しました。質問内容と北区の答弁をご参照ください。

(1)相談窓口の設置などについて

 私は先日、若者をサポートしているNPO法人の方から、お話をうかがいました。

その方は以前、警視庁の特殊詐欺被害防止にたずさわってきたが、そこで出会う若者がごくごく普通の青年であることに衝撃を受け、そうした若者が、誰にも頼れず、闇バイト等に簡単につながってしまう状況を変えていきたいと若者サポートの活動をするようになったと語ってくれました。

今の日本には、家庭にも家族にも頼れず、「誰にも相談できずに、消えていきそう」と感じる若者がたくさんいます。こども家庭庁の令和4年度調査でも、若者の145万人が、「誰にも相談できない」、22万人が「どこにも居場所がない」と答えています。

家庭や家族の中での貧困やネグレクト、虐待など、誰にも気づかれずに、子どもの頃から、暴力に耐えてきた若者がたくさんいるのだーということではないでしょうか。

夜になっても帰る場所がない。お腹がすいても食べるものがない。悩みがあっても話せる人がいない。親や身近な大人に頼れず、困難を抱えている若者が、話を聴いてくれる、信頼できる大人と出会い、暴力を受けずに安心していられる。

時間はかかっても前を向く力をとりもどし、生きていける場や人とのつながりを北区にもつくっていくことが必要と考えます。はじめに、

【答弁】

若者の抱える悩みや不安を受け止めることで、若者自身が、ひとりではないことに気付き、少しでも前向きな気持ちになるためには、身近に相談できる環境の整備は重要であると認識しております。

現在、区では、LINE を活用した相談をはじめとする各種相談事業を、庁内各所管で実施する一方、東京都においても若者と家族等を対象とした無料相談窓口「若ナビα」を展開しており、相談できる環境は一定程度整っているものと捉えています。

昨年のホームページリニューアルの際には、若者が相談したいときに、より円滑に相談窓口へと繋がるよう、「わかもの支援ポータルサイト」を設けました。

引き続き、悩みや不安を抱えた若者が、解りやすく速やかに適切な相談へと繋がるような仕組みづくりを進めてまいります。

(2)民間法人とも連携した取り組みを

 次に、具体的なサポートの内容についてうかがいます。

 先にご紹介したNPO法人では、若者へのサポートは、一緒に伴走し、若者自身が誰かと共に行動して、物事が解決していくのだという体験を重ねていくことが大事であり、3年ほどかけて生活を立て直していくイメージと語っていました。

お金も友達もいない。自分を否定し希望も失っている若者が、誰かと共に笑いあえる、共に過ごす時間を大切にすることで、若者の心に少しずつ変化が生まれていくと。

このNPO法人では、活動のための寄付をよびかけていますが、その使い道の44%は、シェルターも含めた泊まる場所の相談や居住支援、24%は気軽に立ち寄れる居場所づくり、15%が社会参画、8%がアウトリーチとのことです。

行政に期待することは、先に述べた相談窓口の設置とあわせ、住まいの提供がとてもニーズが高く、更には伴走するスタッフがいることが望ましい。社会参加や就労についても、やりたいことに取り組める、働く手前の準備やチャレンジの機会を持てるようにできると良いとの要望をうかがいました。

豊島区では今年3月、独立行政法人都市再生機構と、「豊島区における若者の居場所創出の促進に関する協定」を締結しました。

協定の内容は、豊島区内のUR都市機構所有の空き家・空き地を若者支援のために活用することで、若者の居場所を創出することを目的とし、豊島区とUR都市機構が相互に協力することを定めています。

本協定に基づく、「若者の居場所事業」を運営するNPO法人は2つ。1つはNPO法人サンカクシャが、飲食店事業などを活用した若者の居場所、及び就労体験の場を、もう1つは、認定NPO法人ピッコラーレが、若年妊産婦の生活支援を行い、地域社会とのつながりを通じて、若年女性の自立を促進する場を創出することになりました。

【答弁】

親や身近な大人を頼れない若者への支援は、セーフティネットとしても重要であると認識しております。

区では、これまで庁内の様々な取組においても、民間法人も含めた関係団体・関係機関と、幅広く連携や協力などを行ってきたところです。

そして、若者を支援するため団体が区内で活動していることも把握しており、これまでも情報交換やイベントでの連携を行ってまいりました。

また、「北区子ども子育て支援総合計画2024」においては、ハローワーク等関係機関と連携した、若者の就労支援事業への誘導強化の取組を検討することとしています。

若者支援の取組みについては、支援のニーズや支援のあり方、支援の主体も含めて、他自治体の事例も参考に、引き続き研究してまいります。

〇私は再質問の中で、かつて北区は、若者の就労支援事業として、産業振興課が中心となり、区内の中小企業と若者をマッチングしながら、就労と人材確保に先進的に取り組むんでいたことを振り返り、その際、就労する前段階の準備や寄り添い支援が必要な若者に対するアプローチが課題となっていたことを紹介させて頂きました。

今般の豊島区の若者居場所創出事業では、そこで働いていた若者が「今、とても楽しい」と生き生き活動していたことや、同NPO法人が、若者の就労体験事業として、北区の古民家カフェやコミュ二ティカフェともつながって活動していることも紹介し、改めて、北区でも今日的課題として取り組んでほしい旨、要望しました。

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